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~色と心のハーモニー~

 メンタルヘルスケアアドバイザー・カラーセラピストの内原静香です。

 

せっかく希望を持って進もうという決意が、先走って人に言われたことで、逆に歩みを止めてしまうことがあります。

 

ある患者さんが、手術・治療を終えても、なお後遺症に苦しんでいることを、話しておられました。

頷きながら聞く、看護師さんたち。

 

生活に支障がある後遺症を、薬などでコントロールしながらも、その症状の強弱に戸惑いや、諦めも感じながら日々を送っていることが、うかがえます。

 

話が進み、一呼吸した時でした。

 

「それでも、生きている」と一人の看護師さんが言ったのです。

 

一瞬、その方は、力が抜けたように頷きました。

それっきり、発言はされなかったのです。

 

 

 

 

その言葉は、言わずにいてほしかった。

本人の口から出るのを、待ってほしかったのです。

 

話の流れを受けての言葉だったのでしょうが、人に言われたことで、せっかく前を向き始めていた気持ちが、止まってしまったようでした。

 

苦しみの中でも、自分で方向を見出したときに出る言葉には、とても力があります。

 

「それでも、私は生きている」 この言葉の内側には、現実を受け入れ、この自分で生きていく、という決意さえ感じます。

 

その人が、ようやく一歩を踏み出せる・踏み出した言葉なのです。

 

それを、遮ってはいけません。

聞き手は、じっと待たなければならないのです。