暑いさなかの書斎整理、頭の中まで炎上しているので能率があがる。しかし、一週間近くになるが８合目というところか。書籍は片付いたのだが、新聞切り抜き、コピー類、手紙がまだ残る。

婿入りして５６年、文学少年時代のものもある。私の人生そのものが蓄積されているのだ。え？こんなモノにも興味があったのか、何でも食らいついてきた生き方にあきれもする。

私の生き方は「普通」を目標とした。貧乏な家の生まれ育ちが「不器用」人間とさせ、虚弱体質が輪をかけて孤立化させ、劣等感の強い人間にさせられたのだろう。

泣き虫であり、言葉より涙が先にでる幼少期、やがて書くことを覚える。優等生的存在にはなるが、人前でまったく自己表現ができなかった。他人に見られていると思うと体が動かず、赤面症で言葉がスムーズにでてこなかった。いま私を知る多くの方はいぶかるだろうが、定年近くまで続いたのである。

親や先輩が亡くなり、自分が先頭に立たされていることがわかり、ただこのままで終わりたくないと、「口やかまし老人」となったのである。家人は「いまさら他人に嫌われなくても」というが、モノが伝わっていかないもどかしさは如何ともしがたい。

人生ってそれで良いのだと思う。その時、その場を善意をもって「普通」に対処する。嫌われることが目的でないが、多少の波風がたっても己の「普通」を貫くことが人生でないかと。

私の「普通論」