今日は父のことを。
夫の看病もあったから
父は夫が10月に癌で亡くなった年の4月に肺炎で亡くなりました。
施設に入っていましたが、風邪をこじられてしまって…突然でしたから家族誰も息を引き取るときに間に合いませんでした。
夫の看病でバタバタしてたので、施設にもずっと行けなかったことは悔やまれましたが、亡くなった時は、わりと淡々と受け止められていました。
少し後で、父の手帳が出てきました。
父の手帳
50代後半に、脳梗塞をやったことで麻痺があり、ずっと家で暮らしいて、そのあと施設にいたから、手帳なんて用がないはずなのに…。
手帳の中身は、住所録でした。
親戚の他は、昔の同僚や友人の連絡先で、もうとっくに会わなくなっている遥か昔の知り合いばかりでした。
家を出て暮らしている私と、妹の連絡先が、家をでた頃からの分、全部、大きな字で、何回も何回も書かれていました。引っ越すたびに、会社を移る度に、しっかりした線で決しては、また別のページに新しいものが書かれていました。私の展覧会の会場の住所や旅行の滞在先まで。
これをずっと大事に手元に置いて眺めていたのかな。
電話も手紙も一度も来たことなかったのに。
この文字を見て、
会いたかったんだな
いつもいつも会いたかったんだなと思うと悲しくてしょうがなかったです。
生きているうちにたくさん会えばよかった。
まさかこんなに早く逝っちゃうなんて。
後悔しても遅いですね。
「お父さん、私、がんになっちゃったよ 知ってる?」
父は、まだこっちに来るなと言ってくれるでしょうか。
なぜか、天国に行ってしまった今のほうが、父と話すことが多い気がします。
お盆だから、父と懐かしい話もして、ちょっとだけ一緒にお酒を呑んだりしようか。
父の手帳