眠ってしまいました。
星王さんは呑んでいたみたいです。
「cookieちゃん、起きて、cookieちゃん」
私の頭を星王さんの太ももに乗せて、起こしてきました。
「やめるって言ってるねんから許してよ。」
「いいよ、やめなくて。
続けときぃよ。」
「なんで?なあ、寝るんか?」
「もうなに?したいんやったらしたら良いやん!
勃たへんって言うてたやん、寝かせてよ。」
「あんたは今、大きなものを失ったで。」
「なんも手に入れてないのに、失ってないわ。」
「明日は起きたら真っ直ぐ帰ろうな。」
「はい。おやすみ」
「あんたは手に入るはずやった大きなものを失ったで。」
頭を掴んで揺さぶられます。
寝かせてくれないんだな。
「もう、すぐ帰ろうよ、寝たい」
「そんなんやから、離婚するねん。
そんなんやから、恋人も出来へんねん。
そりゃ息子にも嫌われるわ。」
最後の言葉で、キレてしまいました。
もう同じ空気吸いたくない。
着替えました。
「帰るんか?ここの金払えよ」
は?
もう嫌。
お金払ってでもこの人といたくない。
「現金持ってない」
「じゃあ帰るなよ。
どうやって帰るねん」
「カードで払うわ。」
サクサク着替えました。
「待ってって。
朝になったらちゃんと送るから。」
もうブチ切れてしまって、止まらなくなりました。
フロントまでズンズン降りました。
夜中でもカード使えた
八万円也。
その後ホテルを出ました。
追いかけてくる星王さん。
浴衣だけで、パンツも履かず、帯もせず。
おティンティン丸出し。
もうお金払ったし、付いて来ないで
本当に嫌。
道を歩いていた女の人に助けを求めました。
女の人が星王さんを上から下までジロっと見ると、星王さん、我に帰ったみたいで諦めてくれました。
どうやって帰ろう…
友達に電話しました。
説明すると、一旦切るねって言われました。
「今ホテル電話したらな、cookieの泊まってた部屋、男の人も居なくなってて、もぬけのカラやねんて。
ほんで、こんな時間に外歩いてたら心配やから、ホテルの人が違う部屋用意してくれるって言うから、ホテルに戻り」
「え?あの人帰ったん?飲酒運転で?」
「分からんねんけど、荷物も何も無いねんて。
ホテルの人が、cookie迎えに出てくれたから、ホテルに戻り」
ホテルの人が迎えに来てくれて、ホテルに戻りました。
「お帰りなさい、お客様を探しに行くって、反対方向へ車で出られた所まで、監視カメラで確認出来たんです。
部屋を確認したら、荷物も何も無くなってるから、もうあの男性は帰って来ないと思いますよ。
お部屋、どうしますか?」
「え?車って、あの人すごく呑んでるのに。」
「はい、飲酒運転です」
「そうなんや。
戻って来ないなら、あの部屋で良いです。」
「分かりました。
もし戻って来られても、お客様は見つからなかったし、部屋ももう入れないって言います。
鍵も2つともお渡ししときます。」
アイコス、壊れてしまっていて、タバコ欲しくて。
「タバコ買えるところ有りますか?」
「タバコ売ってないんです。
これ差し上げます。」
この方、タバコまでくれました。
可哀想だったんだろうな、私。
でも嫌なものは嫌なの。
本当に抱かれなくて良かった。
部屋に戻ってお風呂に浸かりました。
私の貞操、八万円。
高いな、私。
お風呂浸かったり、タバコ吸ったり、ビール飲んだりしてて、どうやって帰るの?私?
「ヤモメさんに電話し、来てくれるかもよ。」
「こないだで嫌われてるから無理や。
大体なんて言うんよ。」
「一人で来てみたけど寂しなったって言うたらええやん。
もう嫌われてるんやったら一緒やん。
朝一来てもらって、チェックアウトまでおったら、ヤモメさんも喜ぶやろ。
すぐ電話し、もう来てもらい。」
ん?一緒か?
さっきまで誰かいた感満載だけど…
なんか八つ当たり的に、電話してしまいました。
なんと、2コールで出てくれました。
「わ!出てくれた。」
「出るよ、何時でもワンコールで出るやん。
どうしたん?」
ヤモメさん、24時間態勢で仕事の電話に応じています。
「ごめんね、寝てたよね?
寝て寝て。」
「起こしたくせに。
どうしたん?」
「LINEくれへんし、嫌われたんかな?って思って。」
「なんで、嫌われたく無いから、LINEせんように我慢してたんやん。」
「今、一人で温泉来てるねんけど、寂しいから来て。」
「え?また誘ってくれへんかったやん。
行きたいねんけど、明日仕事やから行かれへんねん。
夜忘年会やし。」
「えー明日休みじゃないの?」
「忙しいから出ないとあかんねん。
だから遅刻も出来へん。
日曜日デートしよう。」
日曜日、立ち直ってるかな?
「来て欲しいな。
帰られへんもん。」
「どうやって行ったん?
じゃあ、明日夜に迎えに行くわ」
「良いよ、夜までおられへんし。」
「じゃあ、明日俺ともう一泊しよう。
そしたら居れるやろ?」
「帰らないと猫が死ぬ。」
「じゃあホテルの人に聞いて帰って。
ごめんな。」
「うん、大丈夫。」
寝落ちしてしまいました。
日の出風呂
タバコはもらったんですけど、マッチが少なくて💦
あと1本。
どうしよう…
ってかどうやって帰ろう。
ヤモメさんからLINEが来ました。
「俺、仕事早く終わらせて、電車で迎えに行く。
場所教えて」
「良いよ、忘年会やのに。」
「忘年会より、cookieちゃんに会いたいもん。
ない!忘年会なんて元々ない。」
「そんなわけないやん、行って来て。」
お金払ったんだけど、朝ご飯出るのかしら?
と思いつつ、帰り支度をしていると、お布団を上げに来て下さいました。
「あの、マッチ頂けませんか?」
「マッチじゃないとダメですか?
ライターならあるんですけど。」
「ライターは頂けませんよね?」
「いえいえ、これで良かったらどうぞ」
めっちゃ親切。
タバコ吸える
ん?テーブル出してくれました。
テーブルの上を見ると…
星王さん、アイコス忘れて行ってる!
やったあ!アイコス吸える
と、朝食も運ばれて来ました。
朝ごはん食べられる!
中居さんに帰り方を尋ねると、高速バスのターミナルまで、シャトルバスが出てるそう!
朝になると、ちょっと良い事が続いたので、元気出ました。
帰れそう