明智小五郎事件簿Ⅸ | モモのブログ

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江戸川乱歩『明智小五郎Ⅸ 「大金塊」「怪人二十面相」』(集英社文庫)

 

あれ、この集英社文庫のシリーズは1巻も持ってないのに、9巻を買ってしまってるw

 

『ジョーカー・ゲーム』のスペシャルイベントに行った帰り、飛行機に乗る前に購入したから選択肢がなかったというか(空港の本屋さん見つけるの大変だった…)。

 

『ジョーカー・ゲーム』が昭和10年代、第二次世界大戦直前、みたいな時代背景だから、ついそのイベント直後に読むなら同じような時代のものを、と思ってしまった。

 

でも実は、江戸川乱歩の明智小五郎の話が戦前という認識はあんまりなくて。

「大金塊」という話の中で、探し当てた金塊の山を、お国のためにと全部政府や軍に納めたという記述に結構驚いた。

 

そうか、戦前なのか…と。

解説をざっと見た感じ、戦前に出されたのはこの本所収の「大金塊」が最後くらいで、明智小五郎シリーズの続きは戦後に出版された、みたいに書いてあった気がする。

 

そう思うと、制約の多い時代だったんだなぁとか。それでもこんな少年探偵団のようなお話をかける江戸川乱歩って…という興味とか色々湧いてくるかも。

 

 

ちょうどこの本を読み終わった後で、読みかけてた同じく江戸川乱歩作の『蜘蛛男』を読み直したら、前半の種明かしを種明かしされる前に気づいたww

 

たぶん、乱歩にはあるあるの展開なんだろうと思う。犯人の取る騙しのテクニック。

「怪人二十面相」を読んだ後だとそれが分かるから、あ、この人怪しい、ってなる。

普段この人怪しいとか全然考えず、頭を使わず推理物を読むというおバカな私なので、先にこっちの本を読んでなかったら、明智小五郎に種明かしされるまで騙されていたと思うw

 

『蜘蛛男』の場合は長編小説なので、一度の種明かし後の逮捕劇失敗⇒計略対決⇒逮捕劇失敗⇒計略対決⇒逮捕劇、ようやく成功、と明智小五郎VS蜘蛛男のが2度ならず3度くらい行われるから、前半の種明かしはまだまだ序盤のお話だった訳だけど。

 

ちなみに『蜘蛛男』は角川ホラー文庫で。

文豪ストレイドッグズのカバー本とかも出ている中、このちょっと着物の柄風な表紙カバーで『蜘蛛男』含め3冊購入。

 

話は少し違うけど。

江戸川乱歩作品は、結構な割合で、美女・美少女のみならず、美青年・美少年が出てきまして。

そして、同性愛??みたいな気分になる表現がちょいちょい。

 

『蜘蛛男』には最終的に49人もの綺麗な乙女たちの裸体、の描写もありながら、敵の蜘蛛男に加担した不良青年・平田のことを、ふいに華奢な肩だとか「君を巻きこみたくない。」的な発言を蜘蛛男にさせたりだとか。『怪人二十面相』では、帰国したばかりの明智探偵と小林少年助手のただいまおかえり場面とか。

なんかちょいちょい怪しげな文面がちらついてくるw

 

乱歩の、薄暗闇に艶っぽく浮かぶ陰影のついたほのかな肌の質感のような表現、状況だけでなくそういう表現自体でドキドキさせる文章の中だと、女性も男性もなんだか艶めいてくるから、違う意味でドキドキするよね、と思う。

 

それにしても、明智小五郎、推理は超人なのに、捕縛は下手過ぎだろう、と思うんだけどwww

まぁ、そうでなくちゃあお話は続きませんからね。さあ、これから小林少年はどうなつてしまうのでせう。

みたいな。

 

昭和初期~の作品にどっぷり浸ると、ちょっと現代に戻りたくなくなる件。←