私の体験から言えることは、経営者もまたひとつの職能である。
経営者は相手によって言うことを変えなければならない。場所によっても言うことを変えなければならない。本来、取締役会に話をしてから新聞発表するところを、新聞発表してから事後的に、取締役会がそれを追認するということもある。人に対する好き嫌いがあっても、それを表にだしてはいけない。社員に対しても取引先に対しても非情な面と温かい面の両面を持たなければならない。ときに攻め、ときに「攻撃と防御」の両面に強くなければならない。このような多面的な要素を求められるのか経営者の職能である。
(リクルートのDNA-起業家精神とは何か?-江副浩正-)