死産をして2週間目。
今日は結婚記念日。


どこかご飯でも食べに行こうかと旦那さんと話をしていて、気になっていたレストランを予約した。
妊娠してから封印していたハイヒールを引っ張り出して久々に履いたら足が悲鳴を上げた


雰囲気たっぷりのレストランでアルコール解禁と言わんばかりにシャンパンと赤ワインも飲んだ。
お酒は弱い方では無かったけど、2杯でほろ酔い気味になった。

結婚記念日という事をお店に伝えてあったのでアニバーサリープレートを用意して貰って写真も撮って貰った。その時LINEが来ていたのに気が付いて見てみたら、幼なじみのB子からだった。


赤ちゃんが気になって気になってしょうがないよ 笑  
体調はどう?大丈夫?


元々友達は少ない方だし、自分から連絡するタイプでもないからこうやってたまに連絡をくれる友達はとても有り難い。そして死産してからこうやって連絡をくれた友達が何人かいた。
気に掛けてくれる事の嬉しさと、話さなければいけない辛さが半々でせめぎ合う。


我が子を死産してからたったの2週間。
わたしには半年も1年も前の事の様に感じる
旦那さんに話したら俺もだよと同じ感覚らしかった。
今日ちょうど旦那さんは他の人から奥さんの具合どう?と聞かれたらしい。
もちろん相手は死産した事を知らないからしょうがないし、わざとじゃない。
旦那さんは突然の問い掛けに一瞬言葉を詰まらせたらしい。それと同時に込み上げるものもあったという。


俺でこうなんだから、いろははもっとだよね


この2週間普通に生活している。
起きてご飯食べてテレビ見て笑って、
映画館に行って映画観たり
天気の良い日にゴルフに行って楽しかったり
蟹食べて喜んだり。

普通に生きている。

毎朝我が子の骨壷に
『おはよう』と『おやすみ』をして、
一人の時は話しかけたりしている。


旦那さんと二人だけの生活だからこうやって普通に生きて生活出来ているけど、今は旦那さん以外会いたくないし話したくもない。


そう話したら
49日が過ぎるまではこのままでいよう。
やっぱり何だかんだ時間だよな。
時間が必要だよな。


死産した直後も思っていたけど
わたしは本当に産んだのかな?
って思っている。
人間はやっぱり辛い出来事を忘れようとしてるのかなって思った。
そうじゃないと生きていけないもんね
って思った。

でもわたしと旦那さんの赤ちゃんがいた事は事実で、わたしが我が子を産んだのも事実。
忘れたわけじゃないよ。
忘れたいわけでもないよ。


わたしも流産した事あるからわかるよ、
って言ってくれる人がいるんだけど
実はこれ言われたくないんです。
嫌な奴だと思うけど、
これ言われたくないんです。

流産したけど、その後私産んだんです。
死んじゃった我が子を自力でいきんで産まなきゃいけなかったんです。
分かるよって言わないで。

勝手にわたしの気持ちに寄り添うのやめて欲しい
寄り添って欲しくない。
旦那さん以外の人と死産してない人に勝手に分かるよって思われるの嫌なんです。
分からないから、わたしの気持ち。

悲劇のヒロインぶります。
生きていてこんな辛い事他にあるのかな
って思ってます。
だから、そういう言葉いらないんです

嫌な奴だなって自分でも思うけど
これが今の本心。



B子のLINEはすぐ返せなかったから
家に帰ってから返事をした。
文字を打ちながら自然と涙が出てくる。
やっぱりダメだ。
今はまだ旦那さん以外と接するのは。


家に着いて郵便ポストを開けたら某赤ちゃんショップからの郵便物が来ていた。
“Baby wonderful ”と書かれた郵便物を見て旦那さんが一言、


傷えぐってくるな〜


って笑って、わたしも笑ってしまった。
これ定期的に届くんだよね?って二人で大笑いした。
他の人はこういうのどうしてるんだろう。


結婚9年目の結婚記念日は9年の中で一番地味な結婚記念日だったな。

来年は10年だよ  何しようか
って聞いたら
二人で一緒にハワイに行きたいねって言っていたから、ハワイでも行こうかって旦那さんが言った後に
いや、来年の今頃どうなってるかなんて分かんないねって話した。
今は2週間が1年みたいに長く感じる程だから1年後なんて今は想像も出来ない。


火葬の前日に買った花束の花は2週間近く経った今も咲いている。
切り花ってこんなに長生きしたっけ?
可愛いピンクのガーベラは買った時のまま枯れる事なく咲いてくれている。



今は骨壷を置いてある場所をクリスマスっぽく飾り付けた。
ちょっと簡素だから寂しくないようにもう少し何か飾ろうかな。