遅くなってしまいましたが...
ミュージカル『アンドレ・デジール 最後の作品』
10月1日に、無事に大千穐楽を迎えることができました。

劇場に足をお運びくださった皆さま、応援してくださった皆さま、誠にありがとうございました。




千穐楽のご報告のブログを書くと、なんだか、本当に終わってしまったんだな、と実感が湧いて、寂しくなってしまう気がしてしまって、実を言うと、なかなか書き出す気持ちになれなかったのですが...
しっかりと自分の言葉でまとめて、『アンドレ・デジール最後の作品』にお別れを告げて、次に進んでいきたいと思い、今ブログを書いています。


6年前から、脚本の高橋亜子さん、演出の鈴木裕美さん、音楽の清塚信也さんが構想を練って大切に生み出された本作品。
その素晴らしい作品に携わらせてもらえたこと、マルセリーナという役を与えていただいたこと、本当に光栄に思います。
この作品とともに歩んだ三ヶ月間は、自分にとってかけがえのない宝物です。



舞台上の出演者は8人、バンドは4人。
こんなにも少ない人数で上演されるミュージカルに出演するのは初めてでした。
ただ、少ない人数だからこそ、キャストやスタッフの皆さん一人一人と深い信頼関係を築くことができて、なんだか家族のように心を許し合える、素敵なカンパニーでした。
カンパニーの末っ子として、本当にのびのびとお芝居をさせていただき、演出の鈴木裕美さんや、素晴らしい先輩方の元でいっぱい勉強させていただいて、役者としても本当に充実した、幸せな日々でした。

(同じ楽屋だった、大好きなお姉さま方飛び出すハート

毎日笑いが絶えない、楽しすぎる女子楽屋でした。

とっても優しくしてくださった先輩お二人。感謝しかありません赤ちゃんぴえん

オリアンヌ役 水夏希さん/エミールの母役 綾凰

華さん)

また、出演者が少ないということで、劇中に登場する様々な役を、エミールとジャン以外の6名で、衣装を取っ替え引っ替えしながら演じたことも、今までにない楽しい経験でした。

以下ネタバレを含みますので、舞台をご覧になっていなくて、Blu-rayでのご鑑賞をご検討されている方はご注意ください。

①物語冒頭の美術館の学芸員・キャシー。


②ジャンがガイドとして働いている[アンドレ・デジール美術館]に観光に来た母娘の娘。(お母さんは水夏希さん赤薔薇


③エミールが描いた、ドガの《エトワール》のバレリーナバレエ
(このシーンでは、綾さんはエトワール、水さんは先輩バレリーナ、私は新人バレリーナ、を演じておりました!)


④ジャンを贋作ビジネスに誘い込む、画家の遺族令嬢


⑤エミールを絶望の闇に引き摺り込む幻の光

(写真を撮っていなかったから、公式HPの舞台写真を拝借)


⑥史上最高額で売られた絵に熱狂する絵画ファン&インタビューを受けるエミールファン


そして、画家アンドレ・デジールの恋人《マルセリーナ》。
(舞台写真を拝借させていただきます)



19世紀〜20世紀初頭にかけて、下水設備がしっかりしていなかったフランスでは、川や湖などに【洗濯船】が沢山浮かべられており、そこで女性たちが洗濯仕事を行なっていました。

貧しい家で、義理の親から虐待を受けながら生活しているマルセリーナは、洗濯船で幼い頃からいつも洗濯仕事をしている少女。
そんなある日、いつもの湖で、絶望の淵にいたデジールを救い、のちに愛し合うこととなります。

デジールにとってマルセリーナが “救いの舟”だったように、マルセリーナもまた、デジールが“救いの舟”であり、彼に出逢い、愛し合ったことによって、世界が色鮮やかに変わっていきました。

孤独な二人が心を寄せ合い、希望を見出していく様子を繊細に描けるように、デジール役のお二人とは沢山話し合いを重ねさせていただきながら、シーンを作っていきました。



私生活でも、洗濯板と洗濯桶を使って洗濯するようにしたり(笑)、デジールと出会う以前を遡ってマルセリーナの日記を綴ったり…、四六時中マルセリーナのことを考えていた3ヶ月でした。
原作のないオリジナル作品の初演として、1から役を作っていくことは、容易ではありませんでしたが、悩み苦しんだ分、やりがいも計り知れないほど大きかったです。
自分にとって大切な役がまた一つ増えました。

ちなみに…、
「あかぎれを気遣ってくれたでしょ。びっくりして、あの夜ひとりで泣いちゃった。あんなこと誰からも言われたことなかったもの。嬉しくて。」
というマルセリーナの台詞があるように、彼女の手は、洗濯仕事のせいで真っ赤になっている、ということで、
ヘアメイクさんが改良に改良を重ねて、試行錯誤をしながら、いつも素晴らしいあかぎれを施してくださっていました。
しかも、一つ一つ手描きで…!
ブログにお写真を載せようか迷ったのですが、かなりリアルでびっくりされる方もいらっしゃると思うので、後日、インスタの2枚目とかに載せようかなあと思ったり…鉛筆

さてさて、もう、書きたいことが多すぎて、なかなかまとまりませんが…、キリがないので、この辺で。
ミュージカル『アンドレ・デジール 最後の作品』Blu-rayの販売も決定され、只今先行予約受付中です!(受付期間は11/30まで)
こちらから是非下矢印
劇場でご覧になられた方も、ご観劇が叶わなかった方も、是非ご自宅で味わって頂けたら嬉しいです。


改めまして、
ミュージカル『アンドレ・デジール 最後の作品』
沢山の方に支えていただき、無事に大千穐楽を迎えることができました。
本当にありがとうございました。

寝ても覚めてもアンドレデジールのことを考えていた、濃い三ヶ月に別れを告げるのは名残惜しいですが…
演出の裕美さんや素晴らしい先輩方、そしてこの作品から学んだことを胸に、これからも役者として、いつか誰かの《舟》となれるよう、精進して参ります。


さてさて、次は1960年代イギリスにて、歌って踊って恋に悩みもがきますサングラス口紅
11月3日より上演される
ミュージカル『スライス・オブ・サタデーナイト』、只今絶賛稽古中です。


クラブでの一夜のティーネイジャーたちのドラマ。
思春期ならでは「あーあ、アホや!(笑)」という言動や行動に笑いながらも、大人でも子供でもない、自分が何者でもない、ティーネイジャーのもどかしさに、ハッとさせられる、面白い作品です。
観にきていただいたお客様も、まるで一緒にクラブにいるかのように感じる演出となっているので、一緒に楽しんでいただけたら嬉しいですキラキラ

長くなってしまいましたが、ここまでお付き合いくださり、ありがとうございましたピンク薔薇
少し肌寒くなってきましたので、皆様お身体にお気をつけてお過ごしください!

ではではニコニコ