こんばんは
お久しぶりです!ブログの更新が遅くなってしまい、ごめんなさい
『天保十二年のシェイクスピア』は2月28日のDVD/Blu-ray収録をもって、千秋楽を迎えました。 (舞台写真は東宝演劇部公式Facebookより)
温かい拍手を送ってくださった皆さま、応援してくださった皆さま、本当にありがとうございました。
また、公演中には、楽屋にお手紙やプレゼントをおくってくださり、本当にありがとうございました。
すごく嬉しくて、いつもパワーをいただいていました。
大切にさせていただきます
そして、舞台を楽しみに待っていてくださっていた皆さま、残念ながら公演中止という形になってしまい、本当に申し訳ありません。
東京千秋楽を目前に控えていてあと一歩届かなかった無念、公演を楽しみにしてくださっていた皆様にお届けできなかった悔しさ、大好きなこのカンパニーの皆さんと大好きなこの作品をもっともっとやりたかった...という寂しさ、いろんな気持ちがありましたが、、、その気持ちをバネにして、DVD/Blu-rayの収録を精一杯全力で頑張りました!
誰もいない客席でしたが、不思議と、皆様の存在を感じながら、演じることができました。
前日の一生さんのカーテンコールご挨拶に引き続き、この日の木場さんの前口上でも胸がいっぱいになって、幕の後ろでスタンバイ中でしたが、涙をこらえるのに必死でした。
(周りを見渡すと、皆さん目を潤ませていて、余計に胸がぐっと...)
どうか、多くの方のもとに、この作品のパワーをお届けできますように。
『天保十二年のシェイクスピア』に情熱を注いだ日々は、私にとって本当に特別な宝物です。
演出家の藤田さんがおしゃっていたように、ストレートプレイに近い本作品は、お芝居の経験が浅い私にとっては、決して簡単な挑戦ではありませんでした。
お冬、浮舟太夫、という壮絶な二人の女性の人生を演じるには、19歳のぺーぺーの自分には足りないところ、甘いところが沢山ありました。
演劇界のレジェンドである大先輩の方々とこの作品を作っていくのに、いつも自分が足を引っ張ってしまうことが悔しくて、死に物狂いで毎日稽古に食らいついて、日常生活でも役作りのためになりそうなことがあれば全て試しました。
稽古中は、思うようにできなくて、自分の不甲斐なさに、涙を流すことも少なくありませんでした。
それでも、見捨てずに寄り添ってくださり、丁寧に真正面から向き合ってくださった、演出の藤田俊太郎さんをはじめ、音楽監督の彬良さん、歌唱指導のさゆりさん、所作指導の寿楽さん、振付の新海さん、殺陣指導の諸鍛冶さん、演出助手の歩さん、プロデューサーの今村さんと佐々木さん、そのほか沢山の素晴らしいクリエイティブ・スタッフの皆様、製作陣の皆様。
そして、いつも素晴らしいお芝居を背中で見せて学ばせてくださり、悩んでいるときには的確なアドバイスを、落ち込んでいる時には温かい言葉をかけてくださったり、時には稽古が終わってからも何時間も一緒に稽古場に残って私の練習にお付き合いくださったり、時には「気分転換!」と稽古後によくご飯に連れて行ってくださった、大好きなキャストの先輩方。
家族のように温かいカンパニーの皆さんが、いつもそばにいてくださって沢山助けてくださったおかげで、この舞台に立つことができました。
本当に感謝の気持ちでいっぱいです。
純粋に愛していた王次に裏切られて、気が触れてしまう少女・お冬。
唯一の生きる希望であった佐吉を失い、迷いなく自害する太夫・浮舟。
二役とも、自分にとって、とても挑戦的な役で、沢山悩んで、沢山苦しんで、沢山しごいていただいて(笑)、毎日体当たりで、心身ともにハードな稽古でしたが、それでも日々、私はやっぱり舞台の仕事が好きなんだなと、感じながら過ごしていました。
まっすぐ信じて、愛を貫いた、素敵な二人の女性に出会えて、演じることができて、本当に幸せでした。
ありがとう、お冬。
ありがとう、浮舟太夫。
10代の最後に、こんなに素晴らしいカンパニーの中で、こんなに素晴らしい作品に関わらせていただけた日々は、わたしにとって一生の財産です。
思い出のお写真を...
1幕前に、三世次さん&王次さん&三姉妹&女郎〜ずで、セットの一室にて
健人さんと佐吉&浮舟太夫ショット
佐吉と浮舟太夫の関係や、お芝居について沢山話し合って、いつも沢山助けていただきました。
本当に本当に感謝の気持ちでいっぱいです
いつも仲良くしてくださり、沢山お世話になった、大好きなお兄ちゃん&お姉ちゃん
きじるしの王次役の浦井健治さん
王次とお冬の場面は大変なシーンでしたが、いつも明るく優しく引っ張ってくださり、沢山頼らせてくださりました(T-T)
お芝居もお人柄も、尊敬する大先輩です。
そして、お光・おさち役の唯月ふうかちゃん!
1年前の今頃は、ちょうど「レ・ミゼラブル」の本稽古中だったので、なんと、丸々一年間ずっとご一緒させていただきました!
いつも仲良くしてくれて、大変な時にはよく二人でご飯を食べに行ってくれて語り合った、大好きなふうちゃん
ふうちゃんがいなかったらできなかったんじゃないかと思うくらい、いつもそばにいてくださり、沢山支えてくださり、何から何まで本当にお世話になり、、、感謝してもしきれません...!
またご一緒させていただける日を夢見て、頑張ります
実は、2幕頭のお花見のおさちとお光が出会うシーン、お光のダミーをやらせていただいていました
双子ショット〜〜〜!
2幕頭♪棺が来た来た、のお冬
美しくて切なくて、そして深くて、初めて曲を聴いた時、ぞわっと鳥肌が立ちました。
狂気の演技と美しいメロディーの歌のバランスにずっと悩んでいたとき、宮川彬良さんに「狂っているからといって音を外す必要はない。澄んだ青空のような完璧な歌声に感じる狂気もある」と言っていただき、迷いの世界から救い出された気がしました。
自分の中にないものを表現するのは本当に難しくて、もがき苦しみながら自分なりのオフィーリア像を探しました。
そして浮舟太夫
まずは、所作。
「太夫」なので、所作には人一倍気を使わなければいけませんでしたが、私はこれまで和物を演じた経験がないので、立つ、歩く、走るなどの、本当に基本的な所作から、寿楽さんと静千華さんにご指導いただきました。
また、人生の裏も表もみてきた25歳の浮舟太夫を演じる上で、経験したこともない辛い過去を背負っている重みや、愛の深さを、若い私がどうしたら出せるのか役を深められるよう、日々試行錯誤しました。
日生劇場楽屋名物のガムテープ人形お冬ver.
今、千秋楽を終えて...もちろん状況は理解していますが、もっともっとこの舞台を続けたかった...と思ってしまいます。それほど、毎日が充実していましたし、天保カンパニーが大好きでした。
最後に、もういちど、『天保十二年のシェイクスピア』応援してくださった皆さま、本当にありがとうございました。またいつか皆様にお目にかかれる日を信じて、頑張ります
熊谷彩春