2020年10月14日 水曜日(大安)
16時58分
本格的な陣痛開始から2時間55分
 
身長23cm
体重393g
 
産声をあげる事なく
諒は生まれた。
 
胎盤を取り出す処置の為眠らされていた私。
目覚めた後、諒を連れてくるか聞かれた。
散々悩んだ末に会う事に決めた諒は
とても可愛かった。
 
会って良かったと心から思う。
入院前日の最後の妊婦健診では
諒の体重は推定250g程だったけど
実際はそれより150g近く大きかった。
ちょっと…入院前日に見て貰ってるのに
1日2日でそんな大きくなるものなの?真顔
計測ミス?チーン
 
お義母さんが作ってくれた肌着を着て
お母さんが作ってくれたおくるみに巻かれた諒を
抱っこした。
こんなに小さいのに重たく感じた。
 
手も足も大きくしっかりしてた。
見てたら泣けてきた。
こんなに可愛い子の命を私達の都合で…
 
耳の位置が…とか、目が…とか
普通に見ただけではダウン症とは思えない外見で
ダウン症の特徴はどこにあるのかと探した。
助産師さんが、首に少しむくみがある事と
手が猿手気味である事を教えてくれた。
 
後、ダウン症とは関係ないと思うけど
左手が多指で親指が2本ありくっついていた。
豊臣秀吉も(右手だけど)親指2本あったって言うし
将来大成したのでは…びっくり!?(親バカ)
とか妄想(笑)
手も足も、小さいけどしっかり爪がついていた。
 
手足の指の長さは私似、足の幅は夫似(笑)
口元のホクロも私と夫似(2人共口元にホクロがある)
 
口元にホクロ2つもあるなんて
絶対将来食べる物に困らないね照れ
 
なんて話してました。
 
3人で写真を撮って貰ったり
手型・足型を取って貰ったり
普通の赤ちゃんと同じようにコットに
寝かせて貰った諒の周りには
夫が作った沢山の動物の折り紙が散りばめられた。
 
車のおもちゃも、積み木も添えて
まるで遊び散らかしたかのように
諒の周りは華やかになった。
今日は絵本も置いてある。
 
【注意】子供の顔は隠してありますが画像が出ます。
見たくない方は画面を閉じて下さい。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
いっぱい遊んでくれるといいな。
 
諒を生んだ今、思う所は色々あるけれど
罪悪感や後悔、悲しみよりもどちらかと言えば
感謝の気持ちの方が大きい。
 
私は過去に稽留流産、11週での人工中絶を
経験しているけれど、そのどちらも残ったのは
後悔と罪悪感だけだった。
 
だけど、諒を妊娠した事で、諒を通して
本当に色々な事を経験し、学ばせて貰った。
 
不妊治療を視野に入れてのクリニック通い
初めての受診で指導されたタイミング法で諒を妊娠。
それなりのしんどさや具合の悪さはあったけど
とても軽かったつわり。
NIPTの結果が陽性で諦める覚悟をしつつも
揺れ悩んだ事。
羊水検査の結果で100%ダウン症と言われて
諦める決意をし、1週間の猶予を貰って
諒とのお別れをきちんと準備し心の整理が出来た事。
入院し、処置を受ける度に処置の痛みだけではない
諒の死が近付いていく事への苦しみと心の痛み。
諒の動きが感じられなくなったお腹…
3回目の膣錠を入れてから徐々に増していく
陣痛の痛み。
たった400gにも満たない小さな身体でも
こんなにも産むことが大変なんだと教えてくれた諒。
目が覚めてから、すぐ母親に
大変な思いして生んでくれてありがとう
と感謝のLINEをした。
 
諒への感謝の気持ちが大きいけれど
もちろん後悔や罪悪感が全くない訳ではない。
自分達で決めた事だけど、本当にこれで良かったのか
きっと生涯気にし続けるのだろうと思う。
 
18時の夕飯を取っておいてくれているとの事で
温め直して持ってきてくれた。
今までの中で一番食べる事ができた。
 
医師が入ってきて、死産証書を夫に手渡した。
人工死産の場合の理由の欄に
経済的理由と記載しなければならない事を
謝ってくれていた。
それを聞いていて、虚しくなった。
 
助産師さんと一緒に、諒の手型と足型を取った。
ちゃんと、2人の遺伝子が合わさってるんだなって
感心する程夫や私に特徴が似ている所が
沢山あった。
 
面会時間の20時を少し過ぎても夫を傍に
居させてくれた。
本来は面会禁止なのだけど、今回は特別。
 
明日の検査で異常がなければ退院できるとの事で
退院できた時の事を考えてしっかり寝ておこう!と
今回も眠剤を処方して貰った。
 
前回の経験を踏まえて今度は23時頃飲む事に。
それまで諒を眺めたり撫でたりしてた。
諒が冷たいのが悲しい。
けどそれは私達が選んだ事。
 
申し訳ない気持ちと、愛おしい気持ちが
ごちゃごちゃなまま、気付いたら眠っていた。