引っ越してきたのは!

気になっていた彼だった。


自分の目を疑うってこのこと。


まさかの展開に驚いた。


こんなドラマのようなことが現実社会にありえるんだ。


もうダメだ。
絶対彼のこと好きになっちゃうよ。


でも家が近すぎるってなんか恥ずかしいな。


ていうか、彼は私の存在を知ってるのかな。


なるべく彼に会わないようにしよう。



ほんとにいろんなことを考えていた。


新人だというのに仕事が思っていた以上に忙しく、初日から残業ばかりしていた。

日中は主にクレーム処理。
研修もなく、戸惑うばかりの毎日。



家と職場の往復だけ。

平日は仕事で疲れて遊ぶ元気はない。


休日も何もやる気がしない。

でも、まだまだ若いしフレッシュな気持ちだった。



実は、あたしの実家の前には社宅がある。

当時は1人だけしか住んでいなかった。

それは4月がもう終わろうとしていて、もうすぐGWでウキウキしているころだった。


社宅に何やら人影が…。


誰か引っ越してくるのかな!?
様子をうかがっていた。


引っ越してきたのはなっ、なっ、なんと~!!


彼を一目見た瞬間から

この人と仲良くなったら好きになってしまう

っていう予感がした。



私は正規で、彼は臨時だった。


同じ職員での恋愛はいろいろと面倒くさそうだし、臨時の人と恋愛してもなぁ。
って自分にいい聞かせていた。


彼とは部署も全然違うしフロアも違うし、話すきっかけもないだろう。



今思えば仲良くなるきっかけはいくらでも作れた。

でも絶対に好きになってはいけない気がした。


私なりに女の勘が働いたのか、それともただ傷つくのがこわかったのか。


たまにすれ違ったときはドキドキした。


好きになってはいけない、好きなってはいけない、何度も自分に言い聞かせていた。