彼女が選んだ花

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息子の面会が終わった後、息子の棺に入れるための生花を買いにきた。



私は、服の色に合わせて、薄紫の花や暗くなりすぎないように、向日葵の花を選んだ。



娘は、花を一生懸命選んでる。

気に入る花を見つけては花言葉を見て違うとすごく悩んでた。




娘は、白い胡蝶蘭の鉢を見つけた。

『これにする。ママこれ買って』



どうして胡蝶蘭なのかを聞いたら、『幸福が飛んでくる』って書いてた。



『この子がまた飛んでこれるように、そしたらまた会える』



涙をこらえるのに必死だった。

白い胡蝶蘭の花を購入した。



娘が大切そうに抱えて帰る。



今日も心は落ち着かない。

明日は、最愛の息子の火葬の日



考えれば考えるほど辛い…



旦那が仕事から帰ってきた。

買った花を見せた。



旦那もきっと選びたかっただろうな。

私や娘が選んだ花ならそれでいいと言った。


明日の荷物の中に花束を入れた。



不安で眠れない…

お別れしたくない。



あの子に触れなくなるのが辛い  

明日になれば連れて帰れる。



でも、明日になれば触れなくなる。

心が苦しい。



あのこが出たいと思うまでお腹にいて貰えば良かった?

亡くなってると言われてから、ずっと後悔ばかりだ…  



あの時どうして気づかなかった?

あの時どうして看護師におなしくない?

と疑問を投げ掛けなかった?

あの時どうして…



涙が溢れてくる。

どうしようもない虚しさが襲ってくる。

 


あぁ眠れない…



そしていつものように気がつけば目覚ましがなっていた…