「老い」は親から子への最後の贈り物
誰の言葉だったか、誰かから聞いたのか、
本で読んだのか、定かではありません。
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母はアルツハイマー型認知症の症状が進み、
半年前にグループホームで暮らしています。
故郷を遠く離れて暮らすわたしのために、
義妹が送ってくれる写真の中の母は、
いつも、とても穏やかな顔をしています。
わたしの記憶の中の母は、
”いつも忙しく働いている人”
70歳を過ぎ、仕事を辞めた頃から、
「なんにもしたくない」が口癖になりました。
もう一生分働いてしまったからなのかもしれません。
ほんとうに動かなくなりました。
わたしのことをわかっているのか、
わかっていないのか…
3月に夫と2人で会いに行ったときのこと。
「お姉さんはどこから来たの?」と言うのに、
夫には、
「いつも娘を大事にしてくれてありがとうね」
と言います。
わからないふりをしているの?って思いました。
帰り際、「奥さん、また来るから、お元気でね」
と言うと、にっこり優しい笑顔を見せてくれました。
お読み下さいまして、ありがとうございました