癌だった
長らく治療をしていて、先月医者から
夏は超えられないだろうと言われていた
叔母は
母の兄のお嫁さんで本家の嫁でもあった
母は私達を毎年夏休みのほとんどをその本家の叔父叔母の家で過ごさせた
普段は街中に住んでいる私達は
本家のある田舎
山々に囲まれた小さな集落で
畑の前には小川がながれていた
そんな田舎で過ごす夏休みが楽しくて仕方がなかった
叔父が釣竿を作ってくれ前の川で大きなナマズを釣ったこと
ウナギだといってマムシを食べさせられたこと
お盆の時のお神楽で叔父が笛を吹いていたこと
叔父にまつわる話はたくさんあるのに
叔母がどうだったか
あまり記憶にない
ただ毎年
よう来たね
そうやってニコニコしている顔が浮かぶだけだ
ただ一度だけ
その叔母が泣いているのを見たことがある
息子、私にとっては従兄弟のお兄さんが
事故で亡くなった時だった
それ以来私達はすっかり本家に行くことが遠のいてしまった
10年前に叔父が白血病で亡くなった
叔母は覚悟していたのか
涙は見せなかった
表にでることもなく、家族を支え、派手を好まず、働き者の叔母は
息子と夫を見送り
天国へと旅立った
私の記憶の中では
叔母は笑っている
いつも笑っている
血の繋がりはない私達にかけてくれた愛情
私は
今の私は
両親だけでなく
周りのたくさんの人の愛情に支えられて
いるのだな
大切な人を亡くした時に改めてそれに気づかされる
生きているうちにありがとうといえたら良かったと後悔が残る
ありがとう
有難う
有り難し
あることが難しいという意味
生きていることが奇跡の連続
有難うはその生きている時に伝えたいものです