既に床に就いていた妻を起こさないように、耕介は手早く着替えを済ませて家を出た。
浅間に指定された場所に行けば、立てられた青の中で人が忙しなく動いている。
「あ、八坂さん!」
青の外で待機していたらしい浅間が、耕介の姿に気付いて声を掛けた「連続…みたいですよ」
睡魔は寝室に置いてきた筈だが、疲れは許可無くついてきたらしく、身体が重い。それを無理矢理落とすように耕介は1つ溜め息を吐いた。
「行くか」
まさか部下の前であからさまに振る舞う訳にもいかず、声音に覇気を込めて。
数人を引き連れてシートを潜る。明るく照らされた現場。やはり広がっている赤。そのほぼ中央に3つの肉塊。「またか…」と呟きかけて浅間は言葉を飲み込んだ。
パーツの1つ、美しく伸ばされた髪の下。浅間の視線はそこで止まった「え…」
「浅間?どうかしたのか?」
耕介が肩を叩いても何の反応もしない。生きているのかが疑わしくなる程に浅間は動かない。
「おい、浅間!浅間っ!!」
耕介が耳許で大声を出せば、浅間の身体はゆっくりと遺体の方へ歩みを進める。が、その足取りは何かに憑かれたように覚束ない。
「浅間…?」
同僚達も流石に怪しみ、しかし誰も声を掛けることが出来ずに、ただ浅間の曲がった背を見つめていた。
浅間に指定された場所に行けば、立てられた青の中で人が忙しなく動いている。
「あ、八坂さん!」
青の外で待機していたらしい浅間が、耕介の姿に気付いて声を掛けた「連続…みたいですよ」
睡魔は寝室に置いてきた筈だが、疲れは許可無くついてきたらしく、身体が重い。それを無理矢理落とすように耕介は1つ溜め息を吐いた。
「行くか」
まさか部下の前であからさまに振る舞う訳にもいかず、声音に覇気を込めて。
数人を引き連れてシートを潜る。明るく照らされた現場。やはり広がっている赤。そのほぼ中央に3つの肉塊。「またか…」と呟きかけて浅間は言葉を飲み込んだ。
パーツの1つ、美しく伸ばされた髪の下。浅間の視線はそこで止まった「え…」
「浅間?どうかしたのか?」
耕介が肩を叩いても何の反応もしない。生きているのかが疑わしくなる程に浅間は動かない。
「おい、浅間!浅間っ!!」
耕介が耳許で大声を出せば、浅間の身体はゆっくりと遺体の方へ歩みを進める。が、その足取りは何かに憑かれたように覚束ない。
「浅間…?」
同僚達も流石に怪しみ、しかし誰も声を掛けることが出来ずに、ただ浅間の曲がった背を見つめていた。