多飲多尿(よく水を飲む、よくおしっこをする) | アイリス動物病院__________犬と猫の病気 & 看護師日記

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大阪府羽曳野市にある『アイリス動物病院』です。
「犬や猫の病気について」と「看護師日記」を掲載していきます。
大切な家族であるわんちゃん、猫ちゃんが健康で長生きしていくためのお役に立てればと考えています。
是非ご覧下さい。

お家のワンちゃんやネコちゃんは、1日にどれくらいの量のお水を飲んでいますか?




お食餌の量は、しっかり量っている方は多いと思いますが、飲水量を正確に量った事がある方は少ないと思います。

また元気で食欲もあるのに、ただ水をよく飲むようになったというだけでは、病院へ行くきっかけにはなりにくいですよね。


ですが、この飲水量と尿量が変化する背景には、様々な病気が隠れている可能性があります。



★では、どれくらいの量のお水を飲んで、どれくらいの量の尿をすれば「多飲多尿」と判断されるのでしょうか?


<多飲多尿の定義>
 飲水量:80~100ml/kg以上
 尿量 :40~50ml/kg以上


これではよくわかりにくいですよね。では体重に上の数値をかけてみて下さい。

例えば体重5kgの犬だと、
 飲水量:80~100 × 5(kg)
 尿量 :40~50 × 5(kg)

→ 1日(24時間)に400~500ml以上の水を飲み、200~250ml以上の尿をしていれば、多飲多尿と判断されます。



では実際にお家の子達の飲水量と尿量をはかってみてください。

飲水量は比較的簡単ですが、尿量はなかなか量ることができません。特に外でおしっこをしている子は難しいですよね。
ですが、ペットシーツを使っている子はその重さを量る事でおおよその尿量を予測することができます。


★では、これらの事でどのような病気が考えられるのでしょうか?


<多飲多尿で考えられる病気>
子宮蓄膿症(未避妊の女の子)
・糖尿病
副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)
・副腎皮質機能低下症(アジソン病)
甲状腺機能亢進症(猫に多い)
・肝不全
慢性腎不全
・腎盂腎炎
・高カルシウム血症(特発性、腎性二次性、腫瘍随伴症候群など)
・尿崩症(中枢性、腎性)
・心因性多飲症(精神的なもの)
・その他


このように様々な病気が考えられます。中には多飲多尿以外にも他の症状がみられる事がありますが、初期であれば他に目立った症状がみられない病気もあります。そのためついつい様子を見てしまいがちになります。

進行すれば命に関わる病気も多くみられるますので、

「最近よく水を飲むなぁ」「よくおしっこするなぁ」と感じた場合には、ぜひ動物病院にご相談下さい。



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