「学校に行きたがらない子を持つ親の会 フラワーズ」で知り合ったお母さん二人と2年ぶりに夕食をご一緒しました。子どもたちは、得意を活かして専門学校を経て社会的自立に向かっていることがわかりました。

お二人に初めてお会いしてから約8年が経ち、記憶が薄れつつありますが、Aさんの息子さんは中3後半から不登校気味になり高校へ入学したもののほとんど行かずに退学。Bさんの息子さんは高2のGW明けに急に登校できなくなりました。

お二人とは、アドラー心理学に基づくSMILE講座も一緒に受講しました。この受講で、家族を含む人間関係というものについて、考え方も接し方も真に変わったAさんを、いまだに半分演技の私はロールモデルとして本当に尊敬しています。Aさんは不登校の息子さんを心から信じて、日々勇気づけを意識して会話をしていました。息子さんは、数年で塾に通うようになり、高卒認定を受け、専門学校へ進学してからは休まず登校し、今年の春からの就職先も決まり、働きながら資格取得を目指します。一人暮らしをしたいそうです。Bさんの息子さんは寮生活をしながら高卒認定を受けて専門学校を卒業し、就職先が決まっています。

私の息子は、今も、行きたくない、週5日は疲れる、人生に疲れた、と繰り返しながら、休むと・勉強しないと取り戻しが大変だからという理由ですが、休まず登校し、自宅でも日に1、2時間くらい復習しています。かなり複雑で難解な決まり事を理解し記憶し、難しい筆記試験を解いています。それ以外の時間は寝るかゲームです。週末は昼夜逆転でゲームしています。な、なんと、ゲーム仲間の彼女ができたようでたまーに外泊します。ピアノは練習はほとんどしませんが、週1回レッスンに行っています。

 

低空飛行だなぁとついつい思いますが、それが彼のペースです。私は、心の中で「『はいはい、あんたのエネルギーは、標準の人と比べてはいけないけど、あまり量が貯められないうえに、速く減っちゃうのよね。ゲームがエネルギーチャージの手段なのよねえ』・・・と思うのよ、私!」と自分を鼓舞しながら、「そだねー」「週5日は長いね-。水曜は休みがいいよねー。」「もうおじさんだしね-」と受けながら、何気ない会話をし、穏やかに日々を過ごす努力をしています。ペースが違いすぎるので私は疲れます。彼は、毎日、定年まで働けるのかなぁと不安にもなります。が、私が不安になっても仕方ありません、と達観できるようになりました。

さて、学年の変わり目ですので、勉強の遅れが気になる親御さんも多いのではないでしょうか。私は自分が勉強好きで、今でも資格試験の勉強をするタイプなので、息子が学校の勉強をしなかったことを大変大変不安に思っていました。でも、今なら言えます。高校までの勉強については強制も心配も不要です。

私の勤務先にいる、精神的に逞しい、小中高で勉強しなかったと明言する、営業成績優秀な営業の人たちを見ていても、つくづく「学校の勉強って何なんだろう」と思います。不登校で学校の教科の勉強が遅れるなんて心配は不要です。大丈夫です。勉強していなくても、読み書きと四則計算ができれば、あとはオンザジョブトレーニングでなんとかなるようです。会社の彼らも30歳を過ぎてから思い立ってがんばって勉強し、そこそこ難しい資格試験に合格し、仕事の幅を広げました。

家庭でも社会でも「その人が快適に思える居場所があること」が大事だと思います。不登校はエネルギーレベルが低い状態なので、家では、勉強をはじめ何事も強制はしないほうがよいと思います。好きなことをさせて、どういうことが好きで、どういうことが得意で、どういうタイプで、どういう環境が快適に思えるのかを丁寧に探して言語化しておくことが大事です。ちなみに、息子にとっては、ひと部屋の中は少人数、新しくてきれいなトイレ、エネルギー少なく効率よく生活、が大事なようです。得意や価値観や向いている職業を診断するオンライン調査がありますので、ゲーム感覚でやってみることも手がかりになります。子どもの「~~したい」という言葉を聞き逃さないこと、丁寧に対応することをお勧めします。

8年前の自分に伝えたいです: 8年後の息子は、親子関係が穏やかで、家が安全安心な場だと感じたようで、自分のペースで行きつ戻りつしながら次の段階へ向かっています。勉強は強制も心配も不要でした。とにかく、私としては、彼が安全安心を感じるように、その礎となる私自身の気持ちの持ち方、不登校の捉え方、会話での言葉選びと表現の仕方、受け答えの仕方、行動等、SMILE講座で勉強したことを永続的に実践するのみです。