きもの美人道*ひとみ です。

 

一昨日、サントリー美術館で開かれている、

「扇の国、日本」(〜1/20)へ参りました。

 

扇というと、雅な響きですね。

団扇(うちわ)や扇子とどう違うのかしら???

 

以外に知らないことが沢山ありそう。

 

まず、扇は日本生まれでありました。

 

中国から伝わった団扇をもとに、

折りたたみ式の扇が生まれたそうです。

 

最初は、板で、その後、和紙で作られるようになりました。

 

私は洋の東西問わず、

宮廷ドラマが好きで観るのですが、

そういえば、中国の宮廷ドラマで、

美しい鳥の羽の団扇が使われているのが記憶に新しいです。

 

扇は身分を問わず誰でも持つことができた小さな美術品でもあり、

和歌や絵を施して、相手に伝えるコミュニケーション手段でもあり、

また、仰ぐだけでなく、宗教的な祭祀で使われたり、

(仰ぐ様が、祓うことに通じ、魔除けになる)

屏風に貼って鑑賞もしました。

 

私が驚いたのは、

貿易で貨幣の代わりとして扱われたくらい貴重なものであったということ。

それだけ日本の扇は世界を魅了するものがあったのですね!

 

扇の形は、末広がりの意味を持ち、

着物でも「扇面」柄は、おめでたい柄として好まれます。

花嫁様の衣装につきものの末広も然り。

 

展示中、

蒔絵の小箱の蓋に細工された扇の図柄を見ていると、

誰かが描いたであろう小さな美しい世界へ引き込まれ、

ふと抱きしめたくなるほど愛おしい感覚になりました。

 

きっと、私の遠い先祖は、

このようなお品を愛用していたのかもしれない。

私のDNAにも、

その感覚が受け継がれているのかもしれないな、

と思いました。

 

(お写真は、サントリー美術館のHPより転載させて頂きました)