日本一の着物コレクター、池田重子さんの「日本のおしゃれ展」へ参りました。

今のアンティーク着物ブームの先駆けといわれる池田さんのコレクションは、

いつも見る人の心を躍らせるものです。



今回はショールの展示もあり、

和装のコーディネートのさらなる楽しみを見いださせてくれました。

ここ数年、洋装でもパシュミナやカシミアのストールを羽織るのが定番化されていますが、

アールデコ調、更紗、薄物、、、さまざまなストールを見ていると、

きもの時代からずっと、おしゃれのポイントになっていたのだな~と思いました。

ストールを羽織る女性のしぐさは自然と手を前で組むようになり、

やはり奥ゆかしいと思いませんか?



今回の展示の中で、私の目を惹いたのは、

薔薇模様の着物と羽織のコーディネート。

温かみのある橙色と緑色のぼかし染めがはんなりと、いい色で、

とげのある薔薇がとても柔らかく感じます。

ボディの後ろに廻って羽織の後ろ姿に見とれていると、

正面からも着物姿のマダムが見入っていまして、

お互い目が合うと思わず微笑んでしまいました。



池田重子さんの世界は、古きよきものを使いつつ、

あくまで現代のコーディネート。

とくに帯留めは今この細工をできる職人さんはいないだろうな、

と思わせる精緻なものも多い。

「品格」ある品物に、日本の美の原点を誰もが感じない訳にはいかないでしょう。