この空洞は なんなのだろう。
何が原因なのだろう。
大きな穴が開いたと
開いた瞬間に気付いた。
その穴を埋めたいと思った。
時間が経って 季節は巡る。
大きく開いた穴は
小さくなったと思った。
だから 踏み出してみた。
その一歩を踏み出した瞬間、
まるで縫い目が裂けるように
また 穴は鈍い音をたてて広がった。
完全に塞がる事はないのだと
今より大分以前に悟った。
でも それでも
信じたい気持ちはずっとここにある。
いつかは・・・と、諦めの雑じった期待。
大きく開いた穴は、
開いた頃から変わらないままの大きさで
ここにある。
小さくなったように見えても
油断は出来ないことを知ってしまったから
踏み出せるはずの一歩が
果てしなく遠く感じるのだ。