粗暴でもいいけどね

2024.7.27(土) 15:00~

ミューザ川崎シンフォニーホール

指揮:ジョナサン・ノット

管弦楽:東京交響楽団

 

交響曲第2番『ウクライナ(小ロシア)』[1872年初稿版](チャイコフスキー)

交響曲第6番『悲愴』(チャイコフスキー)

 

何から書くべきだろう。

たまたま、この指揮者が個人的に

取り組んでこなかったチャイコフスキーの作品から

次の公演プログラムを選択をするときに

交響曲2番を選ぶ意味とは何だったのだろうか?

夏祭りの始まりなのだから

多少、羽目を外しても元気で、やり過ぎぐらいで

ちょうどよいかもしれない。

 

選択理由には

案外、曲調が明るいことも要素として

あったかもしれない。

まず、後半に後期の交響曲が選ばれるとしたら

前半には、他にも協奏曲や組曲もなども

候補に挙がるだろう。

それでも、ニックネームとして「小ロシア」

~そもそも、その土地を大小で比較する時点で、

すでに、問題があるようにもみえるが~

 ウクライナの民謡をモチーフにした交響曲を

現時点で選択すれば、

本音はともかく

政治的な意味合いを帯びることは

否定できないだろう。

 

そして後半は、交響曲6番。

イベントのオープニングであるなら

5番でもよかったのに

6番を選んだのは、3楽章と4楽章の並びにあるように

思えてならない。

レクイエム的な要素だ。

去年が3番と4番だから

という偶然かもしれない。

ただ、指揮者のメッセージとして、こんなことも

書かれている。

“粗暴に過ぎる” とする

チャイコフスキーの演奏をどうするか

それが、ロシアらしさではないかと

ボクは思っていたりしたが

今日の演奏は

優雅に、ときに淡々とさえ感じられた。

ウクライナ+レクイエムで想像すれば

どかん、ばしゃーん、ぶわー

で、処理することはあり得ないので

いつものチャイコフスキー演奏からすると

少々物足りないとしても

充分に検討されたものなので

致し方なかったかもしれない。

 

悲愴 悲しくていたましいさま ね。