今日から琴子も登校する。

直樹は琴子を相原家まで迎えに来た。

「確かこの辺のはず…あった。」

ピンポーン

「はーい。直樹君、悪いね…」

「いえ、琴子さんは?」

「ちょっと待っとけ、おーい琴子!」

「うー直樹!」

「おはよ」

『おはよう』

「じゃあ行くか。」

『お父さん行ってきます。』

「行ってらっしゃい。」

2人は並んで歩いた。

「琴子、学校では俺が付いて行くからどこに行く時でも言えよ。ただしトイレは女子に頼んでくれ。」

『コクん』

「それと、書く時は止まってからな。」

「直樹。」

琴子は止まった。

「どうした?」

『職員室行こ。』

「いいぜ。」

『ありがとう。』

「どういたしまして。」

2人は学校に着いた。

「あ!相原さんよ。あれだけ迷惑かけたのによく入江君と一緒居れるわね。」

「あっ。相原さんって声でないんだろ?入江も大変だな…」

などと周りから声が聞こえてきて琴子は俯いた。

「琴子、自信持て。大丈夫だから。」

『コクん』

コンコン

「失礼します。相原さん連れてきました。」

「ああ、入江ありがとう。相原、久しぶり。」

『お久しぶりです。お休みして申し訳ありません。』

「いいよ。今日からの授業は入江に説明してもらいながら追いついて行くようにしなさい。入江、教えてやれよ。お前は一昨日と昨日で渡辺から聞いてるはずだからな。」

「わかってますよ。」

「直樹。」

「ん?」

『ありがとう。』

「はっはっは。本当に直樹だけは出るんだな!」

「何か悪いですか?じゃあ失礼します。琴子、行くぞ。」

『コクん』

琴子はお辞儀をして教室に向かった。