今日は直樹と琴子の初デートの日。

紀子にバレないように注意しながら直樹は出かけた。

 

待ち合わせ場所に10分前に直樹は着いた。

(ちょっと早かったかな!?デートに早く来る意味わかんなかったけど、なんか…わかる気がする…)

5分前に琴子が到着した。

「い、入江君!」

「よぉ!」

「お待たせしました。」

「そんなに待ってねえよ。そんなに緊張するなよ!」

「だって夢みたいだし。デートとか初めてだし。」

「俺も初めてだぜ!」

「えっ!そうなんだ。行こっか。」

「ああ」

その後、2人は公園や買い物、昼食をとり、別れた。

「今日はありがとう!」

「ああ……また行くか?」

「…いい…の?」

「…ああ。」

「送ろうか?」

「いい。大丈夫。まだ明るいし。」

「そっか。じゃあ、気おつけてな。」

「バイバイ!」

特に何もなかったが2人にとっては有意義な時間を過ごした。良子達に見られているとは知らずに……

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「ねぇ、一弥、あれって直樹君と琴子ちゃんじゃないの?やだ、デート中!?」

「えっ!嘘っ!今度2人に聞き出してみるか。」

「大将と紀子さんには内緒にしとこうよ。バレたら大騒ぎよ。」

「そうだね。」

2人はワクワクしながら明日を待った。

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次の日。

「…おはよう、入江君、渡辺君。」

「おやよう、琴子ちゃん。」

「おはよ。」

(良子さん達にああ言われたけど、入江君にいつ言おうかな…)

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一時間前

「「琴子ちゃん!」」

「な、なんですか?」

「今日、直樹君と琴子ちゃんに話があるんだけど…」

「今日、○○の喫茶店に5時に来てくれない?」

「あ…はい…。」

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琴子が思い出して悩んでると先生が入ってきた。

「出席とるぞ。相原。……」

昼休み。

「琴子ちゃん、入江。おれ委員会あるから先に屋上で食べておいて。」

「ああ、分かった。行くぞ、相原さん。」

「はいっ。」

(渡辺君を待っている間に言おう!)

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「入江君、話が……」

「何?」

「あのね…あのね……あの「あのねはもういい。」

「うん。良子さん達に5時に○○の喫茶店に入江君と来てって、言われたんだけど…」

「分かった。でも、なんで?」

「あっ、聞くの…忘れた…」

「まぁいいや、じゃあ5時に喫茶店の前で待ち合わせな。髪、上げてこいよ。」

「分かった。」

渡辺君が来た。

「あれ?2人ともまだ食べないで待っててくれたの?」

「ああ。」

「そうか。悪かったね。」

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5時。待ち合わせ場所。

「入江君。お待たせ。」

「ああ、じゃあ、行こうか。」

 

「いらっしゃいませ。2名様ですか?」

「いえ、待ち合わせしているので大丈夫です。」

「琴子ちゃん!こっちだよ。」

良子さんが呼びに来た。

席に着く。

「っで、俺たち呼び出してどうするつもりですか?」

「正直に答えてね。」

「事によります。」

「えっ。まぁいいわ。2人は付き合ってるの?」

「えっ///」

「琴子ちゃんの反応見ると図星だね。」

「はぁ、まぁ付き合ってはいますが、告白を無くすためです。」

「はぁ?」

「俺に彼女がいることを知れば告白も減ると思ったんです。」

「それじゃあ、琴子ちゃんを利用しているだけじゃないの!」

「いえっ、私は…別にそんな!」

「まぁ、利用していると思われてもしょうがないと思います。1つ聞かせて下さい。好きとか愛するってどういう感情ですか?」

「「はっ!?」」

「俺は…あることから人間が…親でさえ信用出来なくなりました。まぁ…今は少しは信用してますけど。友達は、渡辺とこいつだけ。琴子のこと、今は友達と思っているけど、もしかしたらこの感情が世間でいう恋愛感情かも知れません。それに、琴子の事は嫌いではありません。この感情が何かわからないのが今の答えです。だから、決して利用しているのではありません。簡単にいえば、この感情が何か確かめているのです。」

「じゃあ、その感情がなんなのかテストしようか。琴子ちゃんの前ではない方が気が楽だよね。良ちゃん、琴子ちゃんを家に送ってくれない?」

「分かったは。そういえば2人は親に内緒で付き合っているのよね?」

「はい。許婚ではありますが、付き合っていることがおふくろにバレたら、直ぐに結婚させられ兼ねませんからね。」

「フフッ、そうね。じゃあ家の電話は使いにくいんじゃないの?琴子ちゃんは携帯持っていたわよね?」

「あっはい。」

「直樹君は?」

「俺は持っていません。携帯持ったら電話で呼び出しとか告白とか成りかねませんからね。」

「家族と信頼できる友達だけに教えたら。」

「でも…」

「いいわ。私達で入学祝いってことで買ってあげようか?」

「いや、それはいいです。親父に相談してみます。お袋と違って暴走しないので。」

「フフッ。それがいいわね。じゃあ、私は琴子ちゃんを送ったら戻ってくるわね。」

「はい。」

琴子達が出ていくのを見届けると、2人は話し始めた。