汗だくでひたすら西を目指す。
不思議なことに道中、現地の人から道を尋ねられた。しかも二度も。


アメリカ人はさっぱり分からない。
両肩に大きな荷物を提げて歩く不審なアジア人に、どうして道を尋ねようなどと思うのか


「Sorry,I'm a stranger.」(すみません、よそ者なんで)


正直、道を尋ねたいのは私の方である。


やせ我慢にも限界を感じ始めた頃、街並みがオフィス街の様相を呈してきた。
そろそろだ。
歩くこと3時間、ようやくGreenway Plazaに到達。私にはそこが天竺に見えた。




IRIweBLOG ~入江ブログ~-♪They say it was in India♪



目的のホテルも発見。
映画祭の事務局が用意してくれたのは「The Renaissance Houston Hotel」。
20階建ての、想像以上にでかいホテルだ。


ああ、この達成感。めっちゃビール飲みたい。
一刻も早く「ルネッサ~ンス♪」と乾杯したい。
タクシーなら$40.00かかるところを$3.25で来たのだ、多少の贅沢は許されよう。



が、肝心の中島監督がまだ到着していない。
彼はアトランタ経由で国内線のホビー空港に降り立つことになっている。


のんびり待ってなどいられない。こちらはヘトヘトなのである。
受付で「私はナカジマです、私こそがナカジマです」と言い張り、強引にチェックイン。
相変わらず英語は聞き取れないが、こんなものは段取りである。勢いで押し通すのだ。
これが旅館業法に抵触するか否かは専門家の判断を仰ぎたい。



今はとにかく汗を流したい。
逸る気持ちを抑えつつ、406号室へと向かった。