お疲れ様です。
初日舞台挨拶、出発の準備はもう整いましたか?


我々が出会ったのが今年の1月。
脱稿、クランクアップが4月。
映画としては驚異的なスピードで上映に漕ぎ着けましたね。


とはいえ、未だに実感できずにいます。
何故なら、これまで商業映画を実現できたためしがなかったからです。
第何稿も脚本を書いたのに、資金集めで頓挫したり。
連絡がないなと思っていたら、知らぬ間に別のライターが書いていたり。


傷付かないためには、それが当たり前だと思うしかありませんでした。
映画の企画なんてポシャるのが当然なんだ、と。


監督はそんな悪しき前例を打ち破ってくれました。
ワケも分からず放り込まれた呪いの因果律から、僕を解き放ってくれたのです。
こればかりは実力だけでは如何ともし難い。非常な強運の持ち主なのだと思います。


まだ25歳だと聞いた時は驚きました。
プロデューサーも含め、自分より若い人と仕事をするのは初めてです。正直、不安もあり
ました。
が、参考用として送っておいたオリジナル脚本に深い理解を示してくれましたよね

「きっと根底にアツいものがある人なんだろうな、って読んでて思いましたよ」
嬉しい言葉でした。


監督からも同じ匂いを感じました。
ぴあフィルムフェスティバルで三冠を受賞した自主制作映画『
俺たちの世界 』。


これを見せてもらった時、思ったんです。
鬱屈してるなあ、と。
まるで大学時代の僕自身を見ているようでした。

しかし、その鬱屈を衝動として表現しきった点が素晴らしい。
荒削りながらも、画面からは鬼気迫るほどの熱意が溢れていました。
「今これを作らなきゃ、俺は死んでしまう」
それくらいの覚悟を以て臨んだであろうことが伝わってきましたよ。


お互い非常に感性が近いことは、打ち合わせを始めてすぐに分かりました。
打てば響くというか、キャッチボールが永久に続く感じ。
そんな球も捕るの?って(笑)。


仕事相手とは価値観は異なっていてもいい。むしろその方がいいものが生まれるかも知れません。
が、感性だけは通底していて欲しい。
感性の合わない相手にいくら言葉を尽くしても、イメージまでは伝わりませんから。
監督とは感覚的な領域まで共有できるので、ホン打ちは充実した時間でした。
こちらも勢いに乗ってアイディアがどんどん湧いてきて、共同作業の面白さを
久し振りに感じることが出来ました。
役者さん達の演技もそうですが、監督は人の能力を引き出すことにおいて天賦の才をお持
ちのようです。


あれ、覚えてますか?
3月のロケハン。
途中でホンの大直しのため、我々だけ先に帰京した時のこと。しかも自腹で。
満席の新幹線で仕方なくデッキに座り込み、延々とホン打ちをしましたよね。
まるで青春時代に戻ったかのような熱を実は感じていました。
ここから俺は始めるんだ、ライズアップするんだ、って。


あの時掲げたそれぞれの理想、志。
実現すべく、今後も共に闘い続けましょう。
まずはこの作品から。


ライズアップ。


東京の片隅より、祈りを込めて。



追伸

明日の舞台挨拶、今度は滑らないようにして下さいね(笑)。


汗汗汗汗汗汗汗汗汗汗汗汗汗汗汗汗汗汗汗汗汗汗