エネルギーの自給自足も夢ではない時代となった。
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ストップ地球温暖化 加速する自然エネルギー
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090102-00000506-san-soci
地球環境問題を背景にして、風力や太陽光など自然エネルギーに対する関心が高まっている。温室効果ガスの排出抑制には、石油や石炭など化石燃料に依存した従来のエネルギー構造の見直しが求められており、国内では大規模な風力や太陽光の発電所建設が進んでいる。また、小型水力のマイクロ水力、生ゴミなどからガスを回収し再活用するバイオマス(生物資源)エネルギーの本格的な普及も間近に迫っている。平成21年は自然エネルギー活用に向けて官民をあげた取り組みが本格化する節目の年となりそうだ。
■太陽光発電 普及急ピッチ 相次ぐ設備建設
ここに来て太陽光発電の普及が急ピッチで進んでいる。電力業界は平成32(2020)年度までに全国30地点で合計出力14万キロワットの太陽光発電所を建設するほか、住宅メーカーも一般住宅向けの普及拡大に乗り出した。政府も補助制度の拡充を進めるなど取り組みを強化している。太陽光発電の導入が広がれば、国内エネルギー需要の9割を支えてきた石油や石炭など化石燃料に依存したエネルギー構造が大きく塗り替えられることになり、温室効果ガスの大幅な削減が見込まれる。
国内の二酸化炭素(CO2)排出量のうち、約3割を出す電力10社が導入を予定する出力14万キロワットの太陽光発電所が完成すれば、一般家2を削減できる計算になる。
具体的な計画としては、関西電力がシャープと共同で大阪府に発電出力1万8000キロワットの発電設備を建設しているほか、単独でも11年度に1万キロワットの設備建設を予定している。九州電力では福岡県大牟田市に出力3000キロワットの設備を22年度に稼働させるほか、北海道電力でも32年度までに道内に出力5000キロワットの発電所を建設する。
また、東京電力は、三井物産と共同で22年10月開業予定の羽田空港国際線地区貨物ターミナル(東京都大田区)に出力2000キロワットの設備を建設する。また、川崎市と共同で川崎市川崎区の浮島・扇島地区に合計約2万キロワットの発電施設を建設する計画だ。これは一般向けに電力を供給する太陽光発電施設としては国内最大となる見通しで、21年度に着工して23年度の稼働を目指している。
一方、一般住宅や商業施設における太陽光パネル導入の動きも広がっている。住友林業は昨年4月、太陽熱給湯と太陽光発電を組み合わせ、太陽エネルギーを活用する新システムを開発。このシステムの活用でCO2排出量を約60%削減するという。パナホームは気密性や断熱性が高く、太陽光発電やオール電化の採用を提唱した「エコライフ住宅」の販売に取り組んでいる。
政府は、CO2排出抑制のために太陽光発電の国内導入量を17年度の約142万キロワットから42年度には40倍にまで引き上げる目標を掲げている。計画実現に向けて、政府や地方自治体も補助制度などを通じて普及拡大を後押しする。東京都は今年4月にも住宅向けの太陽光利用設備の助成制度を開始。約90億円を拠出して太陽電池だけでなく太陽熱設備の導入を補助する。経済産業省も家庭用の太陽光パネルの導入に1キロワット当たり7万円の補助金を導入しており、太陽光発電の普及はますます進みそうだ。
■風力発電 導入進む欧州 安定電源化に道
再生可能な自然エネルギーの中でも太陽光などと比べて発電コストが安く、価格競争力が高いとされる風力発電。支援策が整う欧州に比べて日本での普及は遅れているが、利用拡大に向けた動きは活発化しつつあり、地球温暖化防止に向けた切り札として大きな期待がかかっている。
EU(欧州連合)は、2020年までに風力や太陽光などの再生可能エネルギーの利用割合について、現在の8%程度から20%に引き上げる目標を設定している。欧州各国では風力発電など再生可能エネルギーで発電した電気を優遇価格で電力会社が買い取る制度があり、普及を後押ししている。東京電力系の風力発電会社であるユーラスエナジーホールディングスのほか、Jパワー(電源開発)などは欧州での風力発電所の建設を加速している。
一方、日本では政府が平成22年度までに累計300万キロワットの風力発電施設を稼働させる目標を掲げているものの、19年度で約167万キロワットにすぎず、目標達成は厳しいのが現状だ。
また、風の吹き方で発電量が大きく変動する風力発電は需要に合わせた計画的な発電ができない欠点があり、電力系統への悪影響を懸念する電力会社は購入量を制限せざるを得ない。このため、採算性や事業リスクなどから、風力発電会社は日本国内での事業展開に二の足を踏む。
こうした中で経済産業省では、石油代替エネルギー促進法(代エネ法)を抜本的に見直して、電力会社だけでなく、石油・ガス会社にも風力発電などの再生可能エネルギーの利用促進を義務づける方針だ。こうした動きに合わせる形で東北や九州など6電力会社が風力発電から送電受け入れを増やしているほか、石油元売り会社や都市ガス会社なども風力発電事業への参加を始めている。
日本国内には「500万キロワット程度の風力発電施設が稼働できる潜在能力がある」(Jパワー環境エネルギー事業部)とされる。
コスト面での課題は残るが、「NAS(ナトリウム硫黄)電池」など発電した電気を貯蔵し、必要に応じて放出する「蓄電池」の開発も進んでおり、安定電源としての道も開けつつある。今後、欧州のような優遇価格での買い取りなど利用を促す仕組みが一段と整備され、電力系統の問題なども改善されれば、日本国内でも風力発電の普及が急速に進む可能性もある。
ただ、欧州を中心とした世界的な風力発電所の建設ラッシュに伴い、風車価格の高騰や納入時期の延期傾向が強まっている。これらによる発電コストの増加が風力発電会社の収益悪化を招く恐れもあり、風力発電の利用促進にはまだ多くの課題も残されている。
■バイオ燃料 補助制度の確立急務
地球温暖化防止に向けた「脱化石燃料」の動きを追い風にして、バイオマス(生物資源)エネルギーに対しても熱い視線が寄せられている。バイオマスエネルギーの拡大は二酸化炭素(CO2)の排出抑制に寄与するだけでなく、地域活性化や新ビジネス創出にもつながるだけに、官民ともに期待が高まっている。
バイオマスエネルギーの中でとりわけ注目度が高いのが、生ゴミや糞尿(ふんにょう)などの有機成分をメタン発酵によってガス化するバイオガスだ。自治体が処理を手がける下水汚泥や生ゴミなどを複合的に処理し、バイオガス化する技術が確立されつつあり、財政負担の軽減や地域産材のバイオマス活用による地域振興など、幅広い観点から実用化を目指す動きが相次いでいる。
バイオガス化をめぐっては、対象となるバイオマスの種類が多く、利用可能な量も大きい利点がある。平成20年4月からは東京、大阪、東邦など大手都市ガス4社が都市ガスの原料となるバイオガスを購入する制度をスタート。製造されるバイオガスの販路も整備が進んでおり、ガスの販売を目的とした事業を検討する自治体や事業者が今後、増えることも予想される。
同様に需要の拡大が見込まれるのがバイオエタノールなどのバイオ燃料だ。新日本石油など石油元売り大手各社は19年4月、首都圏50カ所のガソリンスタンド(GS)でバイオエタノールからつくる「バイオETBE」を配合した「バイオガソリン」の試験販売を開始し、販売網は全国約100カ所にまで広がっている。
政府は輸送用燃料のうちの50万キロリットルを22年度までに石油からバイオ燃料に切り替える目標を打ち出しているが、バイオマス利用で先行する欧米に比べて政府や自治体などの支援制度は遅れ気味。品質確保や安全対策についての体制整備だけでなく、バイオマスの利用を広げるためには、コスト増のバイオ燃料に対する補助制度の確立が急務だ。
■マイクロ水力発電注目
小型の水力発電所「マイクロ水力発電」が環境にやさしい発電施設として注目されている。1カ所あたりの発電出力は100キロワット以下と小規模だが、河川や農業用水、工場排水などにも比較的容易に設置できるため、地球温暖化防止に向けた新たな対策として今後の普及が期待されている。
マイクロ水力発電は、大型の水力発電所のようにダムなどの大規模な建設工事が不要だ。農業用水など一定の水量があれば、発電が可能で河川近くの家庭や山間地でも発電できる。水を使うため、24時間安定的な発電もできる。
環境省では、国土の7割を山間地が占める日本にとって、このマイクロ水力発電は適した発電施設とみており、「日本の国土の特徴を生かした“純国産クリーンエネルギー”」と位置づけている。
ただ、本格的な普及にはコスト対策が課題だ。現在の設置費用は1キロワット当たり100万~200万円かかる。経済産業省と新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は出力に応じて20~10%の割引制度を設けているが、今後の全国的な本格導入を促すためには、補助制度の拡充が欠かせない。
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■関連産業も拡大
太陽光発電の広がりに伴って関連産業の動きも活発化している。粘着材料の大手メーカー、リンテックでは、住宅向けなどの太陽電池パネルの保護用部材である「バックシート」事業を拡大する。
複層樹脂製のバックシートは、光を電気に変換する「セル」と呼ばれる太陽電池パネルの中核部の背面に張り付ける。0.2ミリ程度の薄さだが、電気絶縁や水蒸気バリアなどの性質を持ち、セルを保護する。20年間以上利用される太陽電池の発電効率を維持する役目を果たす。
同社では昨年1月に性能は従来と同等ながら10%程度の低コスト化を図った製品を投入したことで関連メーカーからの引き合いが急増。今年度の売上高は、前年度比2.5倍の65億円に伸長する見通しだ。
この新型バックシートは、基盤フィルムの表面にフッ素樹脂のコーティングを施して耐久性を高めた。粘・接着品で培ったコーティング技術を活用した。
同社のバックシートにおける世界シェアは20%と欧州のイソボルタ(オーストリア)に次いで2位だが、新製品を投入することで、「今後は日本勢からの受注獲得を目指す」(歌川哲之技術・開発室マーケティンググループ課長)としている。
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