いまの若者は残業をしない、残業を断る、残業を何よりも嫌うetc,,,
いわゆるZ世代分析的な記事をよくネットで目にする言葉です。
この手の記事は、その意見を肯定しているものとやんわり否定しているものに分かれており、大抵は世代特有の考え、みたいなのを紹介しているケースが多いです。
ただ、記事を書いているのも大抵はおっさんなのでしょうから、どちらの方向性であっても「我々世代とは価値観が違う」というのが言外に滲み出ている気がします。
価値観は世代が違えば変わってくるのは当たり前の話ですし、世代間ギャップは良いネタになるのだと思いますが、それにしても最近このネタをよく見る気がします。
ただ、思い出してほしいのですが、そもそも我々が若い頃だって入社したときはみんな残業なんかしたくないと思ってたと思うんですよね。
そもそも、いつの時代だって新卒社員などというのは入社するまで就労経験がバイトくらいしかなかったわけで、一日せいぜい5~6時間のバイトを週何回か、という中で最低8時間×5営業日なんて気が遠くなるような労働時間に感じるでしょう。
そこに更に+αの残業時間がオンされるなど、普通に考えたらいやがって当然でしょう。
人間、良くも悪くも慣れるものなので段々と何とも思わなくなっただけのことで、残業を厭う方が正常であり、Z世代だからどうとかはお門違いで、正直このネタはただの年齢の差というか社会人経験の差ではないかと常々思っています。
規制的なものや風潮的なもので昨今残業自体が少くなってきてることは確かなので、いまの若い世代は慣れること無くそのまま育っていけるのかもしれません。
そんな彼らが会社を動かす立場になったとき、もしかしたら社会は変わっているかもと思うと楽しみでもあります。
ただ、今の時代「老害」的な見方をされるのかもしれませんが、身体の無理がきく内にがむしゃらに働いた経験ていうのはあった方がいいと個人的には思うのですけどね。それもまた、価値観なのでしょうし世代の差よりも個人の差だとは思いますが。
さて残業といえば私が新卒来働いている業界、いわゆる情報通信業界ですね。今も昔も残業が多い代名詞みたいな世界です。
近年は色々うるさくなってきたので連日朝まで仕事、とか残業100時間で基本給と残業代が同額だぜみたいなことも殆どなくなってきましたが(ゼロとは言わない)、多分世間的に見ると未だに長時間の部類に入るのでしょう。たまに、18時とかの早い時間に会社を出ると、電車のあまりの混みようにびっくりします。
定期的に労働時間削減キャンペーン的なものが銘打たれたりはするのですが、そもそもが、上から下どころか横も含めて定時という概念が欠落してる人間ばかりという割とどうしようもない業界なので中々成果には結び付かないのが現状です。
こんな業界で、しかも広く一般的にその情報が知れ渡っているにも関わらず、毎年毎年100人単位で新入社員が入ってくるわけです。
未だかつて、上記した記事のような残業を忌み嫌っている新人に出会ったことがないのは、分かって入社してきてるからなんでしょうね、多分。
斯様な業界で15年働いている私はすっかりと長時間労働に慣れきってしまっています。
何年も前に残業代の付かない職位となっていますが、それは全然変わりません。
不思議なもので、残業代がつかない=残業時間をうるさく言われなくなると(残業代がついてた頃は45時間、60時間あたりで面倒臭い手続きがあったので)、早く仕事を片付けようとは逆に思わなくなってしまいました。
これは完全に人によると思うのですが、100%で働くと疲れてしまうので80%くらいで少し余力をもって働く(その分労働時間は伸びるけど)方が、私の性には合っていたようです。
が、つい最近これが変わりました。
会社の制度見直しが行われ、残業代が出なくなる職位が大幅に引き上げられたため、なんと私の職位でも残業代が支給されるようになったのです。
結果、毎月の残業代が新卒の初任給くらい支給されてるという結構とんでもない状況になっています。
仕事内容が変わったわけでもないので、金銭的には勿論喜ばしいことではあるのですが、もう何年も気にしたこと無かった45時間という36協定の壁に目下悩まされています。
自分が残業代がついていた時代は、手続きこそ面倒臭かったですが越えることそのものを煩く言われることはさほどなかったですし、年間六回を越えそうなら適当に時間を誤魔化したりしていたのですがここ何年かでここがかなり厳格化されており、残業管理に変わるタイミングで、基本的には45時間を越えるな、とかなり強めのお達しが上からありました。
どうしようもない時は仕方ないけど、とは言われていますが、こういう言われ方を上がしているときは、仕事が多いからという残業する根本的な理由は否定されるので事実上延長は不可と考えて差し支えありません。
おまけに会社のネットワークに繋げた時間がそのまま労働時間としてカウントされてしまう仕組みなので、適当に誤魔化すことも難しいです。
これまで80%の力で60時~70時間くらい残業していたところを、可能な限り45時間におさめるためには常に100%くらいの力を出して延々と仕事する必要があり、金曜日にもなると本気でぐったりしています。
特に在宅勤務の時などはなまじっか仕事をしながら(電子)煙草も吸えるし飯も食えるしなので、正直休憩という概念がなくなっています。
時間あたりの生産性は確かにあがってるのでしょうし、総労働時間は確かに減っていますが、逆に身体に悪い気がします。
給料が減って労働時間が伸びた方が楽、、、というのは中々矛盾した考えのようですが、周りを見ると割と同じ考えの人間は多いです。
さて、そもそもなんでこんな話をしたかというと

中学生、高校生のなりたい職業ランキングでITエンジニア・プログラマーが二位だったからです。
残業の代名詞みたいなこの業界が人気だということと、残業を嫌う、という「若者の特徴」がなんだかミスマッチで面白いなあと思って記事を書き始めてみたのですが(いつもの事ながら)とりとめのない内容になってしまいました。