慶應義塾女子高等学校の一般入試募集数が、2024年度入試より現在の80名から70名へと減数するとの発表がありましたね。
減った10名分は、推薦入試を20名から30名に増やすことで総募集人数は変わっていません。
背景には、2023年度入試でかなりの辞退者を出し、実に7年ぶりに繰上合格を出したことである、、、、と言われてますが本当にそうなのでしょうか?
上表が直近5年の入試結果サマリーですが、確かに2022年度・2023年度ともに一般入試からの入学者数は60名台となっており、かつ2023年度は前述の通り繰上合格まで出してこの数字なので確かに説得力はあります。
繰上合格も含め、入学者数から逆算すると2022年度は64名、2023年度は76名の辞退者がいることになりますので。
ですが、これが10年以上前に遡ってみると、やや違った景色が見えてきます。
上表が2011年度~2020年度までの実績サマリーです。
各年度の辞退者数は以下の通りです。
2011年度:100名
2012年度:81名
2013年度:121名
2014年度:87名
2015年度:100名
2016年度:71名
2017年度:61名
2018年度:63名
2019年度:60名
2020年度:64名
見てお分かりの通り、2011年度~2015年度などは今よりもずっと多くの合格者数を出していて、かつ今よりも辞退者数は多かったのですよね。
どちらかというと、「大学入試改革」を煽り文句にした大学附属人気でここ数年辞退者が少なかっただけともいえます。(もしかしたらミライコンパス普及による辞退者予測の精緻化によるものかもしれませんが)
大学附属人気がピークアウトしてる今、元に戻ったとしてもまあ普通のことでしょう。
なので、辞退者が多いから減らした、ということだけが理由とも思えません。
では何が理由なのか?
同校は首都圏女子の高校受験においては最難関の一つといわれ、超が付くほどのブランド校ですが、最大のメリットであると同時に最大のデメリットが慶應義塾大学への進学が高校入学時点でほぼ確定してしまうということです。
男子の開成高校に対応する学校が女子には存在しないので、女子の高校受験組上位層は大抵この学校か早実を受験しますが、上位層であるがゆえに最終学歴が慶應では勿体ない、と考えるのもまあ普通のことなのだと思います。
自然、この学校に合格するような子の多くは、より上位の大学を見据えて日比谷や横浜翠嵐、筑附などの国公立高校を第一志望にしていて、辞退者の大多数はそちらに進学しているものと思われます。
で、ここからは多分に妄想と偏見が混じります。
きっとこの学校は、そういう子はそもそも求めていない、別に来て欲しくないのではないかと。
慶應が好きで、慶應にどうしても入りたいんだと強く思っている子に来て欲しい。他大学を視野に入れるような生徒なんて要らない、と多分本気で考えてるような気がします。
保護者の立場からではありますが、「慶應義塾」に対するもの凄いプライドと誇りを感じます。
それだけの知名度と実績のある学校だとは承知していますが若干宗教感が早稲田からはそこまで感じないのは何故なんでしょうね?(個人的な偏見)
だからこそ、受かったら必ず入学します、という約束のもと受験する推薦入試の枠を広げているのではないかと。
事実、推薦では毎年枠よりも多めの合格者を出していますしね。
これが、推薦入学者を全体の1/3もの比率に上げた一番の理由なんじゃないかなあ、と私は思っています。
本音は全部推薦入試(+帰国子女枠)にしたいのかもしれません、、、。
長々書いた割にはなんの益にもならない記事になってしまいました。おかしいな?