※えらく長文になりました※
前回の記事で、偏差値について少し触れたので記事にしてみます。
そもそも偏差値とは何か。
どのようにみれば良いのか。
どう活用したら良いのか。
何となくは知ってるけど、どうもあやふやだという方はご参考になれば幸甚です。
娘の駿台模試偏差値は帳票を待つとして、そもそも娘は中1なのであまり偏差値に一喜一憂する必要はありません。
というか、偏差値が何者か本人もよく分かっていないでしょう。
(統計をやるのは高校生でしたっけ?)
ですが中3にもなると一回一回が真剣勝負。
私も小6、高3のときに記憶がありますが志望校の偏差値まであと◯◯足りない、◯◯上回った、などとやきもきしたものです。
ただ、偏差値とはなんぞやということをしっかりと抑えていれば、上下にあまり心乱されることなく冷静に今後の学習プランを練ることができる(かもしれない)ので、おさらいがてら書いてみたいとおもいます。
学力試験における偏差値とは
ざっくりいうと、偏差値とはそのテストを受けた人の中で、どの程度の位置にいるかを示す指標です。
ただ、それだけの理解だと
「偏差値70ってよく分かんないけど凄いんでしょ?」
にしかならないのでもう少し詳しく説明します。
wiki先生にはこう書かれています。
解説していきます。
正規分布とは
平均値(点)付近にデータが集積し、そこから±の方向いくにしたがって数が減っていく分布のことです。
ガウス分布ともいいます。
平たく言えば、平均点付近の受験者が一番多く、平均点から離れるにしたがって+方向にも-方向にも均等に減っていくような分布図ですね。
学力試験は、通常このような分布になるものとしています。(※1)
しかし、同じ正規分布であっても上図のようにその形は様々です。
たとえば青のグラフであれば、平均点付近に受験生が密集していますし、逆に赤であれば平均点付近が一番多いものの、低得点も高得点もそれなりにいることが読み取れます。
青のグラフと赤のグラフがどちらも同じ平均50点のテストを表し、どちらも同じ80点を取ったと仮定します。
青のグラフは、高得点層が少ないので、80点だとそれなりに良い順位につけられそうです。
赤のグラフは高得点層もそれなりに数がいるので青ほどにはよい順位にならないでしょう。
このように、同じ平均点のテストで同じ点数を取ってもその意味は異なることになり、単純比較が出来ません。
これを比較できるようにしたのが、偏差値です。
話を正規分布に戻します。
統計学上、正規分布に従うとき、平均を50とすると±方向に10(=偏差値40~60)の範囲内に約68%、±方向に20(=偏差値30~70)内に約95%、±方向に30(=偏差値20~80)内に約99.7%が収まります。
もうお分かりですね。
つまり偏差値とは、平均を基準としてどの範囲にいるかを表すものなのです。
ただ、前述したとおり試験によって正規分布の形(山の高さ)はバラバラで、同じ平均点で同じ点数を取っても順位が違うことが普通です。
そのため、±10,±20,±30のスケールで計るための数値が駿台席次表にも出ている標準偏差です。(※2)
標準偏差とは
数学的には分布のばらつきの大きさ、なのですが、学力偏差値を考える上では
偏差値を10動かすのに必要な点数がいくつなのか、を表す数字である
と考えてください。
つまり、ジャスト平均点を偏差値50としたとき、標準偏差分プラスなら偏差値は60、逆にマイナスなら40となります。
上の図を見ればよく分かりますが、偏差値60であればその試験を受けた受験者の上位16%、偏差値70なら上位2.7%の位置にいる、ということですね。
以上のように、テストの難易度に左右されず、自分が受験生全体でどの程度の立ち位置にいるかがわかる。これが偏差値です。(※3)
受験は順位付けです。
自分の点数が30点でも、他の人間が15点しか取れていなければ合格ですので、点数よりも自分の立ち位置が重要になってきます。
そのため、偏差値は普遍的な学力指標として使われているわけですね。
さて、これを踏まえて偏差値についてもう少し考えてみたいと思います。
偏差値の活用法
例えば偏差値70という数字。
駿台模試でいえば、男子なら開成、女子なら慶応女子あたりの合格確実圏。
ちなみに可能圏では66くらい、となります。
偏差値があと4足りない、と受験生は一喜一憂してしまいますが、両者にはどの程度の点数差があるのでしょうか。
参考までに、今回の駿台模試中1のデータから計算してみたいと思います。
【偏差値の求め方】
偏差値=50+(自分の得点-平均点)÷(標準偏差×10)
今回の駿台模試中1は、平均点が152.8点、標準偏差が41.4なので、開成・慶女合格確実圏の偏差値70の得点は
70=50+(X-152.8)÷(41.4×10)
X=235.6
235~6ということになります。
では、合格可能圏の66ならどうでしょう。
66=50+(X-152.8)÷(41.4×10)
X=218.7
偏差値70の子は、合計約236点。
偏差値66の子は、合計約219点。
思ったより差はありません。
少なくとも、全然足りない! もうダメだ! と嘆くほどの数字ではないですね。
英語の長文で10点落としている。この夏で強化していって、失点を5点におさえられれば、、、、。
数学で、初歩的な計算間違いで3点落としている。また、苦手な図形で5点落としているので見直しの徹底と図形の集中補強で8点上げられれば、、、。
国語で、古典・漢文で5点落としている。比較的上げやすいこの分野を集中して詰め込めば、、、
合計18点。
偏差値70に届きますね。
このように偏差値は、その上下に着目するよりも、目標とする偏差値に対して自分がどの程度足りないのか、それを補うためには何をしていけば良いのかを分析するために使うことで、戦略的かつ効率的に勉強が進められます。
特に受験生の場合は尚更です。超難問でも易問でも、例えば同じ5点であれば偏差値に与える影響は変わりませんので、取れる問題をしっかり取っていくのが大事、、、というごく当たり前のことが数字で分かります。
もちろんこの得点域になると、数点上げるだけでも大変で、それこそが合格と不合格を分けるというのもまた真実ですが、こんなふうに計算してみるとまた少し違った景色が見えてくるかもしれません
書き始めたら思ったよりも長くなってしまいました。
ここまで読んで頂き、ありがとうございます。
※1 つまり、正規分布からあまりに外れる模試の偏差値はあまり意味がありません。
※2 標準偏差の出ていない模試でも、計算すれば簡単に導出できますのでご参考まで。
標準偏差=(得点-平均点)÷(偏差値-50)×10
(×10をしなければ、純粋に偏差値1上げるための点数になりますので使い勝手が良いです)
※3 母集団(=受ける受験生)が極端に違う場合は偏差値を比べることはできません。なので、自分の実力に見合った模試を定期的に受けていくことが重要です。

