「男尊女卑」という言葉を耳にします。昔の男性が持っているイメージが多いのではないでしょうか。実際は違いますよね?「他卑」ですよね。「男尊」でも「女卑」でもなく、「他卑」。
「男は…」とか「女は…」とかよく言いますが、それって「男の中でこういうタイプの人の割合(数値)と、女の中でこういうタイプの人の割合(数値)を比べると、前者の方が高い」等という意味で、その数値にあまりは差は無い、つまり男女に殆ど差は無く「人間、皆一緒」という前置きのもと言っていますよね。それは性別の話だけでなく、時代とか、世代とか、地域性の話でも言えると思います。ただ、自分の言い訳の為に、その前置きを無くして「昔の男はそうだ(自分の同世代は過半数がそうで、それが普通。だから仕方ない)」とか、利用する人も居ますが。実際は、そうでない人の方が過半数なのに。本当にそうだと、勘違いしている人も居ます。
ここでの話は、その前置きのもと、「男は…」だとか「女は…」だとか、敢えての極端な話です。また「男性は」「女性は」と表現しますが、それは、いわゆる昭和世代・平成世代と呼ばれる人を指します。
男性は、「男尊女卑」の文字面通りには、男性を尊敬していないと思います。敬う対象は自分で、女性だけを卑下するのではなく、自分以外の者、つまり他人(ここでの他人とは、赤の他人という意味ではなく、他の人、つまり自分ではない全ての人と定義します)を卑下するのだと思います。だから、「他卑」。
「男尊」とは、男性が自分以外の男性も敬う、という意味ではなく、「男は自分を敬う」と揶揄したものですよね。つまり、男はナルシストである、と馬鹿にした表現だと思います。けれど、そのナルシストな男性は、男性は敬われる、つまり自分は社会から敬われる存在だと解釈します。
女性は「男卑」だと思います。女性は男性に「男尊女卑だ!」と批判しますが、そう批判しながら、男卑なのですよ。自分が男卑と分かっていながら、男性に「男尊女卑だ!」と叫ぶのです。男性も「自分や、周りの男性や、社会が男尊女卑な所が有る」と感じる方がいらっしゃると思います。男性は、男尊女卑社会だと思っているかもしれませんが、男卑社会なのですよ。男性の方が、例えば会社での地位が高いかもしれません。それを、女性は馬鹿にしているのです。あの人にはその才が無いのに、とその男性を卑下しているのです。「自分にはその才が有るから、今の地位なのだ」と勘違いしている男性を、馬鹿にしています。その男性を馬鹿だと思っているから、何も言わないのです。犬に、今すぐ人間の言葉を、人間と全く同じ様に喋れ、と言っても無理なのは分かりますよね。それと同じです。どう言っても、どう訴えても、この人に理解は無理だ、そもそも聞く耳を持たない、と判断しているから、何も言わないのです。諦めです。それぐらい、男性を馬鹿だと思っています。それって男性も同じですよね?“それ”とは「女には理解出来ないと思っているから言わない」事です。
けれど、何も言われない男性は、女性を何も言わない自分に従順な地位の人間、だと思っています。実際は、その男性が自分より下だと思っている女性の地位より、女性が思っているその男性の地位の方が、もっともっと下なのに。つまり、その男性が思うその女性のレベルより、その女性が思うその男性のレベルの方が、ずっと下なのです。
対して、女性が男性に何も言われないとしても、その女性は、その男性が自分に従順だからとは思いません。
「昔の女性は、今の女みいにギャンギャン言わなかった。淑やかだった」と言う男性が居ます。男性が女性にものを言われるのは、良い事ですよ。諦められていない、という事ですから。少しは期待をされているのです。淑やかだった女性の方が、男性を卑下していたのです。女性がものを言う様になったのは、それだけ男性が変わってきている、という事だと思います。
女性は馬鹿なフリをします。男性が「女性にはこう言ったら良いんでしょ」「喜ぶんでしょ」と思って言っている事を、言った男性は、自分がそう思っているのを、女性に気付かれていないと思っているかもしれませんが、女性は全部分かっています。男性には隠せません。けれど、「男性のその意図にのっかった方が、男性は喜ぶんだろうな」と思って、分かっていないフリをして、喜んでいるフリをしているのです。『一寸法師』という投稿記事にも載せましたが、それが女性社会での、当たり前の社交なのです。何の狙いもくはありません。ただの人に対する気遣いです。
知っていました?