目から鱗のマクラーレン初試乗をつつがなく終え「では、あっしはこれで」とボロが出る前にそそくさおいとましようとしたら、渋い営業さんと麗しい受付のオネーサンに前後を挟まれ、GO to ガラス張りの応接室。
「今からお飲み物とベーグルをご用意致しますのでごゆっくりお過ごし下さい^ ^」
と革張りの重役さんっぽいシートに着席を促される。
ベーグル?試乗会で?( ̄▽ ̄;)
まだまだ初体験は終わらない。
しかも「これ美味しいんですよ〜」と出して頂いたのは、中広の行列が出来る人気店「PANQUE」のベーグル。前からずっと一度食べてみたいと思ってた一品にまさかマクラーレンでありつけるとは・・・しかも応接室で初対面のベテラン営業マンに笑顔で見つめられながら食べることになろうとは・・・
マクラーレンさん、奇想天外もほどほどに 笑
ただ当然の事ながら、美味しい軽食ご馳走様になってハイお仕舞いな訳がなく、間抜けな顔してベーグル頬張ってるオッサンに、今乗ってるヴァンテージの価格・年式・距離やら、今後の乗り換え予定、下取りした場合の価格、マクラーレンの新車オーダー納期、リセールバリューの高さ、ローンプランの提案などなど、怒涛のセールス攻勢 ( ̄▽ ̄;)
え?まさかコレ・・・
契約書に判押さんと帰してもらえん
例のヤツですか?
目の前の紳士然とした営業さんが、いつ「あんたぁこのまま帰れるとでも思うちょったんか?」と豹変するのかと思うと滝汗が止まらない。
アストン乗ってるから完全に誤解されてるのだろうが、こちとら泣く子も黙る下級国民。10年落ち2万キロのヴァンテージ下取りに出して頭金にしたとて無金利50年ローンでも組まない限りマクラーレンなんか買える訳がなく、とりあえず泳ぐ目を逸らしながら「まだしばらくはアストン楽しみたいんで乗り換えはもう少し先かな〜」とか呟いてみるが(※実際は乗り換えどころか維持すらもう限界)「諦めたらそこで試合終了ですよ」と言わんばかりに粘る営業さん。(いやだから食い下がる相手間違えてますって( ̄▽ ̄;))
「是非ゆっくりご覧になって下さい」
と、ここから想定外のショールームほぼ貸切見学ガイドツアースタート。
まずはマクラーレンのコーポレートカラーであるパパイヤスパークを纏い存在感抜群の「750S」
先述の通り、各空力デバイスからホイール&キャリパー、耐熱ガラス、内装一式、オーディオ、追加電子機能に至るまでほぼフルオプ装備の最上級仕様。そのお値段たるや、庶民が必死こいて35年かけて完済予定の住宅ローンを軽く上回るが・・・
とにかくクソかっけぇ(T ^ T)
720S時代から正直ピンと来なかったフロントマスクも不思議なものでこうして実車見ると違和感ゼロ。この個体は左ハンだったが、もしこれが希望の右ハンだったら、夢現のまま仮契約書に判(拇印)を押して、今頃は嫁に自宅裏の竹藪に埋められていただろう
危険なクルマだ。
そんな絶対的エースのお隣は落ち着きある佇まいの「アルトゥーラ」。マクラーレン初のPHEV。マクラーレン初のV6ツインターボ。そして、重ステ(笑)年始の輸入車ショウ以来の再会だが、ある意味、ウチみたいな平民とマクラーレン様を繋いでくれた恩人ならぬ恩車。もう足を向けて寝られない。
ただ「750S」見た後だから落ち着いて見えるが、PHEV="優しいエコカー"とか思ったら大間違い。ハイエギゾーストで最大出力680ps/最高速度330km/hなんてクルマがエコカーな訳がなかろうもん・・・と思って燃費訊いてみたら、営業さんドヤ顔で「カタログ値はリッター20kmちょいですね。実際高速なら15は超えますよ」
( ̄□ ̄;) マジかっ!?
思わずタメ口きいてもうたわ。
さすがPHEV。エコカーやんけ。
ヘッドランプ周りの処理は先代の「570S」譲りのマクラーレン顔だが、コクピットの基本デザインは最新の「750S」と同じ。そして試乗中から感じていたが、昨今のアストンと比べるとマクラーレンはとにかくボタンの数が少ない。うん、スマホでさえ機能の1割くらいしか使いこなせてない俺向きだと思います。
展示モデル3台目は「GT」。既に生産終了して「GTS」に代替わりしてるが、いい意味でマクラーレン色の薄いスタイリングは大人のグランドツアラー。何気にこの個体も外板色始め色々とオプションてんこ盛りで、営業さんもここぞとばかり「この中では一番大人しいモデルでかなりリーズナブルになっております」とゴリゴリ推して来るが、聞けばパワーは620psで、トップスピード327km/hで、新車価格は¥2700万くらいだが今なら¥2000万ちょっとで直ぐに納車可能とのこと。どうやら「大人しい」と「リーズナブル」の意味を最新版の『広辞苑』で調べ直す必要がありそうだಠ_ಠ
ただオススメ通り内装もかなりラグジュアリーな仕上がりで、これでゆったりクルーズして颯爽とイケオジでも降りて来たら確かにカッコいいだろう。銀座は無理でも流川くらいならかなりモテそうだ(笑)
そんなしょうもないこと妄想しながらクルマ凝視してるもんだから、たぶん営業さんには購入に向けて心が揺れてるように見えたんだろうね・・・
「実はリアハッチ開けて頂くとこのスペースにゴルフバッグも載るんですよ!」
と、もろ差しからのがぶり寄り。
(いや( ̄▽ ̄;)僕がそんな高尚なスポーツするように見えます?この顔見て下さいよ。やってせいぜいゲートボール顔ですよ。何ならゴルフバッグよりパールライス載せる可能性の方が高いっすよ・・・)
とりあえずここは曖昧な笑顔で誤魔化すしかない( ̄▽ ̄;)えへへ
ただ一点、エンジン真上ってのは気になり「ちなみにこのスペース、熱は大丈夫なんですか?エンジン隣接のトランクでローストビーフ作れるクルマを知ってるんですが・・・( ̄▽ ̄;)」と質問したら、さすがはマクラーレン。遮熱はしっかりしてるからその辺は全く心配ないと太鼓判
ですってよ?アルファロメオさん
思いもかけず長居してしまい、展示車両3台とも見終わったら、もはや俺にはマンツーマントークもネタの抽斗なし。気まずい沈黙のまま出口に向かいつつ、なんとかクルマ好きっぽい最後の質問を捻り出す。
「どのモデルも車体はカーボンモノコックに前後アルミフレームなんですか?」
我ながらなかなかの知ったか質問。アルミホイルと言い間違わなかっただけでも自分を褒めてあげたい。・・・が、これがまさかの"延長戦"のホイッスルを鳴らす
「ハイ。奥にフレームモデルをご用意しておりますのでどうぞコチラへ」
そんなんあるんかい!( ̄▽ ̄;)
マクラーレン恐るべし。庶民に優し過ぎる。
もしかして御社の社訓は「ノブレス・オブリージュ」ですか?
で、通された別室にあったのがコチラ↑。
4Cでさえこんなの見たことないんで、おっさん大興奮。フレーム結合部、エンジン&トランスミッション搭載位置、エギゾーストの取り回しにサスペンション周り・・・ほほ〜う( ̄▽ ̄)こうなってんのね。具体的に何が凄いのかはよう分からんけど凄い(笑)
ちなみにフロントはこんな感じ。万が一の時はこのサブフレームがクシャッと衝撃を吸収してキャビンを守り、守りきれないオーナーの心はポッキリ折れる仕組みらしい
スーパーカーの骨格標本を食い入るように観察するおっさんに「他のメーカーさんはあまりこの辺は見せませんが、我々は隠す事なくお見せします」と営業さん。
もうどう考えてもおかしい過剰接待。
これマジで"人違い説"あるな・・・( ̄▽ ̄;)
そして「マクラーレンが考えたドッキリGP」の締め括りは、まさかのストックヤード自由散策 なんかもう総額数億円の車列に慣れ始めてる自分が怖い
ただここまでの展開から、さすがに敏腕営業さんも(オイひょっとしてコイツ・・・)と気付き始めたのか、真っ先にオススメ頂いたのが・・・
スポーツカーシリーズの「570S」
2019年式で距離も3万弱走ってるので2000万円を切る"お求めやすい"価格とのこと。サイズも価格もV12ヴァンテージSよりひと回り上とは言え、その距離でその価格はさすがのリセールバリューだが・・・
「750でしたら、コチラはほぼベース装備ですので先程のショールームの車両に比べてOPがない分かなりお安くなっております」
「んーオーロラブルーはちょっと地味かなー。やっぱこの手のクルマはもう少し派手な色がいいなー」
お願いです。誰か今すぐこの男の後頭部を鈍器で殴って下さい(T ^ T)
そしてそんな勘違い野郎が
「お!この辺とか雰囲気いい感じじゃないですか〜」と食いついたのが↑この2台。
確かにスーパーノヴァシルバーのスパイダーは硬派な漢っぽさがクールだし、ライムグリーンもパパイヤスパークとはまだ違った別格オーラが堪らんけど・・・
愚かなるサラリーマンよ、この4本出しエギゾーストとサイドバッジをよーくご覧なさい。「720/750」より一段と広く長く低く身を潜めるコチラの聖獣は、750Sどころか
世界765台限定の765LTです。
そらいい感じの雰囲気も醸し出すやろಠ_ಠ
安心して下さい。ショールームの750Sよりもっと高額ですよ
最後の最後にとんでもないのに遭遇して、長い長い夢のような時間はようやくこれにて終了 分不相応な試乗体験だけの筈が、滝川クリステルもびっくりのまさかのおもてなしでもうお腹いっぱい
マクラーレン広島さん
神対応ありがとうございましたm(_ _)m
もはや敷居が低いを通り越して完全バリアフリー(T ^ T) この御恩は一生忘れません。宝くじ当たった暁には必ずや750S買いに戻って来ます
どんな夢も具体的に強くイメージし続ければ必ず叶うが我が家訓。
とりあえずコレ↑
ミニカー出たら絶対買おう。
1/18スケールで買おう。
ただひとつ驚きだったのは、これだけ脱法ドラッグ「マクラーレン」吸引しながら全くヴァンテージが色褪せなかった事。むしろ帰りにエンジン始動した瞬間からムフフフが止まらず、なんか一人で奇声を発するキショいおっさん乗せて、V12ヴァンテージSが市街中心部を駆け抜ける
750Sは間違いなく秀逸だったが、ヴァンテージもまた別ベクトルを持つ俺の最高峰。野生的な咆哮とFR×大排気量NA特有の乗り味は唯一無二で、思わず目頭が熱くなり視界が揺れる・・・と思ったら、単にV12の放熱でボンネット上に陽炎立ってるだけだった( ̄▽ ̄;)
ちなみにマクラーレンさんからは帰りにお土産まで持たせて頂いたのだが、さらに数日後には、セールスマネージャーさんと、輸入車ショウでお相手して下さった経理のオネーサンさんからわざわざご丁寧に御礼状まで届いて、オッサンは自宅の玄関で土下座m(_ _)m
重ね重ねのお心遣い
痛み入ります
アストンマーチン広島さんも相当な神対応だと思っていたが、さらに上ゆくマクラーレン広島さん。国産/輸入ブランドに関わらず、やはり"人"と"教育"次第なんだと言う事がよく分かるよね〜ワールドさん?
いやー人生最高の3月。
早くも2024年の運気ピークを越えました
さあ!4月からは坂道をゴロゴロ転げ落ちるぜっ!(T ^ T)
[了]