もうかれこれ10年ちょっと前だけど、初めて家族3人で沖縄旅行した時、某沖縄村の小麦色したお兄さんに言われた言葉が今回のサブタイトル。
「いや、違います。出身は北九州で、今日は広島から来ました」
そう答えた時のあの、(へ?本土の人? いやいや、兄さん。冗談はその中途半端丈の半ズボンと顔だけにしときなよ)と言わんばかりのビミョーな表情は、今も僕の心に刻まれた大切な記憶です。
こんにちわ
実は自分でも、前世の名字は具志堅だった気がしてます、IRASです。
さて、そんなグローバルフェイスなIRAS。
早いもので、去る3/20に無事息子が小学校を卒業
それを記念して、10年越しに再び地元ぃ扱いされることは覚悟の上で、沖縄に二泊三日の卒業旅行に行って来た。
3月22日(木)ド平日の朝。
職場では同僚の皆さんのストレスメーターが早速レッドゾーンまで振り切ってるであろうちょうどその頃。
前回行った時はまだ赤ん坊だったこともあり、「俺は沖縄なんて連れて行ってもらったことはない」と主張する罰当たりな今回の旅の主役を先頭に、現実逃避ファミリー意気揚々と広島空港へ。
ちなみにうちの息子、旅行用のキャスター付ケースを引っ張るのが趣味という変人なので、移動はとても助かる。
フライト前に、日頃はあまり来ることのない空港内のロイヤルで朝飯
クルマでもレストランでも、「ROYAL」=「高級」だという意識が右脳に刷り込まれてる昭和時代の人間としては、もうこれだけでセレブ気分だおほほほほー
コテコテの理系道を歩んでるくせに未だに 「いくらスピード出とるとは言えあんな鉄の塊が空を飛ぶとかおかしいっちゃ」と言い張るおっさんの不安をよそに、久々のフライトは当然何の問題もなく、ANAのCAさんも皆さん見事に美人揃いで、順調そのもの。
だが、飛行機履歴が少ない"おのぼりさん"の俺から見れば、軽装の白人の兄ちゃんも、正恩カットのメタボなアジア系も、グラサンかけた「ルビーの指輪」っぽい爺さんも、もれなく全員テロリスト。しっかり 「ダイハード」で予習してちゃんと汚れてもいいタンクトップを着ていつてもブルース・ウイリスになる準備は出来ていたが、幸いにして出番はなかった
むしろ一番挙動不審だったのは、バカンス気分の機内でただ一人FBI並みの鋭い視線でキョロキョロと周囲を警戒する俺だったに違いない
そんなこんなで、広島空港を飛び立った2時間後には無事に那覇空港到着 個人的には3度目の沖縄なので空港内も勝手知ったる庭のつもりだったが、到着ゲート出たその時点で既に見覚えがなかったどこだ?ここ・・・今や2日前の晩飯も思い出せない俺の記憶なんて、まぁそんなもんだ。
今回の旅の足は、低料金かつ自分で絶対買わなそうなクルマってことで
トヨタ・パッソパッソ、ぶちぷちぷちトヨタ~
カウンターで契約を済ませ、嫁が恒例の乗り出し前車両状態チェック
でも・・・店員さん、ご愁傷様
その人、その道のプロです。
そして、これからお世話になる旅の足に家族3人乗り込んだ刹那、後部座席でやおら始まる茶番劇。
「・・・・あれ?・・・・・・・・・ああっ!!財布持って来たのに、中身入れて来るの忘れた!」(by息子)
俺は、こんなにろくでもない12歳を見たことがない。あれあれ詐欺だ!
それでも、あくまで卒業記念旅行なので、旅のしおりは"悪童"の希望最優先。
まずは、歴史ロマンがどうこうと言うよりは弐千円札をGETするため 「首里城公園」へ。
大人の理屈に反抗することと、これ見よがしな気怠さがカッコイイと信じて疑わない思春期に差し掛かり、最近めっきり言動も醒めて来たので、「別にお土産ショップだけでいいわ。城とか別に・・・」とか言うのかと思いきや、到着早々入口の守礼門前で主役行方不明・・・この短時間でどこ行きやがった?
あ、いた。
野郎、ちゃっかりスタンプラリーとかしてやがる。
(なーんだ図体はデカくなってもやっぱまだ子供だのう・・・)
と親心で目を細めたのも束の間・・・当然一人で行ってらっしゃいという訳にもいかず、ここから、広い公園の隅々まで駆け巡る血も涙もない過酷なツアーが幕を開ける。
首里城公園と言えば、守礼門や彩り鮮やかな世界遺産「首里城跡」の正殿が有名だが、その間にあるその他の門は、見慣れぬ者にとってはぶっちゃけ可もなく不可もなく完全スルー。
ただ1つの例外はこの 「園比屋武御嶽石門(そのひゃんうたきいしもん)」で、昔のドラクエの復活の呪文みたいな名前なのに実はこちらも世界遺産様でいらっしゃる
その朽ちた外観だけ見ると(ふーん)ってな感じだが、琉球王朝の知識は100%「花の慶次」に依存している俺としては、(この門の前をあの慶次と松風が通ったかも・・・!尚寧王がくぐったかも・・・!)と思うだけで、目キラキラ心ワクワク
そしてそう考えると、雑魚キャラの如く素通りして来た門の一つ一つも、今さながら聖地感UP↑
日頃、アニメの聖地巡りとかで盛り上がってる輩を見るたび 「おいおい、架空の話に踊らされ過ぎだろ・・・」と上から目線で語ってるクセに口ほどにもない奴だえへへ・・
しかし、予想外だったのは主役の満喫ぶり
日頃、親の買い物に同行する時は2分で 「ああ、疲れた・・・」 としゃがみ込む体力のない虚弱体質のハズが、スタンプシート片手に東奔西走 スマホで写真を撮って撮って撮り倒す まあ、旅行に連れて来た身としては、本人が誰よりも楽しんでくれて何よりだが、ヤツの「疲れたぁ」は、もう今後一切信用しない
ただ、久しぶりの首里城公園の感想をひと言で表すなら・・・
鬼寒。
誰だよ? 「この時期の沖縄はフツーに25℃くらいあるけ、上着とか着とったら笑われるぞ」 とかしたり顔でホザいてたアラフォーのパーマ野郎は クッソ寒ぃじゃねーか!
危うく、南の島まで来て風邪ひくとこだった・・・。
想定外のスタンプラリーもコンプリートし、園内ショップでわざと高額紙幣で買い物してお釣りの弐千円札をGETしたら、初日の残るミッションはあと1つ。宿泊先のホテルへと向かう道すがら、やたらと2ブロックの韓国人が多い美浜アメリカンヴィレッジに寄り道して・・・
息子は肉を食べ・・・
母は肉を食べ・・・
父は肉を食べる。
個人的には全くアメリカの食文化に憧れはないが、せっかく沖縄まで来ときながら肉を食わないなんて、薄い頭に禿げヅラ被るくらい意味がない。超観光スポット内の店だけに。多分地元の人からすれば、「広島からわざわざ来てそこで食べるの?」ってなもんに違いないが、大丈夫 メニュー表に「石垣牛」と書いてあるだけで俺は満足だ
そして、家族3人肉々しい腹を抱え、すっかり暗くなった国道58号線をYナンバーに囲まれながら北上すること30分最後は、国道を外れ、死体を遺棄する方以外は誰も近づかないような街灯1本ないサトウキビ畑の中の漆黒の一本道をザワワ~と走り抜けること15分、(そろそろ、道端に白い服を着た長
い髪の女が現れるな・・・)と覚悟を決めかけたところでようやく、IRAS家の常宿「ホテル日航アリビラ」に到着
いやーいつ来ても、ここの夜は怖い
地元では伝説のジャズピアノニストと呼ばれ・・・てるらしい、見知らぬ小洒落れた爺さんの生演奏をバックに、アリビラオリジナルブレンドとフォンダンショコラでホッと一息
こうして、心地良いピアノの音と珈琲の香りで首里城の記憶をすっかり上書きして初日は終了。
こんなに眠るのが惜しく、夜が明けるのが楽しみな夜は何年ぶりだろう・・・
(→<2日目>につづく)