PM5:00
怪しい三人組、山沿いルートからこっそりと米子市内に潜入・・・
東倉吉町界隈で、暑いのに汗をかかない男、暑くて汗ダラダラの女、暑くなくても汗だくの男がキョロキョロしながら徘徊する姿が、付近住民によって目撃される。
知~らな~い ま~ち~を 歩い~てみ~た~い~
ど~こ~か~ と~お~く~へ~ 行~きぃ~たぁ~い~
(JASRAC NO.055-0256-0)
狭い路地裏の住宅街に趣のある文化財級の旧家屋と胡散臭さ満点の飲食街が共存する町並みは、まさに 『遠くへ行きたい』 のテーマがピッタリの昭和な風情。昼日中からBCG痕も眩しいシミーズ一枚姿のオバハンが玄関先に座り込んでタバコ吹かしている光景なんて、今の時代そうそうお目にかかれるものではない。やっぱり、夏は身も心も開放的になる危険な季節だ。(助けて!ドラえもーんおばちゃんが三白眼でこっち見てて怖いよー)
「たぶんココじゃないかなー」
そんな不穏な路地裏を「るるぶ」(WEB版)片手にカフェ探し MAPを何度も確認しながらとある店舗におそるおそる入店すると・・・そこは、明らかに高そうなハイセンスなお洋服がズラッとディスプレイされたセレクトショップ カフェらしいナンパさなど微塵もなく、壁際のショーケースにはクロムハーツのシルバーアクセや、(ホスト専用?)みたいな高級コロンの類が並び、どう見ても中年3人にとっては不思議の国 俺の長いイジメられっ子経験に照らすと、こういう店の奥にはほぼ確実に昔はイジメっ子だった半グレ店員がいる。
「いらっしゃいませ~」
果たして、奥から出て来たのは、営業スマイルがLED並みに眩しいお兄ちゃん。
でも、騙されはしない こっちが冷やかしだとわかった瞬間、その笑顔は一瞬にして舌打ちに変るはずだ。彼らはそういうタイプなんだ。
「あ・・あの・・・ここってカフェじゃないです・・・よね?」
(店員の本性が現れるまでカウントダウン、ハイ10秒前)
「あ、カフェはですねー隣なんですけど・・・ちょっと、やってるか訊いて来ますね」
(5・・・4・・・・3・・・・2・・・・1・・・・)
「ごめんなさい今日はこのあと貸切になっちゃってるみたいです。スイマセン、せっかく来
て頂いたのにぃ・・・ホントごめんなさい」
ホラね。
むっちゃイイ人やがな
笑顔は消えず、LED長持ち
しかも、聞けば出身は広島かつウチの隣町だそうで、世の中せまいにも程がある。
この町の人はいい人ばかり・・・到着したときから、俺はそう思っていた。
ちなみに、古民家をリノベーションしたこのショップ。実は、元はあの有名な漫画家・水木しげるの祖母の実家だったそうで、それを聞いたつかぢ先輩、ピクッ!と反応。
(・・・・・どうしたんやろ?・・・尻に吹き矢でも刺さったんかな?)
「あ!そーなんだ!なるほど!どーりで!」
「なるほど!」 のポイントはよく分からないが、得心した様子の先輩は天井の柱を見上げてなんだかとっても幸せそう。いずれにしろ、どこでどんな出会いや発見があるか分からないものである。
そんな神対応店員さんが、わざわざ 「こっちもいい店なんで・・・」と紹介してくれたのが、米子本通商店街にあるカフェ 「LAND&YEARS」
お洒落な店内は比較的空いていたものの見事に女子率100%で、急に現れたおっさん2
人(デカいつかぢ先輩の背後にいたカミさんは、完全に見えない君)を数十個の眼球が一斉に高速スキャン・・・わずか1秒で、店内に「ため息」と「薄ら笑い」が蔓延する。
そんな女子諸君へ告ぐ。
かつて、ある男子中学生は言った。
「真の薄目を極めると大人ビデオのモザイクは消せる」と。(通称:モザイクキャンセラー)
ほら、キミたちも、そっと目を細めてごらん。
そうすれば、きっと僕らがブルースブラザーズに見えるはずだ
まあ、そんなことはさておき・・・この店、まさかの大アタリ
オリジナルNYチーズケーキセットを注文した(ちなみにつかぢ先輩は季節のフルーツ&カスタードパンケーキをオーダー。さすがに女子力高いなぁ)のだが、こいつはもしかすると、IRAS史上最高のNYC。口の中で溶ける濃厚チーズとオートミールクッキーの相性は抜群で、大きめのカットサイズで食べ応えも十分。 是非お店のスタッフに、3つと、1/10スケールIRASフィギュア(首振り機能付)を進呈したい。 たとえ、どこの誰とも知らぬ初対面のさほど可愛くもない女性群に冷たい目で見られたとしても、この店は行く価値アリだ!
こういうことがあるから、突撃!隣の地方都市!はやめられない。
しかも、この店舗から徒歩2,3分圏内に、同様なカフェがあと2店なんですとっ!
もう米子リピート確定だ。
だが、真の米子ハイライトはその夜のこと
昼間の散策中から、町内のあちこちに「がいな祭」なるものの告知がしてあったものの、なにせ米子だけに (所詮、田舎の夏祭りだろ・・・) と軽~く見下してたら・・・なんのなんの・・・
まさかの大迫力棒灯篭祭。(←3人呆然)
しかも、大通りを完全封鎖してかなりの大規模スケールマジかっ!
さらに、狙ったかのように祭り会場の中心ど真ん中に宿泊先のホテルどないやねんっ!
灼熱の炎天下を歩き回って疲れ果てた後に極旨デザートで一服して、あとはもうホテルでパンツ一丁になるだけ・・・のハズだったのだが、祭囃子はハーメルンの笛。 つい今しがたまで 「食い過ぎた!」「もう無理!これ以上食べれん!」 と腹さすってたブルースブラザーズが一転 「なんか焼きそば食べたい」 とか言い出し、こりゃもう出陣するしかない。
やっぱり日本の夏は、“金鳥の夏”ではなく“祭りの夏”だばっちこーい!
米子駅前の目抜き通りは、祭りに詰めかけた観客で押すな!押すな!いや!押せよっ!の芋洗い状態。 さすが、夏祭!さすが、隣の庭! すれ違う女子の40%はE-Girls に見える。地元広島のズムスタを根城にする敵対組織の女性兵士達とはエラい違いだ おととい来やがれ!カー●女子
ただ、こういう場合、女子のチェックは0.2秒/人以下とし、男とは決して目を合わさないよ
うに気を付けよう。 「信頼と実績のIRAS調べ」によると、この手の祭りを楽しむ男の95%は札付のチンピラもしくはそのOBと考えて間違いない いや、これマジで
そんな人混みをかき分けさまようこと20分
ようやく辿り着いたやきそばの屋台では、熱帯夜に灼熱の鉄板の前でスキンヘッドのオッ
チャン超働き者。
てか、おっちゃん・・・・それ何玉焼いてんの?
屋台のおっちゃん 「ん?50玉」
もはや超人ハルク
(こういう屋台のおっちゃんは強面だけど意外に気さくなんだよな~) などというこれっぽっちも根拠のない先入観で、危うく 「この前シャブで捕まった元プロ野球のスターに似てますね」 とか言いかけた自分が怖い
結局、この後通りすがりの路地で見つけたジャンボ手作り餃子まで買い込んでホテルに
戻った一行は、何故か深夜までフードファイトに挑戦するハメとなり、最後は皆、胃を押さえながら言葉少なに解散.......、就寝。
盛り沢山だった大人的夏旅初日は、早速の腹痛に便所で 「考える人」 形に固まったまま深々とふけていきましたとさ・・・
(③「境港・出雲あたり編」につづく)