誰かさんのおかげで、寝る前よりも眠たい朝だったが
前夜と同じテラスでやわらかい朝陽を浴びながら食べる朝食にちょっとしたプチセレブ気分
ここのホテルのウリでもある自家製の焼きたてパンも美味しく
初日の観光ですっかり京都の虜となっている坊主も
「また京都来ようや!で、絶対またここに泊まろうや!」 と手放しで絶賛
確かに、ここのコスパは高く、次回も利用することに全く異存はないが
もし、また同じベッドで寝るのなら、お前は簀巻き決定だ
京都身柄引き渡し観光2日目は、清水寺界隈を集中散策
週末土曜のせいか、それとも清水寺が永遠の超人気スポットなのか
前日の3ヶ所とは桁違いの人出にいきなり閉口
「どいつもこいつも、他にやることないんかい」
自分も観光客の1人であることをドーンと棚に上げ
この日もメジャースポット遅咲きデビューに内心ドキドキしているおっさんが悪態をつく
清水寺詣をする前に、まずは「産寧坂」から物色
THIS IS 京都!な品々が並ぶ店が軒を連ねるが、まあ、俺の場合お土産を買って帰る相手と言えばせいぜい会社の同僚くらいのもんだし、奴らは “京都に行ってきました”クッキー で十分なので、お土産チェックは女性陣に任せて、俺は、金ピカキーホルダーを買い漁る坊主を保護観察
「ねぇパパぁ~どれがいいと思う?こっちもいいけど、こっちもカッコいいし・・・迷うわぁ・・・」
某土産物店の店頭に座り込んで悩む坊主の手には
金ピカの金閣寺のキーホルダー大・中・小3サイズ
すいません俺には全部同じにしか見えないんですが・・・
ちなみに、この日、数店舗をハシゴして悩みに悩んだ坊主の最終的な戦利品は、ご覧の通り
しかし、お前って、「金色」とか「龍」とかが無条件に好きだよなー
んで、おまけに 「観音像」 とか 「菩薩」 とかも好きなんでしょ?
俺はもう、その4つのキーワードから
刺青バシバシ背負ってる
20年後のお前の姿しか思い描けないんですけど・・・
父親のブラックな遺伝子が徐々に覚醒しつつある彼が、今後どっち方面に成長していくのか?
楽しみである
そんな坊主が、美人姉妹を盗撮する姿を盗撮しながら一行は「二寧坂」へ
この日も、写真大好き小僧はあちこちでシャッターを切っていたが
さすが歴史ある街並みだけに、通りのどの一部分を切り取ってもそれなりに絵になる
そりゃ、こんな趣ある環境の中で日々暮らしていたら、女性も“はんなり”となるだろう
俺だって、もし実家がこの一角だったら、今頃は、しがないブラック製造業の労役社員なんかではなく
必殺仕事人の一人になってたはずだ
え?どの役か?
そんなもん、俺のルックス見たらすぐ分かるじゃないか
TVでは京本くんが演じてた“組紐屋の竜”しかなかろうもん
そんな俺に、全国の京本政樹ファンの呪いがかかったのか
不意に石畳を激しく叩きはじめたにわか雨
ちょうど歩き疲れたところでの通り雨を言い訳に、甘味処でひと休憩する
さすが、和菓子の本場としてもその名を馳せる京都
坊主が目のないみたらし団子も、日頃食べてる生協のそれとは明らかにモノが違う
これが一瞬 “とり皮” に見えた俺は、もう一生庶民から抜け出せない気がする
大人3名は、みんな仲良く宇治抹茶ミルクをオーダー
これまた、縁日の出店とはワケの違うサラサラ氷に、上品な宇治抹茶の深みのある味わいと、ふわりと広がる練乳の甘味がお口の中でオクラホマミキサー (なんのこっちゃ・・・)
さすが、京都の名に恥じない一品!・・・であることは間違いない
間違いないのだが・・・
ただ、いかんせん・・・・
多過ぎる.....
美味しく頂いたのは最初の1/.3くらいまでで
中盤以降は体も死体のように冷え切り、小刻みに震えるスプーン
そういえば、今更だが・・・・
俺は抹茶もかき氷もそれほど好きじゃなかった
口の中から胃の中まですっかり緑色に染まったあとは
ぶつかられてもビクともしないデッカイ白人さん御一行様をすり抜け
ぶつかって来てもワビひとつ入れない修学旅行生の群れをかき分け
ようやく、音羽山・清水寺の仁王門へ到着
さすが、天下の清水さん
門からしてそのスケール感がハンパないかっけー!!
初めて京都に来たあの日から苦節25年
ついにこの俺も、あの有名な清水寺にその足跡を刻む・・・
はずだった
あの清水の舞台で、マイコーばりのムーンウォークで踊り倒す・・・
はずだったのに・・・
疲れた。 by 坊主
・・・・・・・は?
もう、行かんでもいいかな by 坊主リターンズ
・・・・・・・・・・ひょ?がびーん
ディズニーランドもそう・・・・
ユニバーサルスタジオもそう・・・・
俺はいつだってそう・・・・
有名観光スポットのデビューは、必ず入口ゲートの前までで終わる
「おしい!」 のは広島県より、むしろ俺だ!
ただ、この日、清水寺をメインと考えてたのは俺だけで
女性陣の目的は最初っからこちらのお店
聞けば、誰でも舞妓さん体験が出来るというので女性観光客には人気の有名店らしく
待合室で、男2匹がレゴブロック組み立てて遊んでる間に、姉妹は変身完了
「アレ、誰なん?」 と真顔で怖いことを呟く息子を 「だまれ」 と静かに一喝し
ひたすら、「似合うわー」 「キレイやわー」 と感心したあとは、黙して多くを語らず
この場合、「見違えた」とか 「化粧映えするね」 とかはありがちなNGワードだが
かと言って、とってつけたように褒めちぎっても、逆に墓穴を掘ることが多い
ましてや、舞妓化粧で平素の300倍に増強された眼力を前に
「誰かわからない」と口走るなど、とんだ特攻野郎Aチームだ
でも、確かに、我が嫁&義姉ながら、お義父さんが 「芸妓にしたかった」 と言うだけあって
お二人ともバッチリ決まっていらっしゃる
元々、まだこういう文化を知らない坊主にとってみれば
別人に見えても致し方ないかもしれない
だが、気を付けよう
誰もが、このレベルのクオリティになるわけではない
分を弁えない奴が厚かましくチャンレンジしたところで
出来上がるのは・・・しょせん、小梅太夫だ
ちくしょー!!
2日間、駆け足で堪能した京都とも、いよいよお別れのとき
まだ夏休みが残り数日ある坊主は、ホームでも元気一杯パパラッチだが
両親は、広島に戻ると思うだけで胃潰瘍に......
だが、この半年ほどは報われない仕事に翻弄され
休日の遠征を楽しむ余裕すら失くしていた我が家にも、ついに転機到来!
京都、ヤバし
世界に名だたる観光名所や格式ある伝統文化はもちろん
しれっと、ケープランド・フライバック・クロノなんかが置いてある駅ビルも素敵すぎる
またこの地を訪れ、美味い物を食べて、美味い酒を飲んで、欲しいものを買いたいと考えたら、久しぶりに、ブラック企業の仕事にもやる気が出て来た
やっぱり、仕事は遊ぶ金欲しさにやるものだ
また会おう、京都
そして次来たときは・・・
今回、新幹線の中で宿題失くす子が美味そうに食ってた
「ふわふわ卵の鶏カツ弁当」 を食べてやる
(次回は10月に京都襲来予定)
お義姉さん、うちの坊主の身柄移送ありがとうございました
おかげで、久しぶりに楽しい旅ができました