「私はハワイ好きやわぁ特にデラウエア火山」 by 義母@金沢
久しぶりに自分の実家に戻って、我が親の大物ぶりを目の当たりにしたばかりだが、金沢にはさらなる天賦の才が埋もれていることをすっかり忘れていた
(いや・・・デラウエアってブドウじゃ・・・・?)
この年代はどこの親もこんな感じなのか??
だとすれば、とんだゴールデン・エイジだな・・・
こんにちわ
小学校時代からずっと “谷間の世代” と言われてました、IRAS です
というわけで、GW後半戦の舞台は1カ月ぶりとなる北陸・金沢
2日の夕刻に自宅を出発したIRAS一家は
例によって例のごとく、交通費抑制のため日付を跨ぐ強行軍
道中、実家にそのことを連絡すると、すぐさま返信メールで
「わかりました。Kスケ(甥っ子)と一緒に起きて舞っています」
普通なら“誤変換”だと笑って済ませる内容も
実は、誤変換ではない可能性があるのが、金沢の実家の恐ろしいところだ
しかし、そんな強引な移動も、翌日、まさにその経路である名神道が、衝突炎上事故で丸一日通行止めだったことを考えると大正解
だが、走行中、ふとした瞬間にハンドルを握る奥が
助手席でボーっとしてる俺の方を観て・・・
「あ、この角度・・・タッチのかっちゃんに似てる!」
かわいそうに・・・・かなり疲れてるな・・・幻覚が・・・
マクロスのミハエル某の次はタッチの上杉和也・・・
的外れなモンに似せられることにも最近は慣れて来たが
まあ、「ザ・たっち」に似てると言われなかっただけヨシとすべきだろう
明けて5月3日
初夏を思わせる陽気の下
決して種無しブドウではなくキラウエア火山が好きなお義母さんのドライブで
IRAS一家+深夜に舞う甥っ子は白山市へ
その途中、何やら行列が出来ている沿道の出店に寄り道する
義母: 「ここの大判焼きは美味しいのよ」
(いや・・・まことに恐縮ではありますが、あいにく私はまだ満腹でありまして・・・いや、決して大判焼が嫌いとかアンコが嫌だと言うわけではなくて・・・ほら私もこの歳になりますと、空腹でもないのに間食など取ると脇腹がすぐタプタプと・・・いやいやいやいやいや!!断じて喧嘩を売ってるわけでも当てつけでもございません!あくまで成人病予防等の世間一般的な観点から見て、そういう小さな誘惑に打ち勝ってこそ健康な老後を送れるということでありまして、私にはまだ幼い子もおり病に倒れるわけにもいかず、ここはひとつ断腸の思いではありますが、身を切られるような痛みに耐えつつ、溢れんばかりの感謝の情をしっかりと胸に抱き締めながら、大判焼のお話は慎んで辞退させて頂きたく・・・)
奥: 「あ、カスタードもあるみたいよ?」
俺: 「ええ、もちろん頂きますともカモーン!」
この世から、全ての軟体動物と甲殻類が絶滅しても一向に構わないが
カスタードとホイップは、未来永劫死守すべき人類共通の財産だ
人気の大判焼の焼き上がりを待つ間
小童2名は、見晴らしのいい草原で “かくれんぼ” という労多くして益のない遊びに興じ、IRAS夫婦は、周辺の古き良き日本の情景の中を、しばし散策
セルフサービスのBGMはもちろん 「いい日旅立ち」だ
優しい陽光を受け青々と躍動する風景の中にあって
圧倒的な存在感を放つ巨木に近寄ってみれば・・・
さもありなん
「御仏供杉」(おぼけすぎ) と呼ばれ、日本名木百選にも数えられる超有名な杉の木らしいが、さすがは樹齢680年
肌の色艶は、肝臓の悪いうちの部長も似たようなものだが
その貫禄とオーラは比べるべくもない
しかし、こういう自然に触れる時間に安らぎを覚えるようになった俺も
確実に人生の年輪を重ねているということだろう
中身は虫に喰われたかのように、スカスカだが・・・
寄り道を終え、アウトバックは、何故かパンツ一枚で下半身を露出して大判焼を食べる甥っ子を乗せ、再び走り出す
最近の小学生は、通信ゲームのためにポータブルWi-Fi持ち歩き・・・
キン消しやビックリマンシールに熱狂してた自分らの小学生時代のなんと可愛らしかったことだろう
(時代も変わってしもうたのう・・・ あいらす翁九十八歳)
車窓の向こうに望むは、春雪化粧の白山連峰と
ペリドット色に輝く手取川ダム、深瀬大橋の真紅の橋脚
日常の生活の中で、こんな風景ばかり見て育てば
そりゃ人格も温厚で柔和になるだろう
どうりで、北陸の街中を走っていても
合流や車線変更を妨害するため、後続車がわざと加速してスペースを詰めて来るような、広島ではお馴染みの心狭いシーンをほとんど見かけないはずだ
あの荘厳な山脈の光景を観てると
例え前が牛でもペースを合わせてやりたくなるもんな・・・
後部座席で、そんなことをしみじみ考えている内に到着したのは・・・
「白山恐竜パーク白峰」
そう、恐竜
またしても、恐竜であるもうエエっちゅうねん・・・
いくら好きとはいえ、子供は飽きるということを知らないのだろうか?
もしタイムマシンがある時代だったら、とっくに俺は、こいつをジュラ紀あたりに送り飛ばしている
ただ、幸いだったのは、あまりにもローカルなのと、GWで恐竜とくれば皆お隣の福井の方に行くから、客がほぼガラガラだったこと
入場口で、無愛想なオッサンからカードを受け取り
その辞書に 「急ぐ」 「慌てる」 の文字がない坊主にはうってつけだ
おかげで、芋を洗うような福井県立博物館ではいつも
躾の悪い見知らぬお子様方や、必要以上に幅の広い邪魔なオバ様達に
ワザと聞こえるように悪態をついてる俺も、今回ばかりは平和な気持ちで観覧することができた
どこぞと違ってスタッフも若く非常にフレンドリー
親も、別に見てるだけなら入場は無料で
時折手伝ってやるくらいなら黙認
挙句に、樹脂の化石などという微妙なものではなく
きっちりシダ類と分かるような植物の化石がゴロゴロ出てくる
世紀の大発見などとは無縁の大多数の少年少女にとっては
明らかに福井のスパルタ発掘体験よりこっちの方が楽しめそうだ
建屋の周辺には、ささやかながら公園も整備されており
なんとかサウルスの口の中を恐る恐る覗きこむ坊主
しかし、そのぎこちない挙動を観ていられなかったのか・・・
「そうじゃねーよ!こうやるんだよっ!」
とばかりに、甥っ子がお手本を示す
さらに、そのまま恐竜の腹の下に潜り込むや・・・浣腸
さすが小6
やるべきことをちゃんと心得ている
誰かに何かをやれと言われるまでもなく
自ら何をすべきかを考えて行動する
これぞ、デキる男の証
入社5年目で、まだ 「どうすればいいですか?」 が口グセな、どっかの女性社員に、爪の垢でも煎じて飲ませてやりたいくらいだ
金沢の実家の笑才は、こうして年長者が自ら手本となることで
歌舞伎の伝統のごとく脈々と受け継がれていく・・・
世代・性別を問わず、みんなこの道の天才ばかり
全く、梁山泊みたいな実家である
(へ?俺の方が変わってるって? いやいや金沢の皆さんに比べたら俺なんか足元にも及びませんよ、はっはっは)
帰宅後、子供二人で縁側で頭突き合わせて何をしてるのか?と思えば
お土産に買った 「恐竜化石発掘キット」 で化石掘り
ホント、飽きないねぇ・・・
(②へつづく)