カールーン川と鉄道の旅。 | 特派員ママ @イラン

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イランで、2人の子育てをするママのブログ。



朝から張り切って更新します!
でもって、夜も更新しますね^^


きょうからは、元日にも少し触れた、旅の話題です。



昨月イランの祝日が重なった際、
夏は50度を超して観光に適さないと聞いていた、
イラン南西部の都市アフワーズに行ってきました!!


冬なのに、薄手の長袖一枚に下着でちょうどいい暖かさ。
とても過ごしやすい気候でした。




アフワーズの象徴、カールーン川。

いくつも橋がかかっていて、旅の最中は何度か川を渡りました。

イスファハンのザーヤンデ川は枯れ切っていたし、
            (→「イスファハンの人は、怒ってます。」ご参照ください)
シーラーズのホシュク川は、名前からして「涸れ川」でした。
        (→「ペルセポリス近くの、2つの「ナグシェ」。」の最後にちらと書きました)


カールーン川も以前に比べ、大幅に水量が減ったそうですが、
それでも、乾いたイランの地では、水を見るとホッとします。






上写真と反対側を、夜に撮影。
三日月がくっきり見えていました。

橋のライトアップは素敵ですが、アーチ状の電飾が途中で消えているのがイランです。





奥の橋も、素敵です。






歩道は整備や掃除が行き届いていて、夜にはカップルなどが憩っていました。



ちなみにアフワーズは、
石油開発地帯が近いため、非常に空気が悪いです。
世界でも指折りの、大気汚染都市です。

川沿いはまだマシなようですが、
旅の最中、タクシーの運転手さんに「窓を閉めてもらえますか」と何度言ったことか。

テヘランに戻ってきた際に、いつもは汚い空気だと思って呼吸しているはずなのに、
ものすごく澄んだ空気に感じました。






さて。

アフワーズのご紹介もおいおいたっぷりするとして、
まずは、ペルシャ湾に向かって鉄道で南下した先の
都市からご紹介することとします^^



子どもたちのことを考えて鉄道移動にしたわけですが、
イランで鉄道には初めて乗るため、親がワクワク(笑)




前日に駅で状況を聞くと、
「明日の朝7時半以降にテヘランから来るけど何時になるかはわからない、
それを逃すと夜の列車しかない」
としかわからず、

タクシーの運転手さんが「早めに、朝7時とかに行ったほうがいい」というので
急いで朝ごはんをかき込んで向かったのですが。

駅で前日と同じ担当女性が、
「午前9時にマシュハドから来て、次は午前11時半にも来る」とのこと。

午前9時!
しかも、夜しかないんじゃなかったのー!

日本の感覚からは超異常ですが、
まあ、こんなもんですかね、世界では。。



鉄道は、真ん中あたりからの写真で、これ。
めちゃ長いです。
20分ほど停車していて、切符は中で買います。

目的地ホラムシャハルまでは、2時間ほどでしたが。
一人8万リアル(約267円)でした。





照明と番号札にある電車をモチーフにしたマークは、鉄道会社のロゴです。







コンパートメントタイプ、2階建ての寝台車で、各部屋に布団が配されていました。
靴は脱ぎませんが、下に絨毯が敷いてあるのがイランっぽいです^^






空調用つまみ(↓右)は一応あるものの、
空調設備は、到着時はボウボウと音を立てて暖気を吐いていて、
走り出したら冷房に勝手に切り替わっていました。

左(↑)のものは、お祈りの音楽が流れた際に音量を調整できるもののようですが。
乗車中にアザーンが流れる状況には遭遇しませんでした。


街を抜けると、スピードがアップしていきます。
まあまあ、揺れます。




テヘラン周辺にいると乾いた土や山ばかり目にするので、
この旅行中にたくさん緑を見て、ものすごく新鮮でした。






遠目に、石油開発のために燃えている火が見えます。





ところどころ水たまりがあるな、鳥が集まっているな、と思っていたら。



干潟が!!
でもって奥には、湾が見える!!






ペルシャ湾です。

ぎりぎりのところ(写真で写っているのすぐ手前がもう、線路です)を走り、
また湾は陸地と大して段差がなく、
干満や雨量増加で線路がやられるのでは!?と心配になっちゃいました。

まあ、今は雨がわりと多い季節なので、今大丈夫なら大丈夫なのかな(^^;





中洲になぜか、テント状のものが。
漁業のためのものでしょうか!?







鳥たちの白が、ものすごく湖面に映えていました。






湾をすぎると、ホラムシャハルの街に入りました。

イラクとの国境に近いこの街は、
1980年から8年続いたイラン・イラク戦争の激戦地。
2年間、イラク軍の占領下にあったこともあります。






今回は、アフワーズでもこのホラムシャハルでも、
そういった戦争の爪痕を多く見学し、その意味でとても興味深い旅でした。

世界遺産も見に行きましたが、
どうしても写真でよく見ていた光景を確認しに行く、という感が拭えず、
心に刻まれるものが少ない気がしてしまいます(- -)





それはさておき、
到着した駅にあったこの電車、廃車になっている様子はなかったので、
普通に使われているのでしょうか。

レトロすぎる!!





ホラムシャハルの街では、船のモニュメントを何度も見かけました。






そう、ここには、川岸に船がいっぱい!!!

イランに来て初めてこういう光景を目の前にし、自然と心が踊りました^^






ここは、最初にもご紹介したカールーン川です!
アフワーズからつながっています。

同じようなアーチ状の橋がかかっていました。

この後、ペルシャ湾へとつながっています。





橋桁は、カラフルで修復中。






実はこの橋、イラン・イラク戦争の際に破壊され、作り直されています。

これは、戦争博物館(後日ご紹介します)にあった当時の写真です。

この街では、戦争という暗い出来事を忘れ去って新しい街を築こう、というのではなく、
痛みを忘れないでいよう、という雰囲気を至る所で感じました。



でもって今晩は、
戦争から復興途上にあるホラムシャハルの中でも、
特に傷跡が生々しく残るモスクをご紹介します!