月替わりですので、気持ちも新たに、軽~い気持ちで書いてまいります(笑)
先週末に決算発表も終わりましたし、それに先立って、業績予想の修正もリリースしておりますが、今回は業績予想にまつわるお話をひとつ。
以前、ある投資家さんとワン・オン・ワン ミーティングをしたときのことです。
今回の決算に関して、業績の説明をひと通りお願いします、ということでしたので、売上高の数字と前期比・計画比の数字、およびそれらの背景の説明を始めました。
そのときも当社の売上がどうしてそうなったのか、けっこう説明しづらい時期でして、売上の先行指標になるような項目を織り交ぜながら説明を試みました。
そしたら、そのファンド・マネジャーさん、「いや、そんなこと(=売上の先行指標)は聞いていません!」って、半分怒り出しちゃって・・・。
そりゃ確かに、淡々と事実だけで説明することは可能ですが、業況の背景も何も、全く無視して数字とその理由だけで説明するような、紋切り型の受験答案のような回答も可能ですけど、あんまり味気ないじゃないですか。
まぁ、いらん!と怒っている人に無理に押し付けてもナニですから、その場は説明し直しまして、ひとしきり説明終わった後で、ファンド・マネジャーさんに聞いてみました。
ir-man:「ああいう先行指標的なものは判断材料にされないのですか?」
F/M:「参考にしないわけではないですが、売上や利益にどういう影響があるのかが重要なのです。」
ir-man:「いや、ですから、あの指標が増えれば××の傾向になりますし、指標が悪化すれば××の傾向になると予想しているのですが。」
F/M:「会社さんから、そのような予想を加味していただかなくても結構です。」
こりゃ、あかんわ・・・と思い、引き下がりましたが・・・。
会社の実感として、とある指標に着目して、それを頼りに経営を進めるってのは、至極当然な気がするんですけどね。
今じゃ、セグメント情報のマネジメント・アプローチの考え方や、有価証券報告書のMD&A(財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況)だって、投資家に経営陣の考え方でもって説明しようということを意図しているわけですし。
そりゃ、会社がこの先業績が良くなる(悪くなる)々々、と喧伝しすぎるのもいかがかと思いますが、IR活動なんて(というのも何ですが)、そんなもんでしょ?
この先業績拡大が見込めるときは、説明会開いたり、日経IRフェアや各種イベントに出たり、という会社さんは多いですが、この先悪くなりますよ、と言って回る会社はあまりいないですよね。
ですが、本質的には、IRというのは投資家・株主の方々とのコミュニケーションですし、会社が業績見通しを発表している以上、その背景について知る必要性というのは、どの投資家さんにもあると思うんです。
しかし、みんながみんな積極的に会社に電話したりメールしたりするわけではありませんから、この先の業績が良くなろうが悪くなろうが、同じように、会社としては「これこれこういう理由で良くなる(悪くなる)と考えています」と説明する義務があると考えます。
ちょうど、天気予報みたいですね。
気象予報士やお天気お姉さん(アナウンサー)の方たちは、天気が悪くなるでしょうと放送したからって、何か悪いことをしているわけではありませんよね。
災害に合わないようにとか、いろいろ注意喚起したり、洗濯日和ですね、とか風邪ひかないように一枚羽織っていけとか、おまけは言いますが。
IRも結構似ていると思うんですけどね、天気予報と。
そりゃ、同じ会社の人間ですから、業績が良くなったときはまだしも、業績悪くなったときはIR担当者も憎まれますけど(笑)、別にIR担当者が業績の足を引っ張ったわけじゃないので、淡々と説明するしかないですし、会社の予想としてこの先まだまだ業績がよくなるぞと予想しているのであれば、業績予想の修正を要するレベルに達しない範囲で、基調の強さについて説明する必要があると思います。
業績が悪くなる見通しであれば、天気予報のように、客観的事実に基づいて将来予測される状況を予想して説明することが責務でしょう。
ですから、ファンド・マネジャーさんやアナリストさんは、会社の言うことに耳を傾けてほしいし、個人投資家の方にも正確に理解していただきたいと思います。
決してフィ○コの決算チェックみたいな、○とか×だけの第三者評価をうのみにせずに、自分でソースにあたっていただきたいものです。
いかんせん、天気予報と違うのは、天気予報はほぼ全国版で誰でも見ますが、IR情報というのは、株主・投資家さんやファンド・マネジャー/アナリストさんの全員が見るわけではない(利害関係があるにも関わらず、見ない人も結構いる)ということです。
まぁ、見ないのは自己責任とも言えますが・・・。
ただ、前述のファンド・マネジャーさんのように、会社の予想をしゃべることまかりならん!と言われてしまうと、IRしている意味がほとんどなくなってしまうように思います。
事実や過去実績だけなら、決算短信や決算説明会資料、補足説明資料の類を見ればトレースできるでしょう。
過去実績からどういう将来を予想するかは、ファンド・マネジャーさんやアナリストさんの仕事ですが、会社の考えを聞きたくないなら無視すればよいと思います。
ですが、社内・社外に情報の非対称性があって、それを埋めるためにディスクロージャー制度があったり、IRすべき意義があるわけですから、その情報の非対称性を埋めようという会社の努力は認めていただきたいものです。
天気予報だって、「台風が紀伊半島を過ぎて、○時現在、東海地方沖××キロに来ていました。以上。」と事実関係だけで終わってしまったら、「おいおい、この先、どのくらいのスピードでどっちに進んでいくんだよ!?」と突っ込みたくなるでしょ(笑)
IR天気予報論、いいと思うんだけどなぁ。
みなさんはどう思われます?
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