株券電子化に関するアンケート | IR担当者のつぶやき

IR担当者のつぶやき

上場企業に勤務する公認会計士の、IR担当者として、また、一個人投資家としての私的な「つぶやき」です。

ときどきIR担当者的株式投資の視点も。

8/26付で東証から「株券電子化に関するアンケート」の結果が公表されています。


■株券電子化に関するアンケート調査結果

 http://www.tse.or.jp/news/200808/080826_d.html


A4で3枚ほどの分量ですから、株式ご担当者ないし関係部署の方は目を通されることをお勧めします(といっても、すでに回答していると思いますが・・・)。


アンケートは、外国会社を除く東証上場企業2,382社に対して行われていますが、回答企業数は1,347社(回答率56.5%)にとどまります。

回答していない会社は、担当者が多忙で期限までに回答できなかったか、それとも、何を聞かれているかわからないほど、業務の引継ぎが実質的に行われないまま、現在の業務に就かされているのか・・・。


いずれにしても、早急な対応が必要かと思われます。


それでは、簡単に内容をご紹介しましょう。


(1) 証券保管振替機構(ほふり)に預託していない株券があるか

① ある: 473社(35.1%)

② その場合の対応策は

 9月末までにほふりに預託する: 181社(38.3%)

 株券電子化までに預託する: 180社(38.1%)

 ほふりに預託しないで特別口座に移行する: 148社(31.3%)


※電子化移行直前は、預託の集中や法令による制限で預託ができない期間があるとのことで、早めに取引先の証券会社に預託時期を相談するようにと、注意書きが付されています。


③ 特別口座に移行予定のうち、自社名義になっているか

 すべて自社名義: 141社(95.3%)

 自社名義でないものがある: 7社(4.7%)

④ 自社名義でないものについての対応は?

 9月末までに自社名義に書換予定: 1社

 株券電子化までに自社名義に書換予定: 6社



(2) 担保株券について

① 自社が担保権者として保有する担保株券で、ほふりに預託していないものがあるか

 ある: 383社(28.4%)

② その場合の対応策

 9月末までにほふりに預託予定: 145社(37.9%)

 株券電子化までに預託予定: 167社(43.6%)

 9月末をメドに担保権設定者と調整中: 27社(7.0%)

 株券電子化までをメドに担保権設定者と調整中: 37社(9.7%)



(3) 株主への周知徹底について

① 周知徹底に努めているか

 すでに努めている: 842社(62.5%)

 今後周知徹底に努める予定: 153社(11.4%)

 検討する: 222社(16.5%)

 予定なし: 123社(9.1%)

② 具体的な取組み

 所在不明株主の調査: 検討したいが最も多く、288社・68.4% すでに実施中という会社も81社あります。

 ほふりに預託していない株主に対して預託を呼びかける通知・連絡: 実施中が最も多く、628社・65.1% 検討したいも221社・22.9%あります。

 ほふりへの預託を自社HPに掲載: 検討したいが456社・77.7% 実施中はまだ42社・7.2%に過ぎません。


これまでほうっておいた株主さんが、HP見て預託してくれるとも思えませんが・・・。TVのCMだってがんがんやってましたしねぇ。


具体的な取組みに関しての自由記述には、こんな回答が・・・。


・株券電子化のリーフレットを全株主宛の通知に同封

 あ、これはうちでもやってます。2007年3月期あたりからやってますから、2008年3月期までに3回も、信託銀行さんから同封しているはずです。

 ただ、どの会社からも同じリーフレットが送られてくるので、もらう方としては、かなりマヒしているのも事実かな、と。


・株券で所有していたり、単元未満株主に絞って、個別に通知を出したりする

・自社の社員、OB、持株会に対して、案内文書を配布・個別連絡


 この前、気になって、株主名簿をざっと洗ってみました。

 そしたら、でるわ、でるわ・・・あせる

 当社の社員でも、わざわざ株券を引き出して自分で所有していたりする人もいるんですね~(もの好きというか・・・)。

 株主名簿上、ほふりに預託している方は実質株主の欄に記載されていますので、そうではない(一般株主欄)方を抽出してみると、おいおい~汗 というような方がぞーろぞろ。


例えば、優待権利取りのために、自分と配偶者の2名義に分けている(住所は同じ)というくらいなら、かわいいもんです。

これの発展形は、自分の現住所と自分の実家配偶者の現住所と配偶者の実家、と4名義に増えます。

さらに発展させると、その4ヶ所に、それぞれ自分の家族(お子さん?)がぶら下がっているパターンがあります。


もっとひどいのになると、住所から推測すると、田舎の自分の実家だと思われますが、そこに住んでいるであろう祖父・祖母系、例えば、「○○ クマ」さんなんていうお名前、ありますでしょ。

一族郎党、全員株主~みたいな。


笑っちゃうのは、クマに飽き足らず、イヌとかネコとかトリとか、パンダとかはてなマーク


おいっ!! 


それって借名口座やんかーっ!?


おそらく、金融商品取引法で本人確認がうるさくなる前に、口座を開設したものか・・・。


しかし、いくら緩いといっても、ネット証券などは以前から本人確認で書類不備で差し戻しなんてのはしょっちゅうあるのは聞いてましたし、対面証券になればなおさらだと思うんですが。


あんまりひどいんで、株式担当と


「どうしよう・・・これ。パンダはないよなぁ・・・。」


「あったまくるから、ほっとこうかぁはてなマーク


などと相談しました(笑)


でもねぇ。お灸と思って、ほっといても、おそらくそのまま特別口座に移行してしまって、結局ウチがコストかぶることになるんだろうなぁ。


やめてほしいなぁ、このふざけた口座名・・・。


だいたい、すでに金商法で本人確認がうるさくなっているので、配当金を受け取りに郵便局に行っても、本人確認書類の提示を求められますからねぇ。

たぶん、配当も受け取れずに、未払配当金でたまっていったあげくに、何年かしたら権利が失効して当社の雑収入になるのかもしれませんが、それまでの信託銀行の管理コストのほうでアシが出そう・・・。



変に借名口座で、権利取り用の名義を増やしてしまった方~、


結局、申し出られなくて特別口座に移行してしまうくらいなら、せめていったん売却してその名義をクリアにしてから、実名のどなたかの名義で再度、権利取りしてくださいねビックリマーク


よろしくお願いしまーす。



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