昨日の夕刊(8/28)と今日の朝刊(8/29)、ともに日経新聞に、ついにアメリカが国際会計基準の採用へ踏み切る方向だという記事が出ていました。
これによれば、米国の証券取引委員会(SEC)は、米国に上場する外国企業だけでなく米国企業にも国際会計基準の採用を容認する案を提示したということです。日経新聞では、「米国の方針転換で国際基準を採用していない主要国は日本だけになる。世界で孤立するのを避けるために、日本は早急な対応を迫られる。」と、割とあおり気味の書き方をしています。
SECの計画案では、時価総額に応じて、2014年に大企業の一部が採用、2015年に中規模の会社、2016年には中小企業も含めた導入完了、というスケジュールのようです。採用を義務づけるかどうかについては、2011年に最終判断するとのこと。
国際会計基準は、2005年にEUが統一的に採用、その後、中国などの新興国のほか、カナダ、オーストラリアなども採用し、現在では採用国は100を超えているといわれ、独自の基準にこだわってきた米国はこの劣勢をくつがえすことをあきらめたようです。
しかし、米国内には、産業界からは会計基準変更による負担増を嫌う意見や、会計士業界からは準備に十分な時間が必要との意見もあり、今後一般からの意見も募るとされています。
なんだか、米国の凋落を暗示させることが多いですね。
基軸通貨としてのドルへの信認の低下もそうですし、米国で資金調達する外国企業の数が低迷しているともいいます。
また、IPOについても、これは日本についてもいえることですが、先ごろ東証でも発表になったロンドンAIM市場への上場への道など、会計や証券市場まわりのことについては、まだまだ勉強していかないといけないことがたくさんありそうだなぁと思いました。
これも、先ごろの発表ですが、日本でも国際会計基準とのコンバージェンスについて、単体決算については会社法や税法との調整の問題が残っているため、日本としては連結先行で会計基準の導入を進めていく方針だということです。
欧州でも単体は自国の会計基準、連結は国際会計基準でやっているともいいますが、連結決算にあたってどれだけ調整仕訳を入れないといけないんでしょうね・・・。しかも、個々の勘定の年々の変化をずっと追いかけて持っていないといけないだろうし。
単に、連結修正仕訳にまとめておけばよいという問題でもなさそうな気がします。
ひるがえって、自分もその1人ですが、日本の会計士は何をなすべきか・・・。
(これは自分にとっての課題でもあります)
・国際会計基準の体系を俯瞰する
・個々の会計基準をマスターする
それからこれが一番の難題ですが・・・
・英語で会計基準が読めるようになる
やっぱり、法律とか会計基準などの「規定もの」は、本を読んでいるだけではダメで、自分で条文にあたる必要があります。
国際会計基準が英語で書かれているなら、やっぱり英語の条文を自分で読んでみて、どんなKey Wordがあるのか当たりをつけないとなぁ・・・と思います。
その先の、英単語のKey Wordのニュアンスとなると・・・、本当に理解できるかどうか、心もとないですが。
いずれにしても、私も含めてずいぶん前に合格した会計士(上の世代の人はもっとかもしれません)は、これまでに学んだ企業会計原則や連続意見書、商法改正の積み重ねと個々の会計基準など、別個に次から次へと公表される会計基準の体系のほかに、国際会計基準を学んでいくのはけっこう骨の折れる仕事です。
まぁ、一度、会計の”ものの考え方”が身についていれば、まったく理解できません、ということはないと思ってはいるのですが・・・。
まずは、日本語で書かれた国際会計基準の解説書で、良書を探すところから始めますか。
今後、息の長いテーマになりそうです。
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