5/25(日) 日経新聞4面に、いつもの人材募集広告が載っています。
ふと、目がとまったのが、右上にある「SONY ①IRマネジャー ②財務スタッフ 募集」の広告。
へぇ~、SONYでもこんな時期にIRの募集出すんだ。。。
どれどれ、SONYの求めるIR担当者の資質は、どの程度なんだろう・・・。
■職種内容: 国内・海外機関投資家/アナリスト向けIR、法定開示書類作成
■必須経験: IR、財務、経理、経営企画、広報などの実務経験者。TOEIC850点以上。財務/会計の基本知識
■勤務地: 本社(東京都港区港南1-7-1)
ってな感じになってました。
もちろん、これだけの募集広告では、SONYとしても求める内容をすべて語りきれないし、応募する方も自分の知識・経験が十分活かされるかどうかわかりません。
結局は、会って面談で、双方の希望をぶつけ合わないといけないのでしょう。
■SONY IR情報
http://www.sony.co.jp/SonyInfo/IR/
さて、IR-manとしては、別にSONYに行きたいわけではありませんが、自分の実力チェックの意味で、SONYの基準に当てはめて考えてみましょう。
■国内・海外機関投資家/アナリスト向けIR
要するに、機関投資家・アナリスト対応をしろ、ってことですよね。
これならOK。いちお、5年以上も経験ありますし・・・。
問題は、SONYクラスになると、年間、何回くらいOne on Oneミーティングがあるのかってことですね・・・。
以前、IR協議会の優秀企業の方のお話を聞きましたが、平気で年間営業日以上の回数こなしてますからね。
つまり、営業日でならしても、1日1回以上、おそらく自分が出席できないときは、IRチームの他の人が対応することになると思われます。
ということは、自分だけでなく、IRチームのスピーカー役の人の平均レベルを引き上げておかないといけないし、話の具合で思わぬ方向にいった時、しゃべっちゃいけないこと・しゃべっていいことの線引きを常にしっかりしておかないといけない。
私の場合は、スピーカー役としては当面私一人を想定すればよいので(^^; 気が楽ですが。
そうでない場合は、社長とのIRになりますから、私がノート取り&補足データをさっと出す役になります。
やっぱり、一通り、自分でしゃべらないといけないとなると、結構勇気がいるものです。
そういう立場になってしまうと、案外、肝が据わるのも事実ですが・・・。
ただ、なかなかスピーカー役を育成するのは大変です。
機関投資家、アナリストの方は、貴重な時間をわざわざ当社に割いてくださったわけですから、こちらの拙い話し方で時間をムダにしたくないと思うでしょうし、当社のIRのレベルがこんなものか、と思われるのも業腹・・・。
なので、なかなか実戦でやらせてみる、というのは難しいということになります。
私も、慣れるまで、どんな弱小証券会社のアナリストさんであっても、社長に出張ってもらってましたね。。。
でも、いつしか、社長も、「対応しておいて~」という感じになってきましたし(その頃、業績悪くって、あんまり表に出たくないっていう気もあったかもしれません)。
それまでは、面談記録とりながら、社長とファンド・マネジャーさんやアナリストさんの顔つきを見比べながら、真剣勝負のやりとりを見ていました。
見る、ただ、見る。
聞く、ひたすら聞く。
会社全体に話が及ぶだけに、断片的な補足データのお助けは随時しますが、全社的な話ができるようになるのに2年くらいはかかったかなぁ。
■法定開示書類作成
これもOK~といいたいところですが、SONYって米国会計基準ですよね
あちゃー、じゃダメ~。
勉強すれば対応できる自信はあるけれど、即、対応できるかっていわれると、いまだかつてやったことないしぃ~(笑)。
SECへのファイリングとか、話には聞くけど、どういう法制になっていて、実務のオペレーションレベルでどうやるのか、さっぱり。
米国会計基準の会社で、SECとのやりとりしてた等というのは、そう考えると、相当なスキル・ノウハウと言えるのではないでしょうか。
■SONY 第4四半期業績
http://www.sony.co.jp/SonyInfo/IR/financial/fr/07q4_sony.pdf
SONYの決算短信見てみましたが、日本のフォーマットも一部使っていますが、ほとんどいきなりセグメント業績の概況から入って、キャッシュフローみて、4Qのみを説明し、利益配分方針を説明して、来期の業績予想になっていく。
非常に、アナリストライクな「業績発表資料」だなぁと思いました。
このあたりの考え方は、姫苺さんがいろいろ悩まれて工夫されていた結果と同様に感じました。
ぜひ、姫苺さんのブログをご覧ください。
■TOEIC850点以上
米国会計基準対応とかということもあってのTOEICかな・・・。
当然、ハワード・ストリンガーさんとコミュニケーションとる必要もあるでしょうし。
英語ねぇ。
あー、気が重っ
もう遅いとも思いませんが、外国人機関投資家とミーティングするときには、中途半端な自分の英語で伝えるより、プロの通訳者が証券会社のアレンジでつきますから、そちらを利用します。
そのほうが、正確に伝えられますしね。
もちろん、プロの通訳者の方もレベルはそれぞれですから、当社なりの専門用語がすぐにわかるような資料はお渡ししたり、その場でこれを見てくださいと提示したりします。
それ以外で言うと、SONYクラスになると、外国人機関投資家やアナリストから、ポンポン電話がかかってきたり、メールがとんできたりするのかな。
それらに、いちいち自分で対応できないのは、確かに困るでしょうね。
自分でも、じれったく思うと思います。
とすると、SONYのような国際企業のIR担当者としては、英語ができることが、やっぱり当然のスキルとして要求されるということになるんでしょうね。
っていうか、IRだけじゃなくて、製造や営業や企画や、研究部門だって、国際的に活動しているんだから、当たり前といえば当たり前か。
■必須経験: IR、財務、経理、経営企画、広報などの実務経験者
私の場合は、ベースになる資格がありますので、財務部や経理部に所属して下積み時代を過ごしたわけではありませんが、まぁ、話は聞きゃわかるかな・・・と。
IRは今やってるでしょ。
経営企画は、まぁそんな意識で提案することもありますし。
確かに、むかーし昔、公開準備作業をやっているときに、大っぴらに「公開準備室」でござい、って言えなかったので、「経営企画室」って名前でしたけど。
って、名前だけじゃダメでしょうね(笑)
広報ねぇ。
広報専業じゃありませんが、全社広報的なスタンスから口を出すことも、あるといえばあるかな・・・。
いずれにせよ、幅広い経験と感覚が求められる、ということですね。
■財務/会計の基本知識
はい、はい。これは自信あります~ (^^)/
こういう「基本知識」っていうのも、会社によってどこまで期待しているかが微妙に異なりますけど・・・。
具体的には、日商簿記3級レベルなのか、2級レベルなのか、はたまた1級レベルなのか。
そりゃ、会社にとって、税理士の簿財合格していたり、会計士の短答式試験などに合格していれば、文句のつけようもないと思います。
実際には、毎年のように、新しい会計基準が公表されていますが、実務をやっていると、当面、当社には関係ないなぁという基準もありますし、関係しそうだなと思う新しい事象が会社に生じつつあるときに調べていっても、十分に間に合います。
監査法人で働いたりすると、その会計基準の存在すらまったく知らないと、もしかしたら恥をかく場面もあるかもしれませんが、それにしても、年に数個ですから、毎年勉強してフォローしていっても十分でしょう。
だいたい、人材募集の広告なんて、100%掲載した要件に合致する人がいたら、超ラッキー ぐらいに会社は考えている、と思って、自分はここが至らないけど、これには自信がありますっという部分をアピールするくらいでよいのでは と私は思っています。
といいつつ、転職スキルは皆無ですがね~(^^;
その辺の転職経験豊富な皆さんのことを想像すると、私なんざまだまだ・・・とおこがましくなりますm(_ _)m
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