学研(9470)を買い上がる旧・村上ファンド | IR担当者のつぶやき

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上場企業に勤務する公認会計士の、IR担当者として、また、一個人投資家としての私的な「つぶやき」です。

ときどきIR担当者的株式投資の視点も。

大量保有報告書のメール配信を見ていましたら、学習研究社(9470・東1)に大量保有報告書が出ていました。


エフィッシモキャピタルマネージメントピーティーイーエルティーディー: 15.57%(+1.47%)


エフィッシモCMは、旧・村上ファンドのメンバーが立ち上げたファンドだと言われています。

これまでかなりのハイペースで買い進んでいます。


7/5   7,094,000株 6.70%( -%)
7/26 10,604,000株 10.01%( 6.70%) +3,510,000株
8/1  14,113,000株 13.32%(10.01%) +3,509,000
8/27 14,944,000株 14.10%(13.32%) + 831,000
8/30 16,498,000株 15.57%(14.10%) +1,554,000


8/2に「学研創業者が設立した財団法人古岡奨学会の13.1%を抜いた。投資一任契約に基づく顧客資産運用のための『純投資』が目的としている。」などと、QUICKでは紹介されており、この時点で筆頭株主に躍り出ています。


会社四季報によれば、浮動株は18.0%となっていますから、15%あまりも買い進むと需給は相当タイトになっているはずではないかと想像されます。


学研の遠藤社長は当時のインタビューで、「提案などがあれば耳を傾けるが、アプローチはない」と語っているようです。



また、同社は、20%以上の保有を目指す株主を大規模買付者とし、事前説明などを求める買収防衛策を導入済みです。

しかし、遠藤社長は、「20%を買う意思が示されなければ、すべきことはない」とも。

学研は、来年の本社移転を前に、現本社ビル計3棟の売却を決めており、合計92億9,000万円の売却収入があったとされます。

新本社ビルに90億円予定しているらしいのですが、キャッシュが積みあがっている状態ではある、ということですよね。


まさか、一手に経営権を取得し、本社ビル取得はやめさせて浮いたキャッシュを株主還元に廻せ、とか言い出さなければよいのですが・・・。


EDINETで確認してみると(EDINETコード:251019)、


2007年3月期の利益剰余金は43億57百万円、純資産は425億87百万円、純資産比率52.6%。

すぐに配当可能な剰余金が巨額というほどではありませんが、資本金と資本剰余金がありますから、資本剰余金約175億円をいったん取崩して、という手もあるかと思います。


利益の低迷により、ROE(株主資本利益率)は1.8%、ROA(総資産利益率)は0.9%にとどまります(会社四季報ベース)。


投資有価証券で取引先とおぼしき凸版印刷、日本製紙、王子製紙、大日本印刷、トーハンなどがズラリと並んでいますから、持ち合いだとしても換金価値はありますね。


何が狙いなのか、エフィッシモがこの先も買い増しを続けるのかどうか、注目ですね。


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