来週は、機関投資家訪問の予定。
その中に、10%近く保有している大口の機関投資家さんも入ってます。
いわば、大株主へのIR。
この時期の話題といえば・・・・。
当然、3月末までの決算動向なんて、まだ決算締まっていないのでわかりゃしません(^^;
もちろん、3月の月次速報ベースの概算値は社内でゲットしてますが、決算整理でちょいと費用が多くなれば、利益額は結構変わってしまうので、教えるつもりなんてさらさらなし。
かえって「ぬか喜び」させることにもなりかねないし、情報開示の公平性(フェア・ディスクロージャー)もあるし。
かといって、60~90分間も、お茶飲んで世間話して終わりってわけにはいかない。
機関投資家さんも心得たもので、具体的な決算数字は決して聞いたりしません。
最近のトレンドとして、どの商品・サービスがよくて、どの商品・サービスが悪いのか、その理由は何か、どのくらい良い/悪い状況が続くと、会社側は考えているか、その理由は何か・・・。
細かい数字を聞かれない分、トレンドとその要因を根掘り葉掘り聞かれるので、かえって厳しいのです。
数字だけなら、会社の全業務に精通しているわけではないIR担当者としても、こういう数字の傾向です、と言っておけばいいのですが、トレンドとその理由となると、聞かれそうな各事業部門についてはあらかじめ予習しておかないと。
それから、必ず聞かれるのは、来期の戦略プロット(あ、もう今期か・・・)。
今期の戦略が、どのような点から組み立っているのか、その戦略の背景は、ライバルの状況は、当社のリソースは、販売戦略は、・・・・などなど、社内で企画を通すときよりも、厳しい質問が飛んできそう・・・。
社内だと、全部説明しなくても、分かり切ったことで説明省略、という部分も、社外の大株主ではそうはいかないので。
それから、今後の経営リスクについても聞かれるだろうなぁ。
そこそこのファンド・マネジャーさんだと、必ず聞きますので、別に珍しくもないし、毎回、有価証券報告書や決算短信等に記載しているようにしてますけれど。
そうは言っても、3ヶ月ごとの認識よりも、せっかく顔を合わせたその時点における経営リスクをどう考えているか?というのは、投資先に対する重要な投資判断を形成するに決まってます。
「顔色」ってのもありますしね。
今のところ、戦略上の柱と経営リスクの数を比較してみると・・・、 戦略上の柱のほうが少ないじゃん!!
でも、確かウォーレン・バフェットさんが言ってましたよね。
良い話よりも、悪い話を真っ先に聞かせてくれる経営者こそ、信頼に値するというようなことを。
そんなわけで、渋る社長の背中を押してしゃべらせるのも、IR担当者の仕事かなぁと思っています。
社長も人間だから、嫌なことはしゃべりたくないだろうし・・・。
でも、機関投資家が社長を信頼できないってことは、投資対象として見ることはできないということを意味しますから。
機関投資家は売るときはいくら損しようが、売ってきますからね。
それは既に、過去に経験済み(爆)
個人の感覚だと、売ったら損するのに・・・、と思っても、彼らの感覚はそうじゃない。
今ここで売らなければ、より多くの実現損になってしまう可能性がある、それをこれだけの実現損にとどめることは、委託者から預った運用資産をより多く守ることになる、って論理ですからね。
なので、経営リスクをきちんと説明して、それに対する当社のスタンスや対処法を説明する、ということは、絶対に逃げられない機関投資家訪問上の責務なんです。
そのリスクに対する対処法の有無は、これはIR担当者の責務ではなくて、社長以下、経営陣の責務です。
対処法を考えていて当たり前、対処法がなければ無能な経営陣、てことです。
大口の機関投資家さんへ説明に参上する、というのは、いつもドキドキします。