コマツにインサイダー課徴金4,378万円 | IR担当者のつぶやき

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上場企業に勤務する公認会計士の、IR担当者として、また、一個人投資家としての私的な「つぶやき」です。

ときどきIR担当者的株式投資の視点も。

3/9付でコマツより「証券取引等監視委員会による課徴金納付命令勧告について」という開示がでています。http://www.komatsu.co.jp/CompanyInfo/press/2007030917442412005.html

同委員会から、コマツに対し証券取引法違反の事実が認められたとして、内閣総理大臣および金融庁長官に対し、金融庁設置法第20条第1項の規定に基づき、課徴金納付命令を発出するよう勧告を行ったとの発表がありました。
課徴金の額は4,378万円。


コマツの自社株買いは2005年7/4~19日まで。

その発表は6/24になってます。

http://www.komatsu.co.jp/CompanyInfo/press/2005062411552326251.html

自社株買付期間中の7/13にオランダ子会社の解散を発表。http://www.komatsu.co.jp/CompanyInfo/press/2005071317195325926.html

自社株買いを担当する執行役員は6月下旬に解散の事実を把握していたが、自社株買いをそのまま続けていたという。
同委員会は、「検査の結果、故意性は認定できなかった」としており、コマツ側も「休眠会社でもあり重要事実に該当しないと思い込んでいた」としている模様。
コマツのリリースにもありますが、子会社の解散には軽微基準がなく、”判断の余地なし、一発でアウト”となったものです。

3/10付日経新聞では、自社株の買い付けに使った口座が会社名義だったこと、および自社株買い担当の執行役員が子会社解散も担当している役員だったため、企業に課徴金支払いの責任があると判断したとみられる、としています。

コマツの執行役員さんにはお気の毒ですが、自分が両方関わっていたら、ちとアウトでしょうねぇ。
しかし、実務上、自社株買いを証券会社に委託していた場合であっても、事前に証券会社に両方の事実がインサイダーに該当するか、なんて問い合わせられないですし。難しいところです。

普通、この手の事項でその担当役員より詳しい人なんて社内にいないでしょ、どの会社だって。
内部統制の構築ができていないなどとコマツを責めるブログ等が多いですが、それは酷というものです。

むしろ、監視委に世の中の企業の担当者よ、気をつけなさい!という見せしめというか、メッセージとしてやられたと私は考えています。


ガンバレ~、コマツ。

3/5に日経PRISMで「優れた会社2006」で首位になってるし。

http://trendy.nikkei.co.jp/news/index.aspx?i=20070305ax022t1&ichiran=True

せめて穏当な社内処分をしてあげてください。営業系なら5,000万円の損くらい、よくあるでしょ?

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(参照) コマツがインサイダー取引容疑!?

http://ameblo.jp/ir-man/entry-10026909336.html