向田邦子さんの『父の詫び状』、読了しました。



何歳くらいだったかは定かで無いのですが、学生時代、向田邦子さんの作品が大好きで貪り読んでいた時期がありました。








久しぶりに読んだ向田邦子さんのエッセイは、やはり抜群に面白く、文章表現が素敵でした。

中学受験や高校受験する子どもが比喩表現を学ぶ宝庫のようなエッセイでもあります。


「父の詫び状」は、明治男子であったお父様とのエピソードの他、戦前・戦後の向田家の日常が描かれています。


よく、「昔は丁寧に、モノを大事に生活していた」と聞きますが、例えば湯たんぽを使った翌朝の風景。

ぬるま湯になったお湯で朝、洗顔をした様子が描かれています。

我が家にも湯たんぽがありますので、冬の寒い日に気が向くと使ったりしているのですが、翌朝、お湯は流しに何の疑問もなくザーと流していました。



湯たんぽは一つの例ですが、大量生産・大量消費に感覚が麻痺している私には、"丁寧に暮らすとは"ということを考えるきっかけとなるエッセイでもありました。


富士山2024年 44冊目

夏休みが始まりましたね。

早いもので、上娘、小学校最後の夏休みですびっくり


夏休み初日の午前中に娘たちそれぞれ学校の宿題のワーク類を終わらせ、後は自由研究と絵画を残すのみ。


昨日は夕方から、上娘が大好きなミニオンの映画を観てきました。

(画像はお借りしています)


ミニオンの愛らしさに加え、登場する人間に性悪がいないので、リラックスして観れますよね。

映画館は小学生と思われる子連れで席がほぼ埋まっていましたが、うちの娘たち含め、子どもたち、随所で爆笑していました。


12月公開予定映画のチラシも出始めていて、『ライオン・キングームファサー』『銭天堂』に加え、娘たちは『はたらく細胞』も楽しみにしていますおねがい

(画像はお借りしています)


はたらく細胞シリーズは下娘が特に好きで、漫画や図鑑など色々と買い揃えましたが、様々な細胞の働きが擬人化されているので小学生でも驚くほど細胞や身体の事に詳しくなりますね。


最近は『はたらく細胞 おくすり』が出ているため、こちらも買ってみようと思います。





飛行機2024年 19本目

今度、セミナーで話をしなくてはならなくなったため、話をする上で参考になりそうな書籍を何冊か読んでいます。
その中の一冊で、連休中に読了したのが田坂広志さんのこちら下矢印


以下は備忘録メモです。

クローバーp.122-123
イチロー選手が、
あるピッチャーとの対戦で、
何試合もヒットを打てず、抑え込まれていました。
そのことについて、あるインタビュアーが聞きました。
「あのピッチャーは、苦手のピッチャーですか」
その問いに対して、
イチロー選手は答えました。
「いえ、そうではありません。
彼は、自分の可能性を引き出してくれる
素晴らしいピッチャーです。
だから、自分も、力を磨いて、
彼の可能性を引き出せるバッターになりたいですね。」
このイチロー選手のコメントは、我々に、
「困難」ということの、本当の意味を教えてくれます。
それは、決して「否定的な出来事」ではありません。
それは、「可能性を拓く機会」なのです。


クローバーp.170-174
人生を一つの旅に喩えるならば、
この旅は、いつか、かならず、
終わりを迎えます。
では、この旅において、
我々は、何をめざすのか。
若き日に、我々は、
「勝者の思想」を抱いて、旅に出ます。
誰よりも早く、
誰よりも遠くまで辿り着こうと思い、
旅に出ます。
しかし、いつか、我々は、その思想が、
この旅から、喜びを奪っていることに気がつきます。
そして、その自分の姿に気がつくとき、我々は、
自分の心が見えてくる。
そして、我々は、心を定める。
その目的地をめざし、誰と競争するのでもなく、
自分の精一杯の歩みで、歩んでいこうと、
思い定めるのです。
しかし、年を重ね、長き道を歩むにつれ、
いつか、我々は、一つの真実を知ります。
その目的地に辿り着くことは、約束されていない。
その真実を、知ります。
けれども、そのとき、我々は、
もう一つの大切な真実も、知ります。
その歩みの中で、成長することができた。
そして、その思想を抱いて歩むとき、
いつか、不思議な感覚を得ていることに気がつきます。
旅の途上で巡り会うすべての人々が、
かけがえの無い人々であると、感じられる。
旅の途上で出会うすべての景色が、
深い意味を持った景色であると、感じられる。
しかし、そうして歩んでいく旅も、
いつか、終わるときがやってくる。
そして、
その旅が終わろうとするとき、
その最期の一瞬に、
あの不思議な人物が現れる。
そして、我々に、静かに問う。
素晴らしい旅であったか。


富士山2024年 43冊目