ある雲の上に、とても怠け者の雷様がいました。
雨は降らさないし、太鼓を叩いて雷を鳴らす事もしません。
毎日毎日、雲を食べては寝転がっています。
この雲と言うのが鮮やか7色に光り輝いていて、色事に味が違いますから、7つの様々な味が楽しめて、とても美味しいのです。
ある日、いつものように寝転がって雲を食べていると、ついつい雲を食べ過ぎてしまった雷様は、雲から滑り落ちて地上に落ちてしまいました。
雷様が落ちた地上では雨が降らなくて困っている沢山の人々の姿を見ました。
しかし雷様は「そんな事より自分のことが大事だ」と少しで雲に近い所に行こうと思って山を登りました。
山の上で困っていると、一筋の雷が鳴り、これで雲の上に帰る事が出来ると思い、雷にしがみつきました。
「しかし誰が雷を鳴らす太鼓を叩いてるんだろう?」と不思議に思いながらも雷を登っていると、雲の上では神様が待っていました。
「お前の食い意地には困ったものだな~」とつぶやくと、7色に輝いていた雲を白と黒の2色にしてしまいました。
白色の雲は何も味がしない雲になってしまい、黒い色の雲は苦くて、とても食べられません。
神様は「これで今までの様に沢山食べられないから、雲から落ちる事は無いだろう」と言うと帰ってしまいました。
仕方なく味の無い白い雲を食べていると、雷様は雨が降らなくて困っている地上の人々を思い出して、雨を降らして雷を鳴らす太鼓を叩きました。
そして雷様が雨と雷を止めてみると雲が七色に輝いてます。
「これは、どういう事なんだ?」と不思議に思いながらも雲を1口食べてみると食べなれた味がするのです。
実は、やさしい神様は虹が出ている間は雲が七色に変わる様にしてくれていました。
それに気づいた雷様は7色の雲を食べたいから、今まで怠けていたのが嘘みたいなぐらいの働き者になりました。
雷が鳴り止んで雨上りの虹の出ている空に雲が無いのは、雷様が嬉しさのあまりに雲を全部食べてしまうからなのかもしれませんね。 (終)
創作裏話
地上に落ちる原因の別バージョン
「怠けている雷様をみた風神様が怒って風を起こし、雷様を雲の上から落としてしまいました」
雷神&風神のコンビを登場させようか迷ったが、後で神様も出るから「クドイかな?」とカット。
後、山に登るのは実際に福岡県と佐賀県の境にある雷山(らいざん)をモチーフに。