総務省は26日、携帯電話端末を特定の通信会社でしか使えないように制限する「SIMロック」の解除に向けたガイドライン案をまとめた。2011年4月以降に発売する端末から解除の対象にする。解除は義務化せず、当面は通信会社の自主的な取り組みに委ねる。消費者の選択肢を広げ、利便性を高めるのが狙い。ただ、顧客の囲い込みが難しくなるロック解除への対応には慎重な企業も多く、どこまで普及するか不透明だ。

 解除の対象となる端末は通信会社が決めることができる。ガイドライン案では、通信会社にSIMロックを解除できる他社の携帯端末の使用を拒否しないよう求める。同じ携帯電話で通信会社を変更するケースでは、メーカーだけでなくサービスを提供する通信会社にも、不具合や故障に対応するよう要請する。

 携帯電話のほか、電子書籍やゲームなどが楽しめる米アップルの「iPad(アイパッド)」のようなSIMカードを搭載する情報端末も対象にする

 通信会社を変更すると、通信サービスや端末に設定している一部の機能が使えなくなる可能性がある。通信事業者にはこうした事項や、SIMロックを解除する手順などについて事前に説明することを求める。

 通信会社が売れ筋の端末を囲い込み、SIMロック解除の対象になる端末が増えないケースも想定される。このため総務省は通信会社の取り組み状況や利用者の声などを踏まえ、一定期間後に法律による義務付けも視野に見直す方針も明記した。事業者などの意見を聞いたうえで、6月末にガイドラインを最終決定する。

 総務省はロックを解除すれば、利用者が端末や通信会社を決める際の選択の幅が広がるとみている。サービス競争が活発になり通信料金などの低下を期待する声もある。内藤正光総務副大臣は4月に携帯通信会社などからヒアリングを実施した際、「解除に応じることで一定の合意を得た」と結論づけ、解除を方向付けた。


日経2010/5/26