どさん子 八重洲店を訪問しました。




約50年前、創業時に「つたや中華」の店名で産声をあげ、のちに改称し日本全土を味噌ラーメンで席巻した伝説のチェーン店、どさん子ラーメン。
その後、様々な経緯を経て、2014年、縁あって我らが力の源ホールディングスによるリブランド化が施され、新形態として復活を遂げました。

こちらの八重洲店はその中でも代表格とも言えるお店です。私自身、ずっと訪問したかったお店なのですが、今回遂に伺わせて頂く事が出来ました。

ズラリと並んだメニューサンプル。
一風堂を想起させる『赤練』『白練』といったメニューにもそそられましたが、ここは敢えて、
幼き日の、どさん子との出会い・・・・・
無類の麺好きだった、私の父。
その血は脈々と受け継がれ、現在の私を形成しています。
小学校低学年の頃、普段不出来な私が珍しくテストで高得点を取って来た際に、ご褒美として今は亡き父に連れられ、初めてどさん子に行った日の事を今でも覚えています。
それまでラーメンといえば家庭で作るインスタントラーメンしか食べた事の無かった幼少時の私にとって、その全てがセンセーショナルでした。
それ以降、どさん子ラーメン食べたさの一心に、大嫌いだった勉強を必死に頑張る様になり、毎回とはいきませんでしたがそれ相応の高得点を取れた際には、父は決まってどさん子ラーメンに連れて行ってくれました。それを喜ぶ私。そしてその父の表情もまたとても嬉しそうでした。
・・・やがて時は流れ、父は他界し、どさん子の店舗も近所はおろか全国から次第にその数を減らしていきました。
そして2014年の、まさかの力の源ホールディングスによるリブランド。
実は数年前から何度かこちらのお店を訪問させて頂くチャンスはあったのですが、なにぶん、年に数回程度の上京の機会であり、上京出来たとしても営業時間が過ぎてしまっていたり、日程が合わなかったりなど諸事情ありましたが、今回やっと念願が叶いました。
店内壁面に掲げられたどさん子の歴史

【つたや中華 元祖!味噌】(¥680円)
まずはスープをひとくちいただきます。
美味しい・・・・・。実にノスタルジックな美味しさを感じます。
濃厚であるにもかかわらずくどさの無い味噌スープ。それに絶妙に絡む縮れ太麺。
正直な感想を言わせて頂けば、朧気に『ああ、こういう味だったよなあ・・・』というのが本音です。
無理もありません。40年近く前の、遠い遠い昔の記憶です。
決して自己弁護する訳ではありませんが、
よく「おふくろの味」とか「ソウルフード」とかいう単語が使われますが、
私自身それを肯定しながらも、その反面でそうした思いの可否に疑問を感じる事がよくあります。
ラーメンに限らず、料理の技術は世界レベルで日進月歩を遂げ、それに追随するかの如く、我々の味覚も変わっていきます。
そして、人の記憶ほど素晴らしく、また同時にあてにならないものもありません。
その中で、
『変わるべきもの』『変わるべきでないもの』
『残るべきもの』
『変えたくなくても、いつしか変わってしまうもの』
そして、
『一度は時代に流されるとも、再評価を受け復活を果たすもの』
『記憶、そして心に残るもの』・・・・・
あくまで私自身による臆測ですが、おそらくこのラーメンがどこまで忠実に創業当時そのままのレシピか否かは私には分かりません。
もしかしたら現代に生きる我々に合わせ何らかのマイナーチェンジが施されている可能性も有り得ます。
しかし、そんな事はどちらでもよいのではないかと思います。要はこの一杯のラーメンを食べ、過去の自身の記憶と対峙し、どれだけ感銘を受けられるのか、その一点に尽きると思います。
そのために、
まさに、
『変わらないために、変わり続ける』。
その言葉の重みを改めて感じます。

創業当時のデザインを再現したと思われる、「つたや中華」の文字が書かれた丼。
最後の一滴を飲み干した時・・・・
臨終の間際、もうすっかり流動食しか摂取出来なくなっていた、弱り切った父の姿をふと思い出しました・・・・。
『これを亡き父に食べさせてあげる事が出来たのなら・・・・』と思うと同時に、目頭が潤むのを抑える事が出来ませんでした。
心と記憶の奥底にじんわりと暖かい満足感を得られた一杯でした。
実に美味しかったです。ご馳走さまでした🍴
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