今でこそ、2回目の大学生になったり、

懇親会だけのために飛行機で

東京へ行ったり、

「仕事で大切なことはすべて

尼崎の小さな本屋で学んだ」

(川上徹也著)を読んで

主人公である小林由美子さんに

会いたくなって会いに行ったりと、

ずいぶんと身軽に

行動できるようになった私だけど…



数年前までは、

息子は不登校で一緒に悩んでたし、

母が脳梗塞で倒れた時ですら

すぐに実家に帰るという選択が

できなかったし、

そもそも結婚してから17年ほど

お盆やお正月に実家に

帰省したことすらなかった。

 

 

「母だから」「長男の嫁だから」

という呪縛に自分自身の思いなんて

見ないようにしていた。

 



 

誰にも「お母さんなのに」

「長男の嫁なのに」なんて

一度も言われていないのにね。

言っていたのは自分。

 

 

そしてその母、長男の嫁の

あるべき姿を決めていたのも自分。

そしてその決めた姿になるべく

行動していたのも自分。

 

 

しかし、そこに自分の望みなんてない。

あるのは他人からの目線。

こうしたら周りからどう思われるか、

全てはそこが私の判断基準。

 

 

息子の不登校もなって間もない頃は

周りからどう見られているのか

気になって仕方なかった。

お母さんとして何かが間違っていて、

子どもを不登校にしてしまった母親。

 

 

もちろんどうしたら学校に

行けるようになるかは

真剣に考えていた。

 

 

ただ、今ならわかる、

その時本当の意味で

「息子の気持ち」に

寄り添えていなかったことが。

 

 

母が脳梗塞で倒れたのは

娘の中学受験前日だった。

「母親だから受験に

付き添わないといけない」

と思い込み、

もちろん母のことは心配でありながらも、

母に付き添ってくれていた

父や弟から様子を聞きながら、

私は娘の受験に付き添っていた。

 

 

弟からの「お母さんは大丈夫だから、

○○ちゃんの受験に付き添ってあげて」

という言葉にそれでいいんだと思い込み、

それからもしばらく受験が続いたため、

ずっと帰らなかった。

 

 

全ての試験が終わって、

病院に行った。

そこで見たのは右半身付随、

顔も右半分麻痺の残った母の姿。

言葉も思うように発することができず、

もちろん自力では動けない、

記憶すら怪しい。

そんな変わり果てた母の姿を

目の当たりにして、

涙が止まらなかった。

 

 

生きててくれてありがとうという感謝と

どうしてここまでなっているにも関わらず

私は母の元にいち早く

駆け付けなかったのだろうと

自分自身に対する怒り。

 

 

今ならわかる、

そこに私が本当はどうしたいかという

「自分の気持ち」に蓋をして

見ないようにしていたことを。

 

 

お盆やお正月に

帰省していなかったことだって同じ。

長男の嫁なんだから、

義理の実家に行き、

そこにみえる親戚を

おもてなしすることが当たり前。

 

 

ただこれだってよくよく考えたら気付くはず。

私がもてなそうとしているお義姉さんたちは

実家に帰ってきてるよ、ってこと。

それなのに17年間、

お盆やお正月は

義実家にいるのが「よい嫁」だと

思い込んでいた。

誰にもそんなこと求められていないのに…。

 

 

今ならわかる、

根拠も何もないよく分からない理想像に

向かって行動を決めていたことを。

 

 

どの出来事にも共通していること、

それは「自分の真の気持ち」には

目を向けることなく、

全てが「他人軸」。

 

 

しかもその他人軸さえも

私の空想の世界で作り上げたもの。

結果、誰も喜んでいない、残念…。

 

 

2人の子どもたちにも恵まれ、

何不自由なく生活していて、

これといって不幸を感じることはなかったが、

自分の人生を心底楽しめているか、

このまま何十年と同じ人生が続くことが

幸せだと思えるかと言われたら、

「もちろん!」と即答はできなかった。

 

 

結婚してから?親になってから?

周りの目を気にしてどこか

自分の意思とは違う次元で生きていた。

 

 

もっとあんなことしてみたい、

こんなことしてみたい、

もっとあんなところや

こんなところに行ってみたい!

書き出したらたくさん出てきた。

 

 

一度きりの人生だもん、

もっと自分の気持ちを

大切にして素直に生きよう。

 

 

母だから、嫁だから、

そんな肩書きに縛られることなく

(縛っていたのは自分)

「私」を生きる!

 

 

そう決めてから、

息子も楽しく通える学校に出会い、

楽しく学校生活を送り、

テニスやロードバイクの趣味にも没頭し、

志望する進路も見つけて

勉強も頑張っている。

 

 

また、私が頻繁に顔を見せるようになって

両親も喜んでくれている。

 

 

そして、私は私でやってみたい

と思ったことにはチャレンジし、

40代後半でありながらも、

まだまだこれからと

自分の人生を楽しんでいる!

 

 

それこそが「私らしく生きる」

ということであり、

周りに対してもそんな私でいる方が

幸せにできると実感している。

 

 

なんか小難しく考えて、

周りまで拗らせてたね…

 

 

自分の気持ちに正直に生きていく!!

それが人生を楽しくし、

そんな大人を見せることで

子ども達も大人になることが楽しみになる。

誰かの我慢の上に

本当の幸せなんて成り立たない。

 



 

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