おなじ時期に
消防士になりたかったという東京の下町から傷心旅行に来た28の青年。
3、11の消防士ね活動をみて、自分もひとの役に立つ仕事がしたいと決心して一念発起、
ものすごく人間的に優しい男なんだが、学生時代に野球しかしなかったと言う。
本人曰く、僕は日本一のばかなんです。何回受けても試験受からないんです、もう年齢制限で諦めざるをえません、僕は日本一不幸です。
でその傷心を癒す沖縄旅行らしい。
野球少年の彼は男子高校によくある女子恐怖症で上手くしゃべれないと歎くので
老婆心ながら
ナタリーを紹介してあげた。
彼女はナタリー。日本人のお母さんとイギリス人のパパのハーフで日本語上手いからお話ししてみたら。
あ、すか。(あ、そうですか)
イギリスの何処ですか?
ロンドンからちょっと離れた小さな町。
なんていう町すか。ロンドン!すか、チヨーカッケーすね。ね。
おれに同意を求められても困るなあ。
なんて中味のない奴なんだ。
紹介したの失敗かな。
話を少しそらそうと、
ナタリーは富士山登ったの?
先程してた会話のつづきでナタリーに話しかけた。
ナタリーさん、富士山好きなんすか。
ええ、富士山は綺麗な山です
富士山カッケぇすよね。
おまえ、カッケええしかいえねえのか。
イギリスの若もんも酒好きすっか?
ひとそれぞれ。
バーボンすか。
バーボンはあまり、、、
じや、ウォッカすか。
ウォッカは強いお酒です。
じやテキーラ。
イギリスだからスコッチだよ。と耐え切れず助け舟をだす
イギリス人はビール好き。
あ、僕もビール大好きッス。
わたし、お腹出るから少したけね。
なぜ彼はこんなに酒の話にこだわったのか。
そのわりに酒の知識は皆無のくせに。
後でわかった事だが、どうやらいっしょに酒が飲みたかったらしい。
やがてナタリーは内容のない会話に飽きて
じゃ、またあとで。
と素敵な笑顔を残して部屋に消えて行った。
うわー ハーフの彼女いたらカッケーすよね。
ダチびびっちゃいますよ、マジ、
君ねえ、公務員試験おちてよかったよ。
軽すぎる、もっと人間に厚みを付けないとね。
今日彼は宮古島に向かっています。