ジグソーパズルの男 | ふりちんの寅のブログ

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             ジグソーパズル


このマンションに越してきて約半年。前のマンションはあんまり治安が良くなかった。
空き巣被害が2年で7件。覗きが3件。下着どろは警察騒ぎになったのは2件だけど、奥さん連中の噂話ではそれ以上の被害があったみたい。今度のマンションは遠くにだけど小さく東京タワーの頭が見えるというのが一番お気に入りの理由だが、それ以外にセキュリテイがしっかりしているのが選んだポイントでもある。管理人さんが以前元警察官だったということは心強い。

頭はちょっと薄くなってはいるが俳優の加藤剛さんにちょっと似た面持ちで若いころはモテたに違いない。いかにも敏腕刑事さんという雰囲気で頼りになりそう。あの甘いマスクでア顔で話しかけられるとちょっと子宮がきゅんとしちゃいそう。

引っ越してきたときの挨拶で立ち話をすると
「警察といっても鑑識畑の人で逮捕とかそういう現場はあまり経験がないのだ」と笑う。
ただ「防犯に関する知識は人並み以上に持ってるつもりなので何かあったら相談してほしい」と頼もしいことを言ってくれた。

13階立ての11階部分の2LDKで家賃は随分高くなったがこの街では打倒だろう。
私も子供を保育園に預けて働くことにした。そうすればなんとかやっていけるだろう。妊娠で一時職場を離れていたが以前勤めていたアパレル関係の友人が仕事を紹介してくれて意外と自由の利く仕事にありつくことができた。

まだ親しくしてる人は少ないのでもっぱらこの管理人さんからいろんな情報を得ている。
「お子さんが小さいからゴミ出しとか大変でしょう。時間に間に合わないと回収業者は残して行っちゃうから、間に合わなかったときは声をかけてもらえば私の方で出しときますから。」なんて優しく言ってもらえる。
あたしにだけ特別に優しくしてくれてる?

 そしてこのおじさんは性格がきっちりしているのかゴミの分別に命を懸けていそうな口ぶりだ。
「性格がA型なもんですからその辺はきっちりやらないと気が済まんのですよ」
「あ、私も気を付けますが、間違っていたら注意してくださいね」
「ごみは資源ですからちゃんと分別すると未来の資源を無駄遣いすることなく、できますからね、またなんでもかんでも燃やしてしまうというは地球温暖化にも問題があります」流石元公務員だと思わせるようなポリシーを持っている。

 趣味は写真とジグソーパズルが好きだそうで、暇なときは管理室で小さなパズル片を睨らんで並べている。
「ジグソーってそんなに面白いですか?」と聞くと
「事件と同じで小さな断片をつなげていくと物事が見えてくるんです。そんなところが面白いのかな。昔の癖ですよ。自分の想像したものが出来上がってくると推理の当たった喜びってものありますしな」この人の凄いところは市販のジグソーだけでなく、自分の取った写真をジグソーパズルにして自分のオリジナジグソーパズルを作れるとのことだ。
ジグソーを作っているおもちゃ会社では彼の写真使った商品もいくつか作られているというのが自慢のようだ。
「よかったら奥さんもやってみませんか。これ1000ピース程度の簡単なもんですが、良かったらどうぞ」と一つプレゼントしてもらったのだが、小さな子供の手の離せない自分にやっぱり不向きのようだ。
 未完成のまま、箱に仕舞ってある。
完成すると沖縄の綺麗な海の写真が出来上がるそうなのだが、白いピースと青いピースばっかりでおそらく砂浜と海のピースだろうと想像はつくがそれを並べてみる気は起らないのだ。


私は仕事柄ファッションが好きでおしゃれにはいつもお金と気を遣っている。
「もし迷惑でなければ奥さんの写真を撮らしてもらえませんか?奥さんはスタイルもいいし、ファッションも素敵だからいいモデルさんだなといつも会社に行くお姿を拝見してたんです。いや、失礼。いや、そこのハナミズキが満開になるとこの辺のビューポイントになるんです。もう何年も撮ってはいるんだが、いつも花だけじゃつまらない。下手な作品だけどもしうまく撮れたらパネルにして進呈しましょう。あ、ジグソーパズルにしてもいいかも・・」
「ちょっとパズルなんて却って恥ずかしいでうすわ」
「そーですか、それは残念だな。でも写真はいいでしょう?」
「それは構いませんが子供と一緒にとってもらえたら嬉しいです。いい思い出になるかも」

次の5月のゴールデンウイーク明けにマンションのエントランスアプローチでハナミズキが満開に花を開いた。
子供を散歩させていると管理人さんがかなり大きなカメラマンバッグを抱えてきて「今、お時間ありませんか?」と声をかけてきたので
「こんな普段着のままでいいんですか?」
かなり本格的だ。小さな組み立て式のレフ版もあるし、光量を図る装置も持っている。
「その普段着が素でいいんですよ。」
私は子供と遊ぶつもりでスパッツにスプリングセーターという部屋着で外へ出てきてしまっていたので遠慮しようと思ったのだが、素がいいといわれてはあえて余所行きに着替えたり、化粧するのもなんだが自分だけえ気合が入っているのも変かなと思い、普段のスナップショットのつもりで取ってもらうことにした。

正直、スパッツなのでお尻のラインがはっきり出て小恥ずかしが、部屋着なので仕方ない。誰に見せる写真でもなかろう。
ポーズもも何もなく、自然に子供と花を見上げているショットを撮ってもらった。
管理人さんは数台のカメラを取り換えながら30分ほどシャッターを押し続けていた。
「うまく撮れたかどうかわかりませんが、いい作品になったとおもいますよ、ありがとう」と言ってもらったのでそのまま別れていつかもらえるのかというくらいに考えていた。


ある時、古くなった子供服をゴミで出そうとしてたら管理人さんがやってきて「奥さん、その服捨てちゃうんですか?」
「ええ、子どもの成長は速いですね。親戚からおさがりでもらったものですし、私が買ったのならだれか知り合いにでも譲ってもいいかなと思えるんですが、さすがにおさがりのおさがりじゃもらった方も嫌でしょうから」
「それはいけません。たとえばアフリカの子供とか東南アジアの子供たちははだしで歩いていたりもちろん、着る物だって日本みたいにもう着なくなったからって捨てたりはしませんよ。私はそういう国へ贅沢日本のいらない物資を送る活動を支援してますので、良かったらそっちのほうへ回してもらえませんか?」説得の口調にも熱が籠っている。
「ええ、こんなベビー服で良ければどうぞ。一応洗濯はしてありますので」
「ありがとう」と整理したビニール袋ごと渡してしまった。
 「奥さんの服とか靴とかもよかったらそっちへ回してもらえませんか。」
引っ越しして冬物と夏物と入れ替えをしてた時期だったので
「そんな、有名メーカーの物じゃないですけど」
「メーカーなんて関係ないんです彼らの国にしてみるとただのプリントTシャツだってそれこそおしゃれな服として喜んで使ってもらえます。服だってそっちの方が喜ぶんじゃないでしょうか」そう言われてみればそのかもしれない
服飾関係の仕事をしていながらそんな考えを持ってなかった自分をちょっと反省した。
とそれから段ボールに仕舞っていた冬物を自分の分と夫の分を整理して管理人さん渡した。



続く